東京大学大学院新領域創成科学研究科

PROSPECTUS

基盤科学研究系 物質系専攻

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物質系専攻とは

 物質系専攻は、東京大学・工学部、理学部および物性研究所の教員が集まり、物質科学における教育・研究の拠点形成を目指して発足し、"物質"の奥底に潜む未知の機能を引き出すための研究に邁進しています。そして、多彩な現象の機構解明と理論構築、新たなデバイスの創成、革新的物性測定手段の確立などを通して、21世紀の基盤科学・技術の創造を目指しています。


研究体制

 物質科学という言葉の守備範囲は極めて広いですが、本専攻にはそれを包括的に研究 できる体制が整えられています。物質の性質を理解するために不可欠な基礎物性の研究から、新しい機能を発現する物質の設計と創製、そして実用化を目指した応用研 究、さらには、個々の物性を生かした効率よい物質循環の実現をめざす研究が、密接 な関係を保ちながら進められています。具体的には、無機・有機半導体、高温超伝導体、酸化物超格子、ソフトマテリアル等の新材料開発、単分子反応制御・計測、超短 パルスレーザー分光、X線位相イメージング、放射光計測、電子顕微鏡、強磁場技 術、プラズマ材料プロセス等、ナノテクノロジーのための先端計測技術、プロセス技術の分野において、世界的に注目される研究成果を挙げています。このような研究を さらに強力に推進するために、現在、全学プロジェクトとして領域創成プロジェクト「量子から材料へ」が、また、文部科学省21世紀COEプロジェクトとして、工学系研究科・物理工学専攻と共同で、「強相関物理工学」が実施されています。後者は、大学院生の皆さんや若手研究者の支援に主眼を置いたプロジェクトであり、充実した研 究を進めるための最適な環境の実現に役立てています。学外の研究機関・研究者との交流も活発に行われています。理化学研究所との連携、物質・材料機構との研究協力 が実施されている他、国内外の数多くの研究者との共同研究が進められています。国際化に関しても積極的に取り組んでおり、常勤外国人教員を招聘するとともに、多数 の外国人客員教員、博士研究員、留学生が本専攻に所属し、国境を越えて研究に取り組んでいます。これらの研究活動を通して、世界的に高い評価の学術雑誌に多数の研究論文を公表しており、また、権威ある学会・学術賞の受賞者、若手研究者に対する奨励賞の受賞者を数多く輩出しています。

8の字架橋点が自由に動くトポロジカルゲル

強磁場による実用ガラスの分離(成分(色)による磁化率と密度の差を利用

トンネル電子による単一分子反応:トランス- 2-ブテンから1,3-ブタディエンの生成)

教育理念

 学問・研究を発展させ広く社会に役立てるには、優れた人材の育成が最も重要であることは言うまでもありません。そして、広いバックグラウンドと深い専門知識を合わせ持つ人材を育てることが、本研究科の理念である学融合を実現し、将来の物質科学を担う若手研究者を育てるために不可欠であると考えています。実際に、本専攻は、幅広い学部・学科の出身者を受け入れており、異なるバックグラウンドを持った学生が集まることが、本専攻の多様性を支える原動力となっています。この利点を十分に生かしながら、物質科学研究の基盤となる共通の基礎知識を習得すること、および、それらを生かして物質科学研究を推進するための高度で専門的な知識を習得すること、の両者をバランスよく実現できることを目指した教育システムが構築されています。具体的には、共通の基礎知識・概念の習得を目的とした科目である「物質科学概論 I~V」、「物質系輪講」等と、それぞれの専門分野の教員が行う専門性の高い多様な科目が並行に用意されています。そして、基礎的な内容の科目にはコア科目を設定して履修を促し、学部時代の経験を生かしながらより広い分野の知識を効率よく身につけることができるよう配慮されています。各指導教員のもとで行う「物質系特別研究」では、最先端の研究活動を通して、真に新しい物質科学を切り拓くための能力・技術を身につけます。また、外国人教員による英語での講義や英語のプレゼンテーション教育が行われており、国際化の流れに対応できる経験を積むことも可能です。このように、多彩な講義の受講と最先端研究の実践の機会がふんだんに用意されており、基礎から応用まで、物質科学のフロンティアに直接触れることができます。

 以上のように、物質系専攻では、物質科学の総合的な教育・研究環境の中で、充実感 溢れる大学院生活を味わうことができます。さあ、我々とともに世界へ羽ばたきませ んか?