東京大学大学院新領域創成科学研究科

PROSPECTUS

教員紹介

泉田 勇輝 (いずみだ ゆうき/講師/基盤科学研究系)

複雑理工学専攻/複雑システム講座/非平衡熱統計力学、非線形動力学

略歴

2006年3月山形大学理学部物理学科卒業
2011年3月北海道大学大学院理学院量子理学専攻博士後期課程修了(博士(理学))
2010年4月日本学術振興会特別研究員(DC2)
2011年4月日本学術振興会特別研究員(PD)
2012年4月東京大学大学院理学系研究科物理学専攻客員共同研究員
2012年5月東京大学大学院理学系研究科物理学専攻特任研究員
2012年7月お茶の水女子大学シミュレーション科学教育研究センター特任リサーチフェロー
2013年4月日本学術振興会特別研究員(PD)
2015年4月名古屋大学大学院情報科学研究科複雑系科学専攻助教
2017年4月名古屋大学大学院情報学研究科複雑系科学専攻助教を経て2019年5月より現職

教育活動

大学院:
工学部計数工学科:生体情報論

研究活動

非平衡熱統計力学・非線形動力学の分野を中心に研究を行っている。特に熱機関の熱効率の研究を通して非平衡熱統計力学の基礎的な問題に取り組んできた。
従来の準静的な最大効率の熱機関には仕事率がゼロとなるという実用上の問題点があることが指摘されていた。
この問題に対し、有限時間カルノーサイクルの分子運動論模型を提案し、
経験則であった熱機関の最大仕事率時の効率限界(Curzon-Ahlborn効率)の妥当性を分子運動論のレベルから実証した。
また線形非平衡熱力学によって効率限界達成を説明することにも成功している。

ここ数年は、熱力学と非線形動力学を融合させたより複雑な系の研究を展開している。例えば、
流体相互作用する生物鞭毛のような結合振動子系の同期現象のエネルギー論の構築や低温度差スターリングエンジンの数理モデリングによる回転メカニズムの解明が挙げられる。
これらは生物機能の理解・制御や工学的なイノベーションへとつながることが期待される。

文献

1) Y. Izumida, K. Okuda: "Molecular kinetic analysis of a finite-time Carnot cycle", EPL(Europhysics Letters), 83(6), 60003 (2008).
2) Y. Izumida, K. Okuda: "Onsager coefficients of a finite-time Carnot cycle", Physical Review E 80(2), 021121 (2009).
3) Y. Izumida, K. Okuda: "Work Output and Efficiency at Maximum Power of Linear Irreversible Heat Engines Operating with a Finite-Sized Heat Source", Physical Review Letters, 112(18), 180603 (2014).
4) Y. Izumida, H. Kori, U. Seifert: "Energetics of synchronization in coupled oscillators rotating on circular trajectories", Physical Review E 94(5), 052221 (2016).
5) Y. Izumida: "Nonlinear dynamics analysis of a low-temperature-differential kinematic Stirling heat engine", EPL(Europhysics Letters), 121(5), 50004 (2018).

その他

日本物理学会会員

将来計画

理学と工学のアイデアを融合するユニークな非線形・非平衡物理学研究の発信地となることを目指しています。

教員からのメッセージ

知的好奇心をもち、様々な学問を身につけてください。新しい知の創出に関わることは人生における貴重な経験となるはずです。