教員紹介

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岡本 博

(おかもと ひろし/教授/基盤科学研究系)

物質系専攻/物性・光科学講座/量子物性科学分野

略歴

1983年3月 東京大学工学部物理工学科卒業
1985年3月 東京大学大学院工学系研究科修士課程修了
1988年3月 同 博士課程修了(工学博士)
1988年4月 岡崎国立共同研究機構分子科学研究所助手
1992年4月 東北大学科学計測研究所講師
1995年12月 同 助教授
1998年4月 東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻助教授
1999年4月 東京大学大学院新領域創成科学研究科助教授を経て2005年4月より現職

教育活動

大学院新領域創成科学研究科:光物性(1999年~2003年)、光物性A(2004年~)
大学院工学系研究科:物理工学実験技法(B)(2002年~)
工学部:光物性概論(1999年-2003年)、光学(2004年~)、物理工学演習(2004年~)
教養学部:総合科目一般(1999年)
その他:東京工業大学非常勤講師(2000年)、総合文化研究科特別講義(総合文化研究科)(2003年)、名古屋大学非常勤講師(2004年)、大阪大学非常勤講師(2004年)

研究活動

「研究内容」
強相関系物質は、強い電子間相互作用の効果によって、通常の半導体や金属では見られない新奇な物性を示す。本研究室では、様々な強相関系物質を対象として、新しい光学的性質や光機能性の開拓とそのメカニズムの解明を行っている。具体的な研究内容は、 (1) 銅酸化物、ハロゲン架橋ニッケル錯体等の強相関低次元系における巨大非線形光学応答と光機能素子の研究、(2) 強相関低次元系の光電特性と光キャリアダイナミクスの解明、(3) 遷移金属酸化物、遷移金属錯体、有機半導体における超高速光誘起相転移(絶縁体-金属転移、常磁性ー強磁性転移、常誘電ー強誘電転移等)の探索、などである。その他、カーボンナノチューブやπ共役ポリマーなどの炭素系一次元半導体における非線形光学応答と光機能素子の研究も行っている。これらのテーマについて、物質開発から超高速レーザー分光まで一貫した研究を行うことを目指している。

「主な業績」
有機電荷移動錯体における巨大誘電応答の発見と機構解明(文献2)
一次元金属錯体における電子構造の解明とその制御(文献1, 4, 6)
一次元金属錯体におけるソリトン、ポーラロン、励起子の光反応ダイナミクスの解明(文献3, 5, 6)
強相関一次元系における巨大非線形光学応答の発見(文献7 ,8, 13)
有機電荷移動錯体における超高速中性イオン性転移の発見(文献9, 14)
強相関一次元系における光誘起磁気相転移の発見(文献10, 11, 18)
強相関一次元系における超高速絶縁体―金属転移の発見(文献12, 17)
強磁性スピン秩序の光融解機構の解明(文献16)
カーボンナノチューブにおけるコヒーレント非線形光学応答の発見(文献15, 20)
光誘起相転移ダイナミクスのコヒーレント制御の実現(文献19)

