東京大学とマツダ株式会社「海事デジタルエンジニアリング社会連携講座」間のモデルベース開発(MBD)に関する連携協力
- ヘッドライン
- 記者発表
東京大学大学院新領域創成科学研究科
東京大学大学院新領域創成科学研究科「海事デジタルエンジニアリング社会連携講座」(以下、東京大学MODE※)とマツダ株式会社(以下、マツダ)は、この度、モデルベース開発(Model Based Development: MBD)技術領域における連携協力を2025年7月1日に締結いたしました。この連携は、地球環境を守りながら、安全・安心な社会を支える持続可能なモビリティの実現により、人々の豊かさの創造と日本のモノづくり産業の競争力を維持/強化することを目的としています。当該領域における自動車産業と海事産業の連携は類を見ない試みであり、また東京大学をハブとした技術と人材のネットワーキングを基盤とした包括的な連携協力となります。
全文PDF
本連携の背景と狙い
社会経済の大きな変化・不確実性(VUCA)の時代の中で、自動車産業は100年に一度といわれる変革期を迎え、マツダではカーボンニュートラルや自動運転といった複雑/大規模化するシステムの設計にいち早くMBDをとり入れ、日本ならではのSURIAWASEによって高効率にモノづくりを実現できる技術を確立してきました。
一方、船による海上物流は世界の約80%、日本の99%以上の貨物を運ぶ社会基盤であり、日本の海事産業は重要な役割を果たしています。東京大学MODEでは、海事産業が抱えるGHG排出削減、安全性向上のための自動運航技術の開発といった技術課題解決のため、東京大学と海運・造船・舶用の海事業界18者が連携してシミュレーション共通基盤の開発に取り組んでいます。
今回、モビリティ産業が抱える設計対象の大規模化・複雑化やシステムの高知能化といった共通課題に対し、自動車産業・海事産業の技術力と大学の多様な専門性を持ち寄って取り組む新たな形の産学連携を進めることで、相互の産業競争力を向上させることで一致しました。
本連携における具体的な取り組み
- 自動車業界からの技術提供:東京大学MODEの主催する研究会におけるマツダからの技術アドバイス並びに東京大学MODE の主催するシンポジウム・研究会等での講演
- 自動車業界と海事業界の技術協業:マツダの研究企画への東京大学MODEからの企業研究者/学生の参画及びシミュレーション共通基盤の企画
- 自動車業界と海事業界の共通教育プログラム構築:東京大学MODEの教育プログラムのマツダでの活用及び技術者・研究者の定期技術交流
※MODE(Maritime and Ocean Digital Engineering Laboratory)
高度複雑化する船舶の設計、建造に対応するため2022年10月に東京大学大学院新領域創成科学研究科に設置され、現在、以下の18者が参加しています。
<MODE 参画企業>
株式会社MTI(日本郵船グループ)、ジャパン マリンユナイテッド株式会社、三菱造船株式会社(三菱重工グループ)、古野電気株式会社、日本無線株式会社、BEMAC株式会社、一般財団法人日本海事協会、JRCS株式会社、株式会社商船三井、株式会社新来島サノヤス造船、常石造船株式会社、寺崎電気産業株式会社、ナブテスコ株式会社、ダイハツインフィニアース株式会社、今治造船株式会社、東京計器株式会社、株式会社日本海洋科学(日本郵船グループ)、株式会社三井造船昭島研究所(常石グループ)