檜垣 匠
(ひがき たくみ/教授/生命科学研究系)
先端生命科学専攻/超域生命科学分野
略歴
2004年 3月 東京理科大学理工学部応用生物科学科 卒業
2006年 3月 東京大学大学院新領域創成科学研究科先端生命科学専攻修士課程 修了
2009年 3月 東京大学大学院新領域創成科学研究科先端生命科学専攻博士課程 修了、博士(生命科学)
2009年 4月 東京大学大学院新領域創成科学研究科・特任研究員
2011年 4月 東京大学大学院新領域創成科学研究科・特任助教
2016年 4月 東京大学大学院新領域創成科学研究科・特任准教授
2017年 8月 熊本大学国際先端科学技術研究機構・准教授
2021年 10月 熊本大学大学院先端科学研究部・准教授
2022年 4月 熊本大学大学院先端科学研究部・教授
2026年 4月 東京大学大学院新領域創成科学研究科・教授
研究活動
本研究室では、細胞レベルの秩序形成と環境応答を生命システムの本質と捉え、植物細胞を主な実験対象として研究を行っています。細胞骨格ネットワークの再編成、膜系オルガネラの構造と運動、気孔開閉運動、細胞分裂などを対象に、ライブイメージングと画像解析を基盤とした定量的研究を進めています。さらに、機械学習を援用した生物画像解析や異分野との共同研究を通して、生命現象の背後にある普遍的原理の抽出を目指しています。
主な研究テーマを以下に紹介します。
(1)植物細胞骨格の秩序形成に関する研究
細胞骨格は、微小管やアクチン繊維からなる動的な構造体であり、細胞の分裂・伸長など、植物細胞の形態と機能を支える重要な基盤です。本研究室では、植物細胞内で細胞骨格ネットワークの秩序がどのように形成・再編成され、細胞の形態形成と環境応答に関わるのかを、主にライブイメージングと画像解析を用いて明らかにしようとしています。
(2)気孔開閉運動の環境応答に関する研究
気孔は、植物が二酸化炭素を取り込み、水分状態を調節するための重要な器官です。気孔の開閉運動は、光や二酸化炭素濃度など周囲の環境変化に応じて精密に制御されています。本研究室では、気孔開閉運動を制御する膜交通、細胞骨格、オルガネラの動態に着目し、植物の環境応答性を細胞レベルで理解することを目指しています。
(3)生物画像解析技術の開発と応用
生命現象を再現性高く理解するためには、単に顕微鏡で観察するだけでなく、画像の定量的解析も重要です。本研究室では、細胞内構造の動態解析、立体再構成、表現型の定量・評価など、機械学習を援用した画像解析手法の開発に取り組んでいます。さらに、解析技術を基盤に、異分野の研究者との協働による超域的な生命科学の展開も進めています。
教員からのメッセージ
科学研究は,多くの場合,自然現象に対する好奇心から始まります.しかし,研究を進めるうちに,私たちは自分自身の知覚の限界やバイアスにも向き合うことになります.つまり研究とは,研究対象を探究する営みであると同時に,研究する自分自身を見つめ直す営みでもあります.科学研究に取り組むにあたっては,自分の持つ能力を最大限に発揮することはもちろん,その能力を拡張していくという意識を持つことも大事かもしれません.