東京大学大学院新領域創成科学研究科PROSPECTUS
緒言
研究科紹介
研究科長挨拶
研究科がめざすもの
教員紹介
授業科目表
基盤科学研究系
物質系専攻
先端エネルギー工学専攻
複雑理工学専攻
生命科学研究系
先端生命科学専攻
メディカル情報生命専攻
環境学研究系
自然環境学専攻
海洋技術環境学専攻
環境システム学専攻
人間環境学専攻
社会文化環境学専攻
国際協力学専攻
サステイナビリティ学グローバルリーダー養成大学院プログラム
研究科附属施設
生涯スポーツ健康科学研究センター
オーミクス情報センター
研究科長からのご挨拶  

大崎 博之 新領域創成科学研究科は、東京大学の全学的な支援を得て1998年に創立され、学部を持たない独立研究科として1999年4月より学生の受け入れを開始しました。本郷キャンパスでスタートした新領域創成科学研究科の柏キャンパスへの移転は2001年度から始まり、2006年3月に完了しました。現在、基盤科学、生命科学、環境学の三つの研究系に属する11の専攻と研究科が実施する博士学位プログラムである「サステイナビリティ学グローバルリーダー養成大学院プログラム」があり、ナノ、物質・材料、エネルギー、情報、複雑系、生命、医療、環境、国際協力など広範な専門分野をカバーしています。そこに180名余の教員と1,450名余の大学院生が在籍し、東京大学を構成する研究科の中でも規模の大きい研究科の一つとなっています。2018年度までの学位取得者総数は、修士7,333名、課程博士1,606名に達します。また、2018年には創立20周年を迎え、2018年10月31日に新領域創成科学研究科創立20周年記念シンポジウム・記念式典を開催しました。

 本研究科は、「学融合」と「知の冒険」を基本理念として創立されました。「学融合」とは、既存の専門分野間の壁を越えて、異なる専門分野を融合させて新たな学術分野や領域を創成することです。「知の冒険」とは、失敗を恐れずに勇気を持って新しいことに全力で挑戦するスピリットです。広範な専門分野で先端的研究を進める本研究科は、現代の最先端の学問分野の結節点を構成し、新しい「知」は、そのような場で、学問における冒険的精神を持ってチャレンジする教員、研究者、学生らの連携と融合により創造されると言えるでしょう。

 本研究科では、他大学出身者、留学生、社会人院生などを含む多様なバックグラウンドをもつ学生が学び、研究に従事しています。また、学問の多様性を広い視野で学ぶことができる分野横断型教育プログラムが多数設けられていて、大学院生は、最先端の専門的研究活動を行いながら、国際拠点との連携も活用しながら、幅広い知識を学ぶことができます。それらを通じて、先端研究分野の基盤となる高度な学術知識に加えて、多様な課題を発見して解決に導くために必要な広い視野をもつ「知のプロフェッショナル」を育成します。さらに、学生からの提案公募事業である「学生創成プロジェクト」を進めていて、地域交流や被災地支援のプロジェクト等、学生の主体的活動の支援も行っています。

 2019年1月、本研究科は国際卓越大学院プログラムWINGS-PESを開始しました。国際卓越大学院(World-leading Innovative Graduate Study, WINGS)は、東京大学の最先端研究と多様な学術の中核として、修博一貫の学位プログラム制度を基本とした国際的に卓越した大学院教育プログラムを構築するものです。本研究科が進めるプロアクティブ環境学国際卓越大学院プログラム(WINGS program in Proactive Environmental Studies (WINGS-PES))は、既存の専攻群において修得する個別分野の高度な専門性に加え、高度なデータ解析・シミュレーション等を用いた予測技術等に基づくプロアクティブ・アプローチ、サステイナビリティに関わる概念と幅広い方法論、課題を解決するリーダーシップ、および国際コミュニケーションに関わる修学機会を組込んだ体系的な教育課程により、国際的な場で活躍できる「環境知のプロフェッショナル」の養成を目指しています。そして、文系・理系を含む多様な分野が集結し、学融合を通じて新たな学問領域の創成に取り組んできた本研究科の特性、世界最先端研究拠点である附置研究所群、つくばの研究開発機構等との密な教育研究交流を進められる柏地区の立地特性を活かし、環境知のプロフェッショナル育成の拠点形成強化を進めます。

 学部教育改革事業としては、海外の日本留学を考えている学部学生を対象とする夏季インターンシッププログラム「UTSIP」、柏キャンパスの研究所の協力も得て、専門的なものの見方や考え方の基本を学び取らせる「Early Exposure」の一環として、駒場生を対象とする冬期研究室体験活動「柏サイエンスキャンプ」を実施しています。教育における国際連携としては、例えば、リヨン大学、プリンストン大学、インペリアル大学、MIT、浙江大学、マスダール科学技術大学等、海外の大学、学術機関との学生相互派遣、教育連携などを実施しています。この他に、留学生を含め多様な学生が協働するしくみは、国際感覚を鍛える教育の充実と学生の多様性拡大につながるものです。また、リカレント教育機能の多様化および高度専門職業人の育成を通じて学術的成果を社会に還元するプログラムとして、米国MITとの連携による社会人教育プログラムや、オンザジョブトレーニングを通じて実践的なオーミクスデータ解析を習熟する「生命データサイエンス人材育成教育プログラム(DSTEP)」を実施しています。さらに、海外研究者との共同研究を含めて、国際的に卓越した先端研究、分野融合型研究を実施し、本研究科の国際的共同研究拠点化を推進しています。

 本研究科は、郊外型キャンパスである柏キャンパスにおいて、地域連携、およびつくば-柏-本郷イノベーションコリドー産官学連携の拠点の一翼を担い、学術成果の社会への還元や産学官民協働拠点の形成を進めています。2006年設立の柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)は地域連携の拠点となり、本学の知を活かし国際的に評価される先進都市づくりを進め、都市デザインの方法や技術を実践してきました。2018年度には福島県新地町および国立環境研究所と連携し、UDCKの活動を通して築いてきたノウハウを展開することにより福島県新地町のまちづくりへの参画を開始し、自治体との連携による大学院生のフィールドワークも開始しました。持続可能な開発目標(SDGs)分野では、低CO2と低環境負荷を実現する微細藻バイオリファイナリーの創出を目指す機能性バイオ共創コンソーシアムを公民学連携による研究として開始し、2018年度にはJSTの産学共創プラットフォーム事業(OPERA)に採択されて進めています。 東京大学が卓越した研究を展開し教育改革を推進するにあたって、柏キャンパスは先進的な試みを実験的に実施する実験キャンパスとしての意義をよりいっそう深めつつあります。大学院新領域創成科学研究科は今後もフロンティアを求めて挑戦し続け、「知の冒険」、「学融合への挑戦」、「未来志向の国際化と社会連携」を推進していきます。


大崎 博之
東京大学大学院新領域創成科学研究科長

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