概要

教員検索

村山 英晶

(むらやま ひであき/教授/環境学研究系)

海洋技術環境学専攻/海洋利用システム学講座/海洋システム健全性形成学分野

略歴

1996年3月東京大学工学部船舶海洋工学科卒業
1998年3月東京大学大学院工学系研究科船舶海洋工学専攻修士課程修了
1999年1月~2001年3月日本学術振興会特別研究員
2001年3月東京大学大学院工学系研究科環境海洋工学専攻博士課程修了 博士(工学)
2001年3月特殊法人宇宙開発事業団宇宙開発特別研究員
2003年5月東京大学大学院工学系研究科環境海洋工学専攻講師
2006年10月東京大学大学院工学系研究科環境海洋工学専攻助教授
2007年4月東京大学 大学院工学系研究科環境海洋工学専攻准教授
2008年4月東京大学 大学院工学系研究科システム創成学専攻准教授
2013年7月 - 現在 東京大学 大学院工学系研究科附属レジリエンス工学研究センター 協力教員
2015年4月~2016年4月スウェーデン王立工科大学 School of Engineering Sciences 客員研究員を経て
2017年6月より現職

教育活動

大学院:
工学系研究科:海洋問題演習?、海洋工学基礎
工学系研究科システム創成学専攻:先進構造システム管理学、システム創成学特別演習(ソーラーボートプロジェクト)
工学部システム創成学科:材料力学1、材料力学2、先進デザイン、基礎プロジェクト、応用プロジェクト

研究活動

炭素繊維強化プラスチック(CFRP)に代表される複合材料と、複合材料に埋め込み一体化可能な光ファイバセンサなどのセンシング技術を高度な次元で融合させ、海洋空間でより安全に、効率よく働くことができる構造物、輸送機、ロボットのための材料・構造システムを研究開発します。

おもな研究テーマ
(a)ヘルスモニタリング・ヘルスマネジメント
常に自分が置かれている環境と自身の状態を把握しながら快適さや安全を確保しようと判断・行動する人間のように,構造物自身が内外の状態を監視・診断し(ヘルスモニタリング),適切な運用を促す(ヘルスマネジメント)システムの開発を目指しています。神経のようにネットワーク化されたセンサからの情報が脳として働くプロセッサによって処理されるモデル,それがスマートストラクチャの原型です。船舶・海洋構造物・宇宙輸送機器・航空機など,より効率性・安全性が求められる輸送機器・インフラストラクチャへの適用を視野に入れています。またシステムの研究途上で,世界最高水準の性能を持つ光ファイバセンサの開発に成功しました。

(b)高性能材料・構造システム
センサとプロセッサがスマートストラクチャに感覚を与える神経と脳だとすれば,材料・構造はその骨格と言えます。強く軽い骨格は,経済,環境,安全の面で優れた効果を発揮します。炭素繊維を用いた高性能材料・構造の開発とともに,その応用・適用範囲の拡張に取り組んでいます。企業との共同研究において,従来銅合金で作られていた舶用プロペラに炭素繊維を適用し,大幅な効率向上を果たすことができました。スマートストラクチャの概念・技術を導入することで,様々な構造物に対してさらなる高性能化が期待できます。

(c)海洋ドローン
無人航行可能な船の海洋探査・開発や救助などへの活用が期待されています。再使用可能エネルギや燃料電池などの新しい動力源を持ち、高性能材料とヘルスモニタリング技術でスマートストラクチャ化されたロボットボートは、過酷な海洋空間でも連続的・長期的な運用が可能になると考えています。また、このボートを中心に水中ロボット、飛行ロボットと連携することで、海洋における広範囲で多層的な活動空間をカバーできます。ロボットボートをはじめ、海洋で活躍する新しいドローンの開発とその応用を目指します。

おもな受賞:
1)日本複合材料学会 1999年度技術賞 アメリカズカップ挑戦艇「阿修羅」、「韋駄天」の構造設計および建造 2000年5月(共同受賞)
2)日本船舶海洋工学会 日本船舶海洋工学会(著書・調査・開発・発明等) 複合材料製舶用プロペラの開発 2015年5月(共同受賞)

文献

1) Murayama, H., Structural Health Monitoring of Composite Materials Using Distributed Fiber-Optic Sensors, in Structural Health Monitoring of Composite Structures Using Fiber Optic Methods, CRC Press, pp. 105-156 (2016).
2) 村山英晶、小川大智、影山和郎、松尾剛、金井誠、山磨敏夫、櫻井貴哉、舶用プロペラ用VaRTM法CFRPの曲げ挙動評価、日本船舶海洋工学会講演会論文集 第24号、論文番号2017S-GS7-3、東京 (2017).

その他

日本船舶海洋工学会(会務委員、講演会実行委員など)、日本複合材料工学会(編集委員、庶務理事など)、日本機械学会、土木学会、日本保全学会、各会員。
ISSC 2015 V-7委員、ISSC 2018 V-7委員、IEC/TC86/SC86C/WG2光ファイバ専門委員会(2014~)、OFS-22~OFS-25 Technical Program Committee等。

将来計画

対象とする分野で、経済性・環境性に優れ社会に実装可能なシステムの開発研究とそのシステムを成立させるうえで重要な基盤技術に関する基礎研究の両立を目指しています。そのために、国内外で研究者、企業との連携を積極的に進めたいと考えています。

教員からのメッセージ

工学の基礎知識を組み合わせてシステムを設計・実装・評価・改良していく過程で専門性と企画・実践力を養えるよう、また楽しく取り組んでもらえるよう研究課題・環境の設定・整備を心がけています。

ホームページのURL

http://www.gisolab.t.u-tokyo.ac.jp/