文献

「原著論文」
1) H. Okamoto, K. Toriumi, T. Mitani, and M. Yamashita, Physical Review B, 42, 10381-10387 (1990).
2) H. Okamoto et al., Physical Review B, 43, 8224-8232 (1991).
3) H. Okamoto, T. Mitani, K. Toriumi, and M. Yamashita, Physical Review Letters, 69, 2248-2251 (1992).
4) H. Okamoto et al., Physical Review B, 54, 8438-8445 (1996).
5) H. Okamoto et al., Physical Review Letters, 80, 861-864 (1998).
6) H. Okamoto and M.Yamashita, Bulletin of the Chemical Society of Japan, Accounts, 71, 2023-2039 (1998).
7) H. Kishida, H. Matsuzaki, H. Okamoto, T. Manabe, M. Yamashita, Y. Taguchi, and Y. Tokura, Nature, 405, 929-932 (2000).
8) H. Kishida, M. Ono, K. Miura, H. Okamoto, M. Izumi, T. Manako, M. Kawasaki, Y. Taguchi, Y. Tokura, T. Tohyama, K. Tsutsui, and S. Maekawa, Physical Review Letters, 87, 177401-177404 (2001).
9) S. Iwai, S. Tanaka, K. Fujinuma, H. Kishida, H. Okamoto, and Y. Tokura, Physical Review Letters, 88, 57402-57405 (2002).
10) H. Matsuzaki, T. Matsuoka, H. Kishida, K. Takizawa, H. Miyasaka, K. Sugiura, M. Yamashita, and H. Okamoto, Physical Review Letters, 90, 46401-46404 (2003).
11) H. Matsuzaki, W. Fujita, K. Awaga, and H. Okamoto, Physical Review Letters, 91, 17403 (2003).
12) S. Iwai, M. Ono, H. Matsuzaki, H. Kishida, H. Okamoto, and Y. Tokura, Physical Review Letters, 91, 57401-57404 (2003).
13) M. Ono, K. Miura, A. Maeda, H. Matsuzaki, H. Kishida, Y. Taguchi, Y. Tokura, M. Yamashita, and H. Okamoto, Physical Review B, 70, 85101-85120 (2004).
14) H. Okamoto et al., Physical Review B, 70, 165202-165219 (2004).
15) A. Maeda, S. Matsumoto, H. Kishida, T. Takenobu, Y. Iwasa, M. Shiraishi, M. Ata, and H. Okamoto, Physical Review Letters, 94, 47404-47407 (2005).
16) T. Ogasawara, K. Ohgushi, Y. Tomioka, K. S. Takahashi, H. Okamoto, M. Kawasaki, and Y. Tokura, Physical Review Letters, 94, 87202-87205 (2005).
17) S. Iwai and H. Okamoto, Journal of the Physical Society of Japan, 75, 11007-11027 (2006).
18) H. Okamoto et al., Physical Review Letters, 96, 37405-37408 (2006).
19) S. Iwai, Y. Ishige, S. Tanaka, Y. Okimoto, Y. Tokura, and H. Okamoto, Physical Review Letters, 96, 57403-57406 (2006).
20) A. Maeda, S. Matsumoto, H. Kishida, T. Takenobu, Y. Iwasa, H. Shimoda, O. Zhou, M. Shiraishi, and H. Okamoto, Journal of the Physical Society of Japan, 75, 43709-437012 (2006)

「著書」
・実験化学講座12 物質の機能性 丸善(1993年)(分担執筆)
・実験物理学講座8 分光測定 丸善(1999年)(分担執筆)
・新しい磁気と光の科学-新材料と電場効果 講談社(2001年)(分担執筆)
・集積型金属錯体の科学~物質機能の多様性を求めて~ 化学同人(2003年)(分担執筆)
・H. Okamoto, S. Iwai and H. Matsuzaki, "Photoinduced phase transitions in one-dimensional correlated electron systems" in "Photoinduced phase transitions" ed. by K. Nasu (World Scientific), 239-308 (2004).

その他

所属学会:日本物理学会、日本化学会、フラーレン・ナノチューブ学会
トーキン科学技術振興財団研究奨励賞(1996年)
科学技術振興事業団、さきがけ研究21 "状態と変革" 併任 (1998年~2001年)
産業技術総合研究所、強相関電子技術研究センターフォトニクスチーム長併任 (2001年~)
日本物理学会JPSJ編集委員(2006年~)

将来計画

これからしばらくは、強相関系での新しい光機能性の研究、特に巨大非線形光学応答や超高速スイッチングの開拓、解明、応用をめざしていくつもりです。

教員からのメッセージ

学生のみなさんには、在学中に一つでよいのでオリジナルな発見をしてもらえればと思っています。