受賞 / 表彰

先端生命科学専攻・資源生物制御学分野 修士課程2年 石田響子さんが日本蚕糸学会第96回大会にて最優秀学生発表賞を受賞

投稿日:2026/03/19
  • 受賞 / 表彰

先端生命科学専攻・資源生物制御学分野 修士課程2年 石田響子さんが、北海道大学農学部において開催された日本蚕糸学会第96回大会 令和8年度蚕糸・昆虫機能利用学術講演会(2026年3月17日〜18日)において口頭発表し、最優秀学生発表賞を受賞しました。

受賞者:石田響子(指導教員:鈴木雅京)

発表タイトル:マイマイガおよび近縁種エゾマイマイにおける性決定遺伝子の多様性が雑種形成に及ぼす影響

発表会場:北海道大学農学部

 

生物種の分布を規定する要因を明らかにすることは、保全生物学や絶滅危惧種の保護、生物多様性の維持にとって重要なテーマです。マイマイガとエゾマイマイガは生物地理学上重要な境界線である河野ライン(石狩低地帯)を境に東西で棲み分けていると言われていました。ところが実際はマイマイガがエゾマイマイガ生息域に侵入していることを本研究では明らかにしました。さらにマイマイガとエゾマイマイガの雑種は性決定遺伝子の不和合によりほぼ全てのメスが死亡することを突き止めました。この発見により、性決定遺伝子が種の生息域を規定する一要因となり得ることが初めて示唆されました。一方で、雑種が高頻度で生息する地域も見られました。これらの雑種は性決定遺伝子に変異をもち、それが原因で致死を免れることが示唆されました。性決定遺伝子は変化しやすく、種間で多様性を示すことがわかっています。本研究により、性決定遺伝子にみられる多様性が種と種の混ざり合いを防ぐ生殖隔離をもたらす一方、性決定遺伝子の変わりやすさ故にその効果は一過的であることが示されました。性決定遺伝子の多様性は、種と種を分ける柔らかな境界線をもたらすと言えます。この「柔らかな境界線」が種としてのアイデンティティーの維持や種分化において果たす役割を明らかにすることが次なる目標です。

IMG_3713