研究紹介

我々の研究室では、分子を合成したり集合させたり、界面で並べたりすることにより、新機能物質系を開発します。ナノサイズの車を作ったり、分子マシンを自在に操ったり、触角集合体を作ったりします。これらの物質を電極やメカニカルセンサーの上に固定化して、空気中の毒物を検知する超鋭敏なセンサーを開発したりしています。

有賀研究室 研究紹介

 

我々のナノカー(バタバタ動いて前に進んでいく)

有賀研究室 研究紹介

 

分子を捕まえたり放したりすることができる。手の動きでコントロールできる。

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触角分子集合体によるセンサーの開発

メッセージ

たとえば…私たちは手で分子マシンを操れるか?一見無理と思われる発想に宝の山がある。

人と違うこと、変な人であること、マイナーであること、人の予測を裏切ること、超人的に熱心であること、それと朝早起き。私は、成功した先生ではなく、変わった人間を貫きたいと思っています。馬鹿な発想でも、誰も思いつかないことをやろうとして、今の研究にたどり着きました。数年後は自分にも予測不能ですし、そのほうがいいと思っています。昨年、分子マシンがノーベル化学賞を受賞しました。それは、分子が機械のように動くという夢を現実にしたものでした。私たちは界面を使い、先端機械ではなく自分の手の動作で、分子マシンを操って分子を捕まえたり放出することを実現させました。分子を自由自在に操ることで、分子レセプターを構造チューニングして、生体分子を凌駕する機能を人工分子に与えたりすることができ、これまでにない発想のセンサーの開発に使われるのです。この研究で、ナノテクノロジーと普段の生活を結び付け、世界のどこでも誰でも先端技術を操れるようになります。現実的な技術進展ですが、無理だと思われることにも、もっと破天荒に、個性的にチャレンジしていきたいと思っています。

物質系専攻を志す学生へ

失敗してもいい、ドロップ・アウトしてもいい。世界的なハングリーさを持ち、常にチャレンジングであって欲しい。私たちは、分子を合成し、いろいろな形に集め、自由に操り、観察します。とてつもなく鋭敏で変幻自在に機能を変えることのセンサーの開発といった現実路線から、サイコロから触角が伸びていって昆虫のように鋭敏に物質を知覚する分子集合体のような、未知の物質開拓まで行っています。あなたの人生をあなたの研究にかけてみませんか?

プロフィール

有賀 克彦 教授

有賀 克彦 教授

1987年 東京工業大学大学院修士課程修了(1990 年に工学博士)

1987年-1992年 東京工業大学工学部生体理工学部助手

1990年-1992年 テキサス大学博士研究員兼任

1992年-1997年 JST 超分子プロジェクトグループリーダー

1998年-2001年 奈良先端科学技術大学院大学助教授

2001年-2003年 JST 相田ナノ空間プロジェクトグループリーダー

2004年- 物質・材料研究機構グループリーダー (2007年より MANA 主任研究者)

2017年- 東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻教授

学生の声

村田 朋大

村田 朋大 さん

有賀先生は大変エネルギッシュでストイックな方で、その研究姿勢はいつも刺激になります。また、幅広い科学分野の知識を有しておられ、研究で参ったときに相談に行くといつでも斬新なアイディアで新しい切り口を見つけることができます。

有賀研究室では各人が個性的なテーマを持って自由な発想で研究を展開しています。また、海外からの研究者が多く在籍していて、国際色豊かな環境で刺激的な研究生活を送ることができます。


物質系専攻を志す学生へ

物質系専攻では様々なバックグラウンドを持った先生や学生と共に"物質"の不思議、魅力について日々刺激を受けながら研究ができます。基礎物性から極めて応用に近いところまで研究が展開されており、一つの視点に拘泥しない柔軟な価値観を養えます。

研究室訪問

  • 029-860-4597
  • 04-7136-4062(柏)
  • 277-8561
  • 千葉県柏市柏の葉5-1-5基盤棟510
  • 東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻
  • 有賀克彦教授研究室
  • ariga.katsuhiko@nims.go.jp