在学生の声 2026

多様な関わりで広がる視野

瀬筒 はる香(せづつ はるか)
環境システム学専攻 修士課程

学部では、工学部で化学を基盤に、環境、エネルギー、医療などの様々な課題に対する知識や技術を学んでいました。そこで、今だけでなく未来の生活に大きく関わる環境学に興味を持ちました。地球規模で深刻化する環境問題に関する幅広い知識や多面的な視点、問題解決のための能力を身につけたいと考え、新領域の環境システム学専攻に進学しました。

現在、環境に優しい有機合成を目指し、バイオマス由来原料から酸素を取り除く反応に関する研究を行っています。有機溶媒の代わりに温度や圧力に応じて性質が大きく変わる超臨界水を用いることで、環境負荷低減と反応制御性の向上が期待できます。グリーンケミストリーの実現につながるような反応場を追求していきたいです。

新領域は、多様な国籍や背景を持つ人々が、熱量高く集う環境です。自身の専門性を深く追求しながら、他分野の知見にも触れることで、境界を越えた広い視野と柔軟な思考力を養うことができます。ぜひ皆さんと共に研究に励み、議論を交わせる日を楽しみにしています。

「人を支える工学」を軸に。医療福祉からインフラへ、広がる専門性

高村 映(たかむら あき)
人間環境学専攻 修士課程

学部では工学部精密工学科に在籍し、現在も所属する人間環境学専攻の山下・安・濵田研究室で研究を行いました。当時はパーキンソン病患者のバランス障害をテーマとし、効果的なリハビリを検討するため、工学や医学、心理学など学際的な視点からアプローチを行いました。「工学を用いて人間の活動支援に取り組む」という自身の思いが本専攻の理念と合致したこと、何より研究に没頭できる環境の良さを実感していたため、大学院も迷わず同専攻へ進学しました。

修士課程では専門性を広げるべく、医療福祉分野からインフラ保全へとテーマを変え、機械学習を活用したコンクリート打叩音診断の自動化を研究しています。インフラ老朽化と点検員不足が深刻化する中、効率的な点検技術が急務です。学習に必要な膨大なデータ準備のコストや、健常音に対して欠陥音が極端に少ない「クラス不均衡」の課題に向き合いながら、実用的なシステムの確立を目指しています。人から物へと研究対象が変わっても、社会課題を解決し人を支えたいという軸は揺るぎません。変わらぬ思いのもと、新領域で多様な研究に取り組めたことは自身の糧になっています。

新領域の魅力は、落ち着いて研究に集中できるキャンパスでありながら、留学生が多く国際色豊かな点です。日常的な交流や国際学会での経験に刺激を受け、私自身も研究留学を志すようになりました。学生の新たな挑戦を力強く後押ししてくれる風土がここにはあります。学部での専門にとらわれず、幅広い興味を持って新しいことに挑戦したい方に心からおすすめします。

物質科学の分野横断研究

小山 千翔(こやま ちはや)
物質系専攻 博士課程

私は学部・修士時代は名古屋大学の工学部物理工学科に在籍しており、特にSPring-8などの大型放射光施設を利用した結晶構造解析について学んできました。結晶中の原子配列や電子状態を実験的に調べることで、物質が示す多様な性質の起源に迫る研究に関心を持つようになりました。 新領域創成科学研究科に進学した理由は、物理・化学・材料科学などの分野を横断しながら研究を進められる環境に魅力を感じたからです。

現在の所属研究室では、X線、中性子線、電子線などの量子ビームを用いた測定だけでなく、物質合成や基礎物性測定なども幅広く行っています。そのため、自分の専門である構造解析を出発点にしながら、物質の合成から物性評価、電子状態の理解までを一体的に考えることができます。 新領域の良いところは、異なる専門分野を持つ人たちと活発に議論できる点だと思います。自分の研究を別の視点から見直す機会が多く、研究テーマの広がりや新しい発想につながります。また、分野の境界にとらわれず、自分の興味に応じて研究を発展させやすい環境があることも大きな魅力です。

大学院入学を考えている学生の皆さんには、自分の専門を深めたい人にも、分野を広げながら新しい研究に挑戦したい人にも、新領域はとても良い環境だと思います。

「性決定」の多様性の進化と役割に迫る

石田 響子(いしだ きょうこ)
先端生命科学専攻 博士課程

私は昆虫の色、形、行動など、性差や種差のある形質を生み出す分子機構や進化に興味を持っています。 学部では進化ゲノミクスの研究室に所属しており、天敵への防御戦略として防御物質を生合成する鱗翅目昆虫に着目し、生合成経路の進化プロセスや生合成能の性差等について、データ解析を中心に調べていました。

データ解析に留まらず様々な研究手法を習得したいという思いから、現在の研究室への進学を決めました。現在はマイマイガという鱗翅目昆虫の性決定遺伝子に着目し、分子実験・ゲノム解析・野外調査等の多様な手法を取り入れながら研究しています。「性」という普遍的な形質を決める性決定遺伝子。その多様性が、野外でどのような役割を果たしているのかを明らかにしたいと考えています。

新領域の魅力は、研究室や専攻の垣根を超えて、様々なバックグラウンドを持つ研究者と研究やディスカッションが行えるところだと思います。興味のある分野や研究室があれば、ぜひ一度柏キャンパスに足を運んでみてください。

自然体験の可能性をリアルからバーチャルへ広げる

カン・ユウメイ
自然環境学専攻 博士課程

学部時代にランドスケープ・グリーンインフラについて学び、修士課程では土木分野における景観学の研究に取り組んできました。人と自然環境との関わりに関心を持ち、特に生態系サービスの中でも文化的サービスに着目した研究を行ってきました。

新領域に進学して強く感じている魅力は、「分野融合」という環境です。専門にとらわれず、自分の興味を軸にしながら、他分野の知識や視点を柔軟に取り入れて研究できる点に大きな面白さを感じています。 現在所属している中村和彦研究室では、30年以上続く「サイバーフォレスト」プロジェクトに携わっています。そこで、「自然体験」と「情報通信技術」を組み合わせるという新たな研究視点に出会い、大きな刺激を受けました。

現在は、文化的生態系サービスに情報技術の視点を取り入れ、バーチャルな自然体験による新たな可能性について研究を進めています。研究の可能性が広がっていくことに、チャレンジと同時に大きな楽しさを実感しています。 自分なりの興味や発想を大切にしながら、自分ならではの研究に挑戦したい人にとって、新領域はとても魅力的な環境だと思います。

海洋極端現象を読み解く

チョン・ミン
海洋技術環境学専攻 修士課程

私は学部時代、東京大学教養学部で環境科学を学び、複雑な自然現象を理解することに関心を持つようになりました。現在は、台風に伴う高波や沿岸災害などの極端海洋現象を対象に研究を行っています。統計モデルと海洋物理学の視点を組み合わせることで、こうした極端現象をより適切に理解することを目指しています。

私の研究は、海洋物理学・気候科学・統計学など複数の分野にまたがっているため、分野横断的に研究できる環境を求めていました。新領域創成科学研究科に魅力を感じたのは、課題志向型の研究を重視し、学生の主体性を尊重する雰囲気があったからです。特に、異なる分野の考え方や手法を自由に結びつけながら研究できる点に魅力を感じています。

今後は博士課程への進学を通して研究をさらに発展させ、極端現象の統計的手法だけでなく、その背後にある物理メカニズムについても理解を深めていきたいと考えています。新領域は、自分の視点で新しい問いに挑戦したい学生にとって、良い環境だと思います。

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