分子イオニクス 鈴木康介教授研究室
Suzuki Kosuke
研究内容の紹介
私たちの身の回りに存在する物質は、原子や分子の配列とその相互作用によって性質や機能を発現します。周期表に並ぶ約100種類の元素の多様な組み合わせや空間配列、さらには欠陥までも含めて原子レベルで自在に設計・制御できれば、全く新しい機能を持つ物質群の創出が可能になります。本研究室では、ポリオキソメタレートや無機クラスターなどの精密構造をもつ分子性無機物質の開発を基盤に、有機分子とのハイブリッド化や階層的な構造設計を通じて、電子・イオン・分子の輸送や反応を分子スケールで制御する「分子イオニクス」という物質科学領域の開拓に取り組んでいます。このようにして創出される材料は、電気化学的エネルギー変換、光応答型デバイス、資源循環を可能にする触媒システムなど、エネルギー・環境などの社会課題の解決に貢献する次世代機能材料として期待されます。無機化学、有機化学、物理化学、電気化学、材料科学、デバイス応用など、複数の分野を横断しながら、分子を自在に操ることで「物質構造が機能を生む」という化学の本質に迫ります。

元素・構造を選んで自在な分子設計を行います

物質変換

エネルギー変換

環境・資源循環

鈴木教授からのメッセージ
原子や分子を操り、新たな物質を生み出す感動の瞬間に立ち会う。
その挑戦が、自分だけの強みとなり、未来を切り拓く鍵になる。
新しいものができたり、変化が見える瞬間に立ち会えることに感動を覚え、学生時代から化学に熱中していました。東京大学進学後は、教養課程で様々な講義を受けながら化学への興味を再認識。有機材料の開発に出会い研究室に進みました。ただ、修士を卒業した後は企業に行くつもりで内定もいただいていましたが、今後世界を相手に研究者として活躍するためには博士号がないとテーブルにもつかせてもらえないと聞き、また自分のやりたい研究を続けたいという思いも強くなり内定を辞退し、博士課程に進むことに。博士をとる過程で無機材料と出会い、原子レベルでの材料設計の難しさに衝撃を受けて、今研究に取り組んでいます。有機分野も無機材料も体験しているため、分子レベルでデザインできるというのは自分たちの強みであり、これまで出会った先生方がきっかけを作ってくださったと思っています。学生のうちは失敗をしてみることも大事な経験であり、そこから成功につなげてもらいたいです。みんなが同じような進路をたどるよりは、研究を通して自分にしかない強みを見つけてほしいと思ってます。
キーワード
無機-有機複合物質 / 分子合成 / 分子イオニクス / エネルギー変換
プロフィール
2005年 東京大学工学部応用化学科 卒業
2010年 東京大学大学院工学系研究科 博士課程修了、博士(工学)
2010年 東京大学大学院工学系研究科 助教
2018年 東京大学大学院工学系研究科 講師
2019年 東京大学大学院工学系研究科 准教授
2025年 東京大学大学院新領域創成科学研究科 物質系専攻 教授
Experience the exciting moment of creating new materials by controlling atoms and molecules.
原子や分子を操り、新たな物質を生み出す感動の瞬間に立ち会う。






277-8561
千葉県柏市柏の葉5-1-5
東京大学大学院新領域創成科学研究科
物質系専攻
鈴木康介教授研究室
04-7136-3786
suzuki@edu.k.u-tokyo.ac.jp
物質系専攻の目標
物質系専攻の目標は、未開拓な自由度を操ることができる舞台=“新物質”を開拓すること、その舞台から生み出される未知の現象を探索して優れた機能を引き出すこと、 また、その機構を解明すること、そして、それらの現象・機能の応用分野を開拓することで人類社会の発展に貢献することにあります。
物質系専攻
〒277-8561
千葉県柏市柏の葉5-1-5
東京大学柏キャンパス
新領域創成科学研究科
Mail:ams-office(at)ams.k.u-tokyo.ac.jp
(at) を @ にしてください。