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郡 宏 こおり ひろし/教授/基盤科学研究系
複雑理工学専攻/複雑システム講座/非線形物理学
http://www.hk.k.u-tokyo.ac.jp/

略歴
1998年3月東北大学理学部物理学科卒業
2003年3月京都大学理学研究科物理学・宇宙物理学専攻博士課程(理学博士)
2004年4月マックス・プランク研究所奨励研究員(フリツ・ハーバー研究所 )
2005年3月フンボルト財団奨励研究員(フリツ・ハーバー研究所)
2006年4月北海道大学大学院理学研究院数学専攻学術研究員
2008年3月お茶の水女子大学お茶大アカデミック・プロダクション特任助教
2008年9月科学技術振興機構さきがけ研究者(兼任)
2012年4月お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科准教授を経て2018年9月より現職
教育活動
大学院:未定
工学部計数工学科:未定
お茶の水女子大学:環境情報論
研究活動
非線形ダイナミクスの分野において,振動現象,同期現象,集団ダイナミクス,複雑ネットワーク,パターン形成,自己組織化,揺らぎなどを研究課題としている。特に,振動子集団の秩序化現象である同期現象の理論研究に精力的に取り組んできた[6].2007年には振動子集団の同期を複数の時間遅れを伴うフィードバックの重ね合わせによって制御する理論を構築し,実験研究者と共同で化学反応系を用いて実証に成功した[5].また振動子集団のクラスター化を説明する振幅方程式と位相方程式の導出[2],ネットワークによって相互作用する振動子集団における秩序化や外部刺激に対する応答の理論や,集団の効果による振動揺らぎの低減則の導出など応用上重要な基礎的課題で成果をあげている.
 近年は,生命科学分野の実験研究者と密に協働し,時差ボケの研究[3],遺伝子発現振動の細胞分化の運命決定に対する役割の解明[4]など,社会的にも注目される研究に携わってきた.特に,時差ボケなどの体内時計の研究では理論研究が実験の立案や解釈に大きく貢献している.2017年には,時差ボケの機序を記述する数理モデルの提案と,それに基づく時差ボケの回避方法の実験検証を発表した[1].

[文献]
[1] H. Kori, Y. Yamaguchi, H. Okamura: "Accelerating recovery from jet lag: prediction from a multi-oscillator model and its experimental confirmation in model animals", Scientific Reports 7, 17466 (2017)
[2] H. Kori, Y. Kuramoto, S. Jain, I.Z. Kiss, J.L. Hudson "Clustering in Globally Coupled Oscillators Near a Hopf Bifurcation: Theory and Experiments", Phys. Rev. E 89, 062906 (2014)
[3] Y. Yamaguchi, H. Kori, H. Okamura et al: "Mice Genetically Deficient in Vasopressin V1a and V1b Receptors Are Resistant to Jet Lag", Science 342, 85 (2013)
[4] I. Imayoshi, H. Kori, R. Kageyama et al.: "Oscillatory Control of Factors Determining Multipotency and Fate in Mouse Neural Progenitors", Science 342, 1203 (2013)
[5] I.Z. Kiss, C.G. Rusin, H. Kori, J.L. Hudson: "Engineering Complex Dynamical Structures: Sequential Patterns and Desynchronization", Science 316, 1886 (2007)
[6] 郡宏、森田善久:「生物リズムと力学系」共立出版 (2011)
その他
日本物理学会,日本数理生物学会各会員.
日本物理学会・領域11運営委員(2012-2013),日本物理学会・新著紹介小委員会委員(2014-2016),Chaos 誌 Guest Editor(2017-2018)等.
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将来計画
振動と同期の研究の世界的拠点となることを目指しています.
教員からのメッセージ
世界の中で自分は何者になり,どのように人々に貢献するのか.学生の皆さんはそのようなことを自問をしているかもしれません.まずは一つの研究を深く掘り進めることで,様々な物事が繋がり,自分の生き方についても多くのヒントを得ることができます.そうして,自分の道を切り拓いていってください.私はその手助けをできれば嬉しいです.
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