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林 昌奎 りむ ちゃんきゅ/教授/環境学研究系
海洋技術環境学専攻/生産技術研究所海中観測実装工学研究センター/海洋リモートセンシング分野
http://seasat.iis.u-tokyo.ac.jp/rheem/

略歴
1986年2月ソウル大学工学部造船工学科卒業
1989年8月ソウル大学大学院造船工学科修士課程修了
1994年9月東京大学大学院船舶海洋工学専攻博士課程修了(工学博士)
1995年6月東京大学生産技術研究所講師
1997年4月東京大学生産技術研究所助教授
2009年4月東京大学生産技術研究所教授
教育活動
大学院:海洋観測技術、海洋技術環境学実験法特論
教養学部(海洋アライアンス):海研究のフロンティア
研究活動
海面は常に変動しています。変動の原因は海面に吹く風、海面気圧、海水密度、地形などさまざまですが、一般に、海面変動の様子は海面形状を表す波浪と海流・潮流などの流れに代表されます。海洋に存在する全てのものは波浪と流れの影響を受けて漂流及び動揺します。海洋工学は海洋変動を把握するところから始まり、その影響を評価するところに帰着します。
林研究室では、マイクロ波パルスドップラーレーダを用いたリモートセンシングによる、波浪、海上風、津波・潮位、流氷などの海面の物理環境を観測するシステムの研究開発、波浪・流れなど海洋再生可能エネルギー利用システムの研究開発、浮体構造物及び水中線状構造物などの海洋構造物における波浪と流れの影響に関する研究を行っています。これらの研究は地球温暖化の緩和(温室効果ガスを排出しないエネルギー源の開発)と地球温暖化への適応(異常気象による環境変化や災害への対応)に繋がります。
相模湾平塚市、宮城県塩竈市寒風沢島、岩手県久慈市、北海道紋別市において、レーダによる海面観測システム及び海洋再生可能エネルギー利用システムの実証実験を行っています。

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研究内容


マイクロ波リモートセンシングによる海面観測システム:
変動する海面を観測する技術は、海洋の利用に欠かせない重要な技術です。マイクロ波レーダを用いてリモートセンシングにより計測した、海面から後方散乱するマイクロ波の散乱強度及びドップラー速度の変動を解析することで、海洋波浪の波高・波周期・波向、海表面流れの流速・流向、海上風の風速・風向、海面の高さの変動(潮位と津波)、海氷の分布・接近速度に関する情報を得ることができます。陸・海・空・宇宙からの海面を観測するシステム構築を目指しています。

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Radar海面計測


海洋再生可能エネルギー開発:
再生可能エネルギーは、温室効果ガスを排出しない持続可能なエネルギー源として期待が高く、世界各国において開発・利用が進められています。海洋再生可能エネルギーの利用拡大において、最も重要なのは開発コストであり、それを左右するのがシステムの効率であります。波力や潮流など海洋再生可能エネルギーを動力源とする発電システムでは、自然エネルギーの機械エネルギーへの変換と機械エネルギーの電気エネルギーへの変換を合わせた総合変換効率を高める必要があります。油圧システムを利用した、比較的エネルギー密度の低い海洋再生可能エネルギーに適した高効率な発電システムに関する研究開発を行っています。宮城県塩竈市浦戸地区寒風沢水道において垂直軸ロータを用いた最大出力5kWの潮流発電装置の実海域実験を、岩手県久慈市の久慈港玉の脇地区において定格43kWの波力発電装置の実海域実験を行っています。

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海洋再生可能エネルギー開発


水中線状構造物の挙動に関する研究:
海洋掘削用ドリルパイプは比較的単純な構造物であるにもかかわらず、作用する流体外力、構造自体の応答特性も一般に非線形である。また、海流など流れを有する海域で作業するドリルパイプには、回転による振動に流れによる振動が加わり、より複雑な応答を示す。これらの問題は、対象となる水深が深くなりパイプが長大になるに従い、強度が相対的に低下したり、水深ごとの流れの流速が変化したりすると、強度設計、安全性確保の観点からより重要になる。


[文献]
1) Chen, Rheem:Experimental investigation of rotating cylinders in flow, J Mar Sci Technol, https://doi.org/10.1007/s00773-018-0535-5 (2018)
2) 小林, 林, 丸山 : 振り子式波力発電装置(Wave Rudder)の現地実証試験, 土木学会論文集B2(海岸工学), Vol.73(2), pp.I_1453-I_1458 (2017)
3) Mustapa, Yaakob, Ahmed, Rheem, Koh, Adnan : Wave energy device and breakwater integration: A review, Renewable and Sustainable Energy Reviews, 77(2017), pp.43?58 (2017)
4) Yoshida, Rheem : Time-Domain Simulation of Along-Track Interferometric SAR for Moving Ocean Surfaces, Sensors 15(6), pp.13644-13659 (2015)
5) Yoshida, Rheem : Simulation and Evaluation of Sea Surface Observations Using a Microwave Doppler Radar, Journal of the Korean Society for Marine Environmental Engineering, Vol.18(2), pp.116-122 (2015)
6) 居駒, 増田, 中澤, 林, 惠藤 : 垂直軸可変ピッチ翼水車のソリディティとピッチ制御角度が水車効率に与える影響, 土木学会論文集B3(海洋開発), Vol.70(2), pp.I_91-I_96 (2014)
7) 小林, 林, 丸山:不規則波に対する振り子式波力発電装置(Wave Rudder)の性能評価, 土木学会論文集B2(海岸工学), Vol.69(2), pp.I_1321- I_1325 (2013)
8) 居駒, 中澤, 増田, 仲村, 林:可変ピッチ機構の導入による広範な流速域での垂直軸型水車の高性能化に関する研究, 土木学会論文集B3(海洋開発), Vol. 69(2), pp.I_138-I_142 (2013)
9) Yoshida, Rheem : SAR Image Simulation in the Time Domain for Moving Ocean Surfaces, Sensors 13(4), 4450-4467 (2013)
10)Yoshida, Rheem : Use of Numerical Simulation for Water Area Observation by Microwave Radar, Journal of the Korean Society for Marine Environmental Engineering, Vol.15(3), pp.208-218 (2012)
11) Ikoma, Masuda, Rheem and Maeda : Hydroelastic Behaviors of VLFS Supported by Many Aircushions With the Three-Dimensional Linear Theory, J. Offshore Mech. Arct. Eng., Vol.134(1), 011104 (2012) (8 pages) (2012)
12) 陳, 林:パルスドップラーレーダによる相模湾平塚沖の波浪観測と波浪の伝搬に関する研究, 土木学会論文集B2(海岸工学), Vol.67(2), pp.I_1376- I_1380 (2011)
13) 吉田、林、阿野:海面からのマイクロ波後方散乱数値シミュレーション, 日本船舶海洋工学会論文集、第12号, pp.115-123 (2010)
その他
日本船舶海洋工学会、日本沿岸域学会、IEEE/OES
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将来計画
海洋観測及び観測情報利用システムの構築、海洋再生可能エネルギー利用システムの普及など研究成果の社会実装を進めます。
教員からのメッセージ
既存の枠にはまらず、自由な発想を期待します。
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