東京大学大学院新領域創成科学研究科

PROSPECTUS

環境学研究系 人間環境学専攻

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超高齢社会の解決と低炭素社会の実現に挑む

先進国が直面する重要な課題に、高齢社会への対応と低炭素化があります。我が国はこれら課題の最先進国であるため、その解決のための技術開発と産業化を期待されています。この課題は、一方の解決が他方を悪化させるという二律背反性をもつため、従来の個別の技術開発では解決しません。多様な技術をシステム化し、社会における効果を評価し、必要なら社会制度も変えなければなりません。同時に、従来と異なる評価指標に対応する新たな個別技術も必要です。  
高齢社会への対応における課題は、日常的な健康管理と健康増進、医療・介護システムの充実、住環境の整備、社会参加の促進、モビリティの確保、生活物資の購入支援などですが、既存の技術とシステムをそのまま拡張して適用すれば社会的コストとエネルギー消費は増大し実現性は乏しいです。解決策の研究開発においては、個々の課題に対する研究成果の効果とその影響を、高齢者の健康と生活の向上という第一義的な目標以外に、エネルギー、情報、物流、経済、など社会全体に関わる多面的な評価軸で総合的に評価しなければなりません。  
一方、低炭素社会の実現のためには既存の設備や機器の効率向上によるエネルギー消費の低減を目指すだけでなく、将来のエネルギー供給・消費システム、すなわち、風力発電、太陽光 発電、スマートグリッド、コージェネレーション、ヒートポンプ、電気自動車や家庭用燃料電池の普及等を見据えた上で、新たな要素技術とシステム技術の研究開発が必要となります。また情報システムや物流においても直接エネルギーを 消費する要素の評価に加え、時間的な波及効果を含めたシステムとしてトータルなエネルギー消費を考える視点を常に持つことが肝要です。  
本専攻では環境学、情報学、工学など既存の学問分野の融合を図り、超高齢社会への対応と低炭素社会の実現に向けた様々な要素技術の研究開発とシステム設計を進め、それらの成果を社会実証実験により評価し、課題の解決策を社会に示していくことを研究の目的とします。