教員紹介

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安 琪

(あん ち/准教授/環境学研究系)

人間環境学専攻/実環境ロボット情報学/ヒトの運動制御制御理論、リハビリテーションロボティクス

略歴

  • 2005年03月 麻布学園卒業
  • 2009年03月東京大学工学部システム創成学科卒業
  • 2009年04月東京大学大学院工学系研究科精密機械工学専攻 入学
  • 2010年04月~2011年05月 ワシントン大学 留学
  • 2011年09月東京大学大学院工学系研究科精密機械工学専攻 修士課程修了
  • 2011年04月日本学術振興会特別研究員(DC1)
  • 2014年09月東京大学大学院工学系研究科精密工学専攻 博士課程修了(博士(工学))
  • 2014年11月ミュンヘン工科大学客員研究員
  • 2015年04月東京大学大学院工学系研究科精密工学専攻助教(2015年04月~2017年03月は特任助教)
  • 2020年04月九州大学大学院システム情報科学研究院准教授
  • 2022年05月より現職

教育活動

なし

研究活動

  1. 異なる環境においてヒトが起立動作を実現するメカニズムの解明(2008~):
    ヒトが座面の高さや運動速度が異なる環境において起立動作を実現する際に、筋シナジーと呼ばれる複数筋の協同的な活動が存在し、それらの振幅や継続時間を調整することで環境に対して適応的に運動を実現していることを明らかにした(文献1)。
  2. 片麻痺患者の回復過程の理解(2016~):
    脳卒中や脳梗塞後の片麻痺患者において理学療法士がリハビリテーションにおいて介入した際に運動機能がどのように改善していくのか調べ、その結果として筋シナジーにおける筋協調の組み合わせが維持されるものの、活動の重み係数が変化することを新たに明らかにした(文献2、文献3)。
  3. 運動機能を診断する手すりシステムの開発(2018~):
    運動機能が低下した人が手すりなどの福祉用具に頼って運動を実現していることに着目し、使用者にセンサを貼り付けることなく、手すりにかかる力情報のみから運動機能の度合いを高精度で推定するシステムを開発した(文献4)。

文献

  1. 安琪, 石川雄己, 舩戸徹郎, 青井伸也, 岡敬之, 山川博司, 山下淳, 淺間一, 座面高と速度の異なるヒト起立動作における筋シナジー解析, 計測自動制御学会論文集, vol. 50, no. 8, pp. 560-568, 2014(論文賞).
  2. Hiroki Kogami, Qi An, Ningjia Yang, Hiroshi Yamakawa, Yusuke Tamura, Atsushi Yamashita, Hajime Asama, Shingo Shimoda, Hiroshi Yamasaki, Matti Itkonen, Fady Alnajjar, Noriaki Hattori, Makoto Kinomoto, Kouji Takahashi, Takanori Fujii, Hironori Otomune and Ichiro Miyai, "Effect of Physical Therapy on Muscle Synergy Structure during Standing-up Motion of Hemiplegic Patients", IEEE Robotics Automation Letter, vol. 3, no. 3, pp. 2229-2236, 2018.
  3. Ningjia Yang, Qi An, Hiroki Kogami, Hiroshi Yamakawa, Yusuke Tamura, Kouji Takahashi, Makoto Kinomoto, Hiroshi Yamasaki, Matti Itkonen, Fady S. Alnajjar, Shingo Shimoda, Noriaki Hattori, Takanori Fujii, Hironori Otomune, Ichiro Miyai, Atsushi Yamashita, and Hajime Asama, "Temporal Features of Muscle Synergies in Sit-to-stand Motion Reflect the Motor Impairment of Post-Stroke Patients", IEEE Transaction on Neural Systems and Rehabilitation Engineering, vol. 27, no. 10, pp. 2118-2127, 2019.
  4. Qi An, Ningjia Yang, Hiroshi Yamakawa, Hiroki Kogami, Kazunori Yoshida, Ruoxi Wang, Atsushi Yamashita, Hajime Asama, Shu Ishiguro, Shingo Shimoda, Hiroshi Yamasaki, Moeka Yokoyama, Fady Alnajjar, Noriaki Hattori, Kouji Takahashi, Takanori Fujii, Hironori Otomune, Ichiro Miyai, and Ryo Kurazume, "Classification of Motor Impairments of Post-stroke Patients based on Force Applied to a Handrail", IEEE Transactions on Neural Systems and Rehabilitation Engineering, vol. 29, pp. 2399-2406, 2021.

その他

日本機械学会、計測自動制御学会、日本ロボット学会、精密工学会、IEEEの会員。
日本機械学会IU委員、日本ロボット学会事業計画委員等。

将来計画

本研究室では、様々な疾患や加齢によって運動障害を抱える人を支援するロボットや運動の診断システムの研究開発を行っております。
実際に運動支援やリハビリテーションをするためには、基礎研究としてヒトが運動を実現するメカニズムを理解することが必要で、それを支援システムに活用することが重要です。
私はヒトの運動メカニズムを解明する基礎研究から、支援技術の開発まで応用研究まで幅広く研究を行い、多くの人が自立した生活を送れる社会を実現したいと考えております。

教員からのメッセージ

大学では自由な発想に基づいて研究開発を行うことができます。新領域創成科学研究科は集中して研究を行うのに非常に良い環境だと思います。一緒に楽しく研究できることを楽しみにしています。

ホームページのURL

http://www.robot.t.u-tokyo.ac.jp/anlab/