小澤 歩さん (2022年度博士課程修了)

①幼い頃から趣味として楽しんできた音楽、②高校時代に芽生えた生命科学への興味、そして③学部生時代に実感した数理科学や数理モデリングの面白さ。これら3つ全てとつながる「結合振動子系の数理的な研究」をするために複雑理工学専攻の博士課程に進学しました。もう少し平たく言えば、私の研究は周期的に時間変化するシステムが複数集まったときに何が起こるかを数式を用いて解析するものです。例えば、私たちの体内時計は約24時間周期で状態が変化するたくさんの神経細胞が互いにリズムを揃えることで生み出していると考えられています。一方、振動するもの同士を相互作用させると、互いの振動を止めてしまうこともあります。あるクラスの振動子を考えたとき、どのような条件で集団的な振動が生じ、どのような条件で振動が消えるのか、それを数理的に解析しました。詳しくはプレスリリースYouTubeをご覧ください。他にも、バイオリンの倍音に関する研究に携わる機会にも恵まれました(関連動画)。

複雑理工学専攻は直属の学部が無いため様々な学問的背景・キャリアパスの人が集まっており、留学生も比較的多めです。そのせいか、オープンで進取の気性に富んでいると感じます。

結合振動子の理論をさらに広く応用することを目指し、現在は海洋研究開発機構(JAMSTEC)で水辺に住む生物に見られる周期的な運動や、海洋の同期現象を研究しています(researchmap)。
小澤さんの写真
在学中、国際学会で発表するための英国出張での一コマ

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