概要

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高橋 孝明

(たかはし たかあき/教授/環境学研究系)

社会文化環境学専攻/空間環境情報学協力講座

略歴

1985年3月慶應義塾大学経済学部卒業
1987年3月慶應義塾大学経済学研究科修士課程修了(経済学修士)
1993年10月東京大学教養学部助手
1994年12月ノースウエスタン大学博士課程修了(Ph.D)
1996年4月埼玉大学政策科学研究科助教授
1997年10月政策研究大学院大学助教授
1998年4月上智大学助教授・教授
2003年9月~2004年3月Ecole Nationale des Ponts et Chausseesパリ国立高等土木橋梁学校(フランス)客員研究員等を経て2004年9月より現職
2004年10月~2005年9月ルーバンカトリック大学CORE(ベルギー)客員研究員

教育活動

大学院:都市・地域経済分析,都市・地域経済分析演習
経済学部:都市経済
慶應義塾経済学部:地域経済論

研究活動

1) 地方政府の公共サービス供給の研究
政府は, 「地域公共財」──財の消費が地域的に限定されるような公共財で, 多くのインフラストラクチャーを含む──を供給する際に, しばしば他の政府と競争する. その際には, 地域公共財が自地域で供給された場合に, 近隣地域において同じ地域公共財が供給されるのかどうか, そして, もし供給されるのであればそのときの価格競争はどのようなものになるか, といった点を斟酌しながら地域公共財の供給に関する意思決定を行う. このような, 地域公共財を供給する政府間の国際的ないし一国内の競争について, 理論的に考察した.
2) 経済地理と輸送の相互依存の研究
利用される輸送技術は, 都市や地域, 国によって異なることが多い. どのような輸送技術が利用されるかという問題は, 輸送費のあり方に影響し, 結果として都市, 地域, 国の経済のパフォーマンスを左右することになる. ところが, ほとんどの国では, どの輸送技術を利用するかが輸送セクターを含む個々の経済主体の自由な意思決定に委ねられている. その結果選ばれる技術は必ずしも社会的に最適なものになるとは限らない. 分権的意思決定の結果が社会的に最適な結果と乖離するとすれば, 何らかの政策的介入が必要となる. 都市や地域, 国の政府は, 経済の効率性を達成するためにはどのような方法で, どのような輸送技術の採用を促すべきであろうか. こうした問題を理論的に検討した.

文献

1) Takahashi, T., "Economic Geography and Endogenous Determination of Transportation Technology," Journal of Urban Economics, forthcoming.
2) Takahashi, T., "Spatial Competition of Governments in the Investment of Public Facilities," Regional Science and Urban Economics, 34 (2004), 455-488.
3) Takahashi, T., "International Trade and Inefficiency in the Location of Production," Journal of Japanese and International Economies, 17 (2003), 134-152.

その他

所属学会:日本経済学会,応用地域学会,American Economic Association

将来計画

経済に存在する資源は, 何らかの方法で輸送と財の生産との間で配分されなければならない. 経済活動が活発になって多くの財が生産されるようになると, 地域間で輸送される財の量も増える. したがって,輸送に割かなければならない資源の量も増える. このことは生産活動を抑制する要因となる. このように, 輸送と生産の間にはトレードオフの関係が存在する. このようなトレードオフの関係に着目し, 財の輸送と生産の間での資源配分がどのようなメカニズムで行われるかを明らかにする.

教員からのメッセージ

経済学は,与えられたインセンティブに応じて,人びとや集団がどのように行動するかを広く研究する.環境問題について考えるときも,さまざまな政策・制度のもとで,人びとや集団がどう行動するかを知ることが不可欠である.このような理由で,工学の視点だけではなく経済学の視点も合わせもつと,問題の全体像がよりくっきりと見えてくると思う.

ホームページのURL

http://home.csis.u-tokyo.ac.jp/~takaaki-t/