東京大学、宇宙資源研究の国際拠点 「宇宙資源連携研究機構(CSRI)」を設立 ――月や小惑星の探査・利用に向けた新学問「宇宙資源学」を創成――
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国立大学法人東京大学
東京大学は、地球資源の制約や国際的な月・小惑星探査の進展を背景に、2025年10月1日付で「宇宙資源連携研究機構(機構長:宮本 英昭 教授、英語名:Center for Space Resources and Innovation、略称:CSRI)」を設立しました。本機構は、月や小惑星に存在する宇宙資源の探査・収集・利用に関わる科学・技術・制度研究を基軸とし、新たな学問領域「宇宙資源学」を創成します。
CSRIは、東京大学の大学院工学系研究科、大学院理学系研究科、大学院新領域創成科学研究科、先端科学技術研究センター、未来ビジョン研究センター、総合研究博物館を横断する全学的体制で運営されます。文理を超えた研究者の結集により、宇宙資源の探査から利用までを見通した一貫的な研究と技術開発を推進し、未来社会における地球外活動と地球の持続的共生に貢献します。

宇宙資源連携研究機構(CSRI)の追求するビジョン
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あわせて、海外の大学・研究機関と広範に連携し、実践的かつ国際的な教育・研究活動を展開します。これにより、国際社会で活躍できる人材を体系的に育成し、宇宙資源利用の科学的・制度的基盤を築いていきます。本活動は、2025年5月に開始した宇宙戦略基金SX拠点「月面開発のための宇宙資源開発拠点」(関連情報①)とも密接に連動しており、研究成果を相互に活かしながら推進します。
〇機構長挨拶:
「宇宙資源は、人類の産業や社会のあり方を根本から変える可能性を秘めています。CSRIでは、NASAのアルテミスIIIやJAXAのLUPEX・MMX、さらに民間のHigh Frontier計画など、国際的な最前線のミッションに研究者が参画しています。こうした活動と学術研究が有機的に結びつく環境が整い、効率的に大きな成果を生み出せると確信しています。日本は探査実績と科学的知見で世界をリードしています。この優位性を社会や産業につなげ、持続可能な未来へ貢献していきたいと思います。そのためCSRIは分野や立場を問わず幅広く開かれた場とします。研究者、企業、学生、市民の皆さまにぜひ関心を寄せていただき、公式ウェブサイトやメーリングリストを通じて今後の活動に参加・ご注目いただければ幸いです。」
(東京大学 宇宙資源連携研究機構 機構長 宮本 英昭)

宮本 英昭・機構長
〇関連情報:
①ニュース「東京大学、「月面開発のための宇宙資源開発拠点」を始動~宇宙戦略基金SX研究開発拠点に採択、5月28日にキックオフ会議を開催~」(2025/6/5)
https://www.t.u-tokyo.ac.jp/topics/tp2025-06-05-001
②プレスリリース「NASAアルテミス計画が月資源探査に関連した提案機器を採択―宇宙飛行士が月面に持参―」(2024/4/4)
https://www.t.u-tokyo.ac.jp/press/pr2024-04-04-001
設立記念国際会議の開催
本機構の設立を記念し、国際会議を以下のとおり開催します。
会議名:Space Resource Initiative
日時:2025年11月23日(日)・24日(月・祝)
場所:東京大学 本郷キャンパス 工学部 11号館 HASEKO-KUMA HALL
キーノート・スピーカー:
- 宮本 英昭(東京大学 宇宙資源連携研究機構 機構長)
- Angel Abbud-Madrid(コロラド鉱山大学 宇宙資源プログラム長)
- Erik Asphaug(アリゾナ大学 教授)ほか
詳細情報
本機構の詳細については添付資料または公式ウェブサイトをご覧ください。
・東京大学宇宙資源連携研究機構HP(10月1日公開)
https://www.csri.u-tokyo.ac.jp

