杉浦 美優さん (博士課程2年)

私は金星大気の研究に取り組んでいます。

小さい頃から、短冊には「気象予報士になれますように」と書くほど、漠然と地球の気象に興味を持っていました。中学生の頃には、「地球温暖化は本当に起こっているのか」をテーマに、地元の大学の先生に話を聞きに行ったこともあります。帰り際、その先生が南極の氷をクーラーボックスに入れて持たせてくれたことは、今でも印象に残っています。一方で、幼い頃から金星そのものに強い関心があったかというと、実はそうではありませんでした。幼い頃の金星との接点といえば、『セーラームーン』のヴィーナスが一番好きだった、というくらいです(笑)。

大学では理学部に進学しました。所属していた学科には、地球気象を専門とする先生方に加え、金星気象を専門とする先生方も多くいらっしゃいました。授業や研究を通して次第に、惑星気象学というより大きな視点から地球気象を見つめることの面白さに惹かれるようになりました。また、金星は「地球の双子星」と呼ばれ、地球の未来の姿を考える上でも重要な天体です。それにもかかわらず、金星気象には地球気象と比べてまだ分かっていないことが多く、その未知の多さにも魅力を感じるようになりました。

現在は、最も高い高度分解能を持つリモートセンシング手法である電波掩蔽観測と、世界最高解像度の金星大気力学シミュレーション「金星SCALE-GM」を組み合わせることで、観測と理論の両面から金星のメソスケール気象の理解に少しでも貢献したいと考え、研究に取り組んでいます。

研究生活の中では、分からなかったことが少しずつ分かるようになる瞬間が楽しいです。そして同時に、分かることが増えるほど新しい疑問も生まれてきます。その「飽きのなさ」こそが、研究の面白さだと感じています。また、想定していた結果が出なかったときでも、「それはそれで面白い」と受け止める先生の姿勢には、研究に向き合う上で大きな影響を受けています。さらに、海外学会や研究会への参加も貴重な経験になっています。博士課程1年目を振り返ると、北京、ヘルシンキ、リスボンと、3か国を訪れる機会がありました。自分の研究を外に向けて発信し、さまざまな研究者の話を直接聞くことは、自分の視野を広げるきっかけになりました。

柏キャンパスの目の前には公園があり、春になると桜並木がとてもきれいです。新学期の始まりには、先生や研究室のメンバーと一緒にその公園へお花見に行くのが恒例になっており、こうした何気ない交流の時間があることも、研究室生活の魅力のひとつだと感じています。
研究室でのお花見の様子
研究室でのお花見の様子

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