プロセス物性科学 伊藤剛仁准教授研究室
Ito Tsuyohito
研究内容の紹介
本研究室は、プラズマ材料科学における新領域開拓に取り組んでいます。例えば、超臨界流体や溶液を用いたプラズマ誘起ナノ材料合成等、従来の室温低圧雰囲気とは異なる、流体とプラズマの共存系を用いた研究を展開しています。新規反応場の理解のための先進計測にも取り組んでおり、多くの新規プラズマ応用が展開されている大気開放雰囲気におけるレーザー電界計測や、凝縮相表面に照射する高エネルギー中性粒子の計測・解析など、プロセス反応場の理解に向けた、先駆的な取組を続けてきております。それらのプロセス開発や計測結果とともに、平衡系から大きく離れ、多彩な分布が重畳するプロセス反応場の理解に向けた、新たな解析・設計指針の構築にも挑戦しています。

超高速エピタキシャル成膜プラズマビーム

カーボンナノチューブから構成されるナノフォーレスト

伊藤准教授からのメッセージ
楽しんで研究に取り組むことが、良い成果への第一歩。
豊かな社会の実現のために科学技術と向き合いましょう。
宇宙の物質の99%以上はプラズマ状態にあるといわれますが、地球に住む我々人類が利用しているプラズマの機能はほんのわずかなものです。この、プラズマ状態がもたらす反応場は、実に多彩な可能性を持っています。卒業論文研究以来、その可能性に魅了され、自在に生成・制御しようとしているうちに今にいたっています。
本研究室では、ナノ・マイクロプラズマ、超臨界流体プラズマ、多相空間プラズマなどを用いた材料プロセスの創成を成し遂げると共に、先進計測や統計的分析による反応場の理解に取り組んでいます。大きな非平衡性を伴うプラズマ反応場、特に凝縮相を含むようなプラズマ反応場の理解は、極めて困難です。ラングミュア博士から始まるプラズマの歴史は100年近くにおよびますが、ボルツマン分布から大きく離れた粒子群の集合体であるプラズマは、未だに学術的に極めて興味深い研究対象です。多彩な分布群を自在に制御することができれば、現代社会が抱える数多の問題を解決し、豊かな未来社会を実現するための、強力なプロセス反応場となるはずです。その実現のためには、幅広い知識に基づく、従来の枠組みに捕らわれない発想が必要となるでしょう。学ぶことにひとつの無駄もありません。
キーワード
プラズマ / プラズマプロセス / 粒子合成 / ミクロ液相 / フレキシブルデバイス / プリンティング / 大気圧非平衡プラズマ / インクジェット / プラズマ誘起ミクロ液相反応 / 電界計測 / プラズマ診断 / 金属有機構造体 / 描画 / 単分散粒子 / プラズマ材料プロセス / プラズマ計測 / ナノ粒子 / プラズマ分光 / プラズマ-液相相互作用 / プラズマ-液相相互作用 / プラズマ―液相相互作用 / プラズマー液相相互作用 / 大気圧プラズマ / 構造解析 / 結晶化 / ナノ秒パルス放電 / 水素雰囲気 / 大気解放雰囲気 / 高圧力 / コヒーレントラマン散乱 / 高圧力放電 / 放電プラズマ
プロフィール
1999年 東京大学工学部金属工学科卒
2004年 東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻博士課程修了 博士(科学)
2004年 スタンフォード大学(米国)機械工学科博士研究員
2006年 大阪大学大学院工学研究科特任講師
2011年 大阪大学大学院工学研究科准教授
2016年 東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻准教授
長谷川 瑠偉 さん
伊藤先生は、聡明で幅広い学術知識を有しておられ、プラズマ研究の第一線でご活躍されている先生です。また生徒思いで気さくなお人柄から、学生と同じ目線で親身にご指導くださり、手厚いサポートをいただきながら研究を進めることができます。
伊藤研究室では各々が興味を持った事柄に対して自由に研究を進めることができます。また雰囲気も明るく溌剌としており、困ったときには先生、先輩方に気軽に相談できます。本研究室で扱っている「プラズマ」は未だ分かっていないことが多く残されており、新たな発見に溢れています。自分の手で未知なる領域を解き明かしていく研究は、何事にも代えがたい経験になると思います。
柏キャンパスには、集中して自分の研究を進めることができる環境がそろっています。研究に行き詰まった際は緑の多い公園で癒され、気分転換することができます。スポーツ大会やバーベキュー等のイベントもあり、楽しく研究を進めるうえでこの上ない環境だと思います。

MATERIALS DESIGN AND PROCESSING
元気とやる気で研究室に新しい風を巻き起こしてください!






277-8561
千葉県柏市柏の葉5-1-5
東京大学大学院新領域創成科学研究科
物質系専攻
伊藤剛仁准教授研究室
04-7136-3782
tsuyohito@k.u-tokyo.ac.jp
物質系専攻の目標
物質系専攻の目標は、未開拓な自由度を操ることができる舞台=“新物質”を開拓すること、その舞台から生み出される未知の現象を探索して優れた機能を引き出すこと、 また、その機構を解明すること、そして、それらの現象・機能の応用分野を開拓することで人類社会の発展に貢献することにあります。
物質系専攻
〒277-8561
千葉県柏市柏の葉5-1-5
東京大学柏キャンパス
新領域創成科学研究科
Mail:ams-office(at)ams.k.u-tokyo.ac.jp
(at) を @ にしてください。