研究成果

がんリスク遺伝子BRCA1/2と4種のがんとの関連を同定 -甲状腺・膀胱・頭頸部・皮膚がんの個別化医療の発展の可能性-

投稿日:2026/04/15
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概要

理化学研究所(理研)生命医科学研究センター基盤技術開発研究チームの笹川甫研究パートタイマーⅠ(研究当時、現研修生、現秋田大学大学院医学系研究科腎泌尿器科学講座大学院生)、桃沢幸秀チームディレクター(生命医科学研究センター副センター長)、東京大学医科学研究所附属ヒトゲノム解析センターシークエンス技術開発分野の松田浩一特任教授(同大学大学院新領域創成科学研究科メディカル情報生命専攻クリニカルシークエンス分野教授)、秋田大学大学院医学系研究科医学専攻腎泌尿器科学講座の羽渕友則教授(研究当時)、日本医科大学先端医学研究所分子生物学部門の村上善則特命教授、愛知県がんセンターがん予防研究分野の松尾恵太郎分野長らの国際共同研究グループは、乳がんや卵巣がんの発症リスクを高めることで知られるBRCA1BRCA2BRCA1/2)遺伝子における病的バリアント[1]が甲状腺がん、膀胱(ぼうこう)がん、頭頸部(とうけいぶ)がん、皮膚がんの発症リスクも上昇させることを明らかにしました。
本研究成果により、BRCA1/2遺伝子のゲノム情報を用いたがん個別化医療がより幅広い形で進展することが期待されます。
今回、国際共同研究グループはBRCA1/2遺伝子について、バイオバンク・ジャパン[2]が保有している日本人集団におけるこれまで未解析である9種のがんについて、合計4万人以上を対象に、がん種横断的ゲノム解析を行いました。
本研究は、科学雑誌『ESMO Open』オンライン版(48日付)に掲載されました。

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BRCA1/2遺伝子における病的バリアント保持者の85歳までの推定累積リスクの概要図

 

[1] 病的バリアント
遺伝子の塩基配列の違いを指す遺伝的バリアントのうち疾患発症の原因となるものを病的バリアントという。 

[2] バイオバンク・ジャパン
日本全国の約27万人から提供を受けた、世界最大級の疾患バイオバンク。オーダーメイド医療の実現プログラムを通じて実施され、ゲノムDNAや血清サンプルを臨床情報と共に収集し、研究者へ提供している。2003年から東京大学医科学研究所内に設置されている。

論文情報

<タイトル>
BRCA1 and BRCA2 pathogenic variants increase the risk of four less common cancer types

<著者名>
Hajime Sasagawa, Mikiko Endo, Yusuke Iwasaki, Yoshiaki Usui, Yuriko N. Koyanagi, Giovanni Innella, Johanna Hadler, Michael T. Parsons, Kazuyuki Numakura, Yoichiro Kamatani, Yoshinori Murakami, Keitaro Matsuo, Koichi Matsuda, Amanda B. Spurdle, Tomonori Habuchi, Yukihide Momozawa

<雑誌>
ESMO Open

DOI
10.1016/j.esmoop.2026.106900

詳しくは、東京大学医科学研究所ウェブサイトをご覧ください。
https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/about/press/page_00388.html

 

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新領域創成科学研究科 広報室

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