研究紹介

私達の研究室では、1分子という極めて小さな空間における運動情報をミリ秒以下の速度で計測できる方法論の研究開発を進めてきました。現在、放射光や電子線などAレベルの超短波長高エネルギープローブを利用して、全く新しい方法論の提案や、その方法を実現するための先端技術の構築に取りかかっています。

佐々木研究室 研究紹介

 

x線1分子計測法の原理。対象は生体分子からナノ無機構造体まで可能。

佐々木研究室 研究紹介

 

DNA1分子高精度運動観察。チャネルタンパク質の内部運動計測。フィラメント分子の2方向運動計測。1Å精度以下の1分子運動計測。~aNX線放射圧の計測。運動のシミュレーション。1分子抗原抗体反応ダイナミクス。測定されたサンプル系の例。

佐々木研究室 研究紹介

 

解析スポット(白線)の連続撮影。撮影時間はミリ秒。解析情報の運動を世界で初めて捕らえた瞬間(下円形はX線ストッパーの形)。

メッセージ

今、誰もやっていないこと。枠組みにとらわれない新しい学問を学ぶことで、きっと新しい発見が出来る。

「鉄は生きている」という言葉は、材料学の父と呼ばれている本多光太郎の言葉です。彼に憧れて金属学を専攻しました。けれど、それは自分が考えていた鉄という金属の「生きる」とは少し違っていました。そんな時に、生物物理に巡り合い「これが生きるということだ」と思いました。 私たちの研究は、生命、分子、原子、すべての一般概念を変えることが出来るかもしれません。生体分子は、免疫とか分子同士の相互作用とかにおいて、「鍵と鍵穴」で反応が進むと思っている人が多いのではないでしょうか? 実は違うのです。分子はとんでもなく柔らかいのです。分子認識もそれを利用しているようです。その未知なる分子の内部運動を計測できる方法論を提案しています。

物質系専攻を志す学生へ

全て分子は「運動」をしています。その「運動」を 1 分子レベルで高速高精度測定しているのは世の中で私達だけです。数 A 程度の微細な運動を計測するために、新しい計測法や概念を提案しています。それが今、X 線天文学や動物学などで使える動画解析法へと拡大しようとしています。想像を遙かに超えた異分野融合にチャレンジしましょう!

プロフィール

佐々木 裕次 教授

佐々木 裕次 教授

1991年 東北大学大学院工学系研究科博士課程修了(工学博士)

1991年 (株)日立製作所 基礎研究所 福原研究G研究員

1997年 財団法人 高輝度光科学研究センター実験部門 副主幹研究員

1998-2001年 科学技術振興事業団 個人研究推進事業「素課程と連携」 さきがけ研究21研究員

2001-2003年 大阪大学 蛋白質研究所 蛋白質機能評価研究部門 客員教授

2008年 東京大学大学院新領域創成科学研究科 物質系専攻教授

学生の声

佐々木 大輔

佐々木 大輔 さん

明るく、楽しく研究をされていて、何事にもアグレッシブな佐々木先生。非常に学生思いで、必要な時に的確な指摘をしてもらい、研究に関しても学生の自主性を重んじてくれています。

研究室は、自分のやりたいことや意見を自由に言える雰囲気があります。自由闊達でノリよく笑いありの、少人数ですが楽しい研究室です。

これから、ナノ領域の世界では、さらに高精度な測定法が必要になります。その中で、誰も見たことがない超高速ナノ領域の世界を一番に見て、今までの常識を疑いながら常に新しい発見をすることができるので大きな充実感があります。


物質系専攻を志す学生へ

自分で主体的に考えて新しい現象を発見することは、とても楽しいことだと思います。是非、佐々木研でその面白さを味わって下さい。

研究室訪問

  • 04-7136-3821(物質系専攻事務室)
  • 04-7136-4092(新領域創成科学研究科教務係)
  • 277-8561
  • 千葉県柏市柏の葉5-1-5基盤棟510
  • 東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻
  • ams-office@ams.k.u-tokyo.ac.jp