北海道のエゾマイマイガ(Lymantria umbrosa)に「非オス殺し型」スピロプラズマ感染を確認
- 研究成果
概要
先端生命科学専攻の鈴木雅京教授らの研究グループは、大規模野外サンプリングにより、北海道のエゾマイマイガ( Lymantria umbrosa ) における非オス殺し型スピロプラズマ感染を明らかにしました。
本研究は、日本(主に北海道)に生息するマイマイガ( L. dispar japonica )及びその近縁種であるエゾマイマイガ( Lymantria umbrosa )における共生細菌Spiroplasma(スピロプラズマ)の感染を大規模に調査したものです。
27地点から収集した271個の卵塊のうち北海道で採取された27個において感染が確認され、その大部分がエゾマイマイガ由来であることがわかりました。系統解析の結果、検出された細菌は「オス殺し(male-killing)」を引き起こす種を含む Spiroplasma ixodetis クレードに属することが明らかとなりました。
ところが飼育実験の結果、性比に偏りが見られなかったため、非オス殺し型であることが強く示唆されました。また、細菌密度は成長とともに増加し、特に前蛹期のマルピーギ管において極めて高い細菌密度(宿主細胞あたり50−150個)を示すことがわかりました。
本研究は、エゾマイマイガにおけるSpiroplasma感染の初めての報告です。
論文情報
雑誌名: Symbiosis
論文タイトル:Large-scale field sampling reveals non-male killing Spiroplasma infection in Lymantria umbrosa in Hokkaido, Japan
著者:Kyoko Ishida, Maki N. Inoue, Masataka G. Suzuki
DOI: 10.1007/s13199-026-01156-4
URL:https://doi.org/10.1007/s13199-026-01156-4
発表日時:2026年5月28日(オンライン公開日)

