教育

2018年度の開催詳細

2018年度第2回学融合セミナー

講義:
2018年5月30日 16:50~18:35
場所:
新領域基盤棟大講義室(2C0)
津田 宏治 教授

人工知能技術による機能分子・物質設計

津田 宏治 教授

望みの機能を持つ新たな分子・物質を設計することは、科学的・産業的に大きな意義を持つ。重要な対象としては、核酸・タンパク質などの生体高分子や、金属・セラミック・ナノ粒子などの無機物質、創薬で重要な低分子有機化合物などが挙げられる。ベイズ最適化やモンテカルロ木探索などの人工知能技術を用いた自動設計は、近年注目を集めているが、未だ科学界・産業界に浸透しているとは言えない。本講演では、様々な対象の設計問題が、ブラックボックス最適化という共通した数理基盤の上で扱えることを指摘する。さらに、データからの機械学習、膨大な空間を効率的に探索する離散アルゴリズム、物理法則から物性値を正確に予言する第一原理計算、ウエットラボにおける検証実験の強力な組み合わせにより、様々な分子・材料設計問題が解けることを示す。

二瓶 美里 講師

高齢者の自立した生活を支援するジェロンテクノロジー

二瓶 美里 講師

カラカラに干からびても死なない生理状態であるAnhydrobiosisに変化した生物は、蘇生能力を維持しながら数年以上の乾燥状態に耐えるのみならず、高温・極低温・放射線・高圧・真空などの多様なストレスにも耐えることができる。 アフリカの半乾燥地帯に生息するネムリユスリカ(Polypedilum vanderplanki)は、anhydrobiosis能力を持つ最大の動物である。本講演では、ネムリユスリカ研究の最新情報を論じたい。特に、ネムリユスリカをモデル生物として用いることで、anhydrobiosisを司る責任遺伝子の同定への扉が開かれたことを強調したい。

有賀 克彦 教授

分子マシン・ナノカーをどう動かすか

有賀 克彦 教授

2016年には分子マシンがノーベル賞を授けられ、2017 年には世界で初めてのナノカーレースが開催された。分子一つの機械や車をどのようにして動かすのか?STM チップによる分子への直接刺激による方法と、界面に分子マシンを集積して手の動きのようなマクロの刺激で駆動する両極端な手法を紹介する。。