概要

在学生の声

多様な感性を磨く

藤田 学 (ふじた まなぶ)
環境システム学専攻 修士課程

専門分野を考え始めた学部2年生のときに今の指導教員を知り、新領域に入学しました。  

気候変動緩和策のひとつとなる自動車軽量化から需要の高まりをみせるアルミニウム新地金は、製錬に多量の電力を要するため、リサイクルが注目されています。しかし、アルミニウムは不純物の除去が難しいという課題を抱えています。一連の課題に対し、研究が進められている新技術の導入によって将来的に気候目標と整合した循環構造になり得るのか評価・研究しています。  

専門分野を深めるには、単にその分野の知識を増やすだけでなく、他分野・専門外の人からどう見られるのかを知ることも重要な観点です。その点、出身学部の異なる学生や、留学生・社会人学生など多様なバックグラウンドを持つ人たちが集結する新領域では、専門外の知識や感性に触れる機会が多く、日々刺激を受けています。また、研究活動や講義においても他の研究科の方と協働し、シームレスな連携が可能です。  

これからも「学生」の特権を活かし、様々な交流を通して多様な感性を磨きたいです。新領域の魅力やメリットはここでは語れないほどに溢れています。少しでも気になる人は、遠慮なく教授や学生にアポを取って話を聞いてみてください!  

柏キャンパスおすすめスポット:
夜のキャンパス(ホタルが飛んでいるような幻想的な空間が広がります)
環境棟の踊り場(柏の葉のまちが見渡せてひと息つけます)

文系も理系も、分野を超えて

史海婕(SHI Haiji) 
先端生命科学専攻 修士課程

学部の時は、早稲田大学国際教養学部で、文系が主専攻でしたが、理系科目も選択でき、私は心理学、社会学、国際関係など様々な科目を勉強しました。高校生の時から、生命科学に関心があり、大学に入学後、神経科学のラボに入ることができ、この分野でさらに探求をしたくなりました。これから新領域で最先端研究をしている先生方と研究をしてみたいです。今はこれからどんな研究をするか、様々な課題を比べてみているところですが、海馬の新生ニューロンとAIを組み合わせて認知障害の臨床診断基準について研究したいと思っています。  

新領域の魅力は、分野横断的で研究の最前線でありつつ、異なるバックグラウンドの学生と共に新しい研究ができることです。先生も先輩もよく助けてくださいます。また、他大学や機関との連携も多く学生にも機会があります。キャンパスで好きな場所は環境棟前のテニスコートです。時間があれば、テニスをします。  

新領域への入学を考えている皆さんへの一言:
決断したら、とにかくやってみること!

1億年前の世界を解き明かしたい

宇佐美 航大(うさみ こうだい)
自然環境学専攻 修士課程

学部時代は千葉大学地球科学部で地層や化石の研究をしていました。1年次から実習もあり、幅広い分野に触れられる点が魅力でした。そんな4年間を通して分かったのは、幼い頃から好きだった恐竜など古脊椎動物の研究を通して太古の環境を復元したいということ、そして最先端の環境で積極的に研究したいということでした。色々な研究室を訪問する中で現在の指導教員である久保麦野先生に出会いました。

取り組んでいる研究手法がとてもユニークで、食物と歯が触れ合うことで歯の表面に形成される微細な傷(マイクロウェア)を用いて、絶滅動物の食性を明らかにする研究を行っています。現在は約1億年前に生きていたワニが何を食べていたか?という研究に没頭しており、当時の生態系とワニの関係性を明らかにしようとしています。海外に調査・発表に行かせていただくなど、楽しい研究生活を送っています。

新領域のいいところは分野横断で、隣の研究室に行けば全く違う世界に出会えることだと思います。他分野からの視点や意見はとても良い刺激になります。ぜひ色んな先生・学生に会って自分の興味を突き詰めていってください。好奇心旺盛な方は絶対に楽しいと思います!

写真:
手に持っているものは、「アメリカアリゲーター」というワニの標本。化石のワニを知るためには現在生きているワニから得られる情報が重要となります

主体的に面白い発見をしたい

水谷 凪(みずたに なぎ)
物質系専攻 博士課程

東大工学部の植村卓史研究室でシンプルかつ斬新な高分子研究に接し、自らの手で面白い発見をしたいと思うようになりました。斬新なアイデアは広い既存知識の組み合わせから生まれるという信念のもと、分野横断的な教育プログラムが用意された新領域への進学を決めました。

現在は、多孔性金属錯体(MOF)と呼ばれる材料を設計し、今までにない高分子の分離技術の開発を行っています。分子や原子などの「もの」ではなく「空間」をデザインすることで新たな機能の創出を狙っているところがユニークだと思います。

新領域は個性的なスタッフや学友とディスカッションする機会が多く得られるため、発想力を磨くのに恵まれた環境です。今後は自分の開発した分離技術によって、高分子も低分子化合物のように素性がはっきりした状態で使用するのが当たり前な世の中に変えることが密かな夢です。

やりたいと思った時がやり時

末永 陽一(すえなが よういち)
先端エネルギー工学専攻 鈴木宏二郎研究室 博士課程

東京大学工学部を卒業後、一度就職したのですが、空力シミュレーションを深く学びたいと考えるようになって新領域に入学しました。新領域は航空、電気、プラズマ、環境などの幅広いジャンルの研究室が束ねられているうえ、留学生や社会人、他大学出身の学生なども多く、オープンな空気があると感じています。

博士課程に進学した現在、私は翼端で複数の小型航空機を連結した新たなスタイルの航空機などのシミュレーション研究をしています。いずれはこのテーマを発展させ、シミュレーションだけでなく風洞実験、実際の飛行実験などへ繋げて行きたいと考えています。ほかに、流体力学を応用した家電の研究や小型人工衛星の設計プロジェクトといった共同研究にも参加し、充実した大学院生活を送っています。

勉学や研究に年齢や出身の制限はありません。やりたいと思った時がきっとやり時です! 興味があれば気軽に研究室見学にいらしてください。

柏キャンパスおすすめスポット:
お寿司屋さん「お魚倶楽部 はま」

神経機能を回復させる
医療機器を開発しています

Wang Yen Po(ワン・イェン・ポー)
人間環境学専攻 人間環境情報学分野研究室 博士課程

学部生のときに、東大新領域の夏季インターンシッププログラム(UTSIP)に参加したところ、先生方がとても情熱的で、親切で、留学生をサポートしてくれると感じたため、新領域に入学し、現在は博士課程で勉強しています。

私は新領域で、神経疾患の患者さんを治療し、神経機能を回復させるための新しい医療機器を開発する研究をしています。研究室は清潔で広く、たくさんの新しい機器があります。とても質の高い研究室だと感じています。

他に、大学での研究をもとに同僚と共に日本で医療機器会社を設立。東京大学医学部附属病院で医療機器開発の講師、台湾の医療機器会社の外部コンサルタント等も務めています。これからも、インプラント型神経刺激装置を用いた神経機能回復に関する研究を続けていきます。

東京大学は医療機器開発で世界トップクラスであり、先生方は産業界や海外の大学との連携に強いコネクションをお持ちです。エキサイティングなライフキャリアを求めている方は、ぜひ新領域に来てください。