2015年度 第3回学融合セミナー 2015/6/24

講 義 16:50~18:35
場 所 新領域基盤棟大講義室(2C0)

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古くて新しい地盤沈下の問題

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愛知 正温 講師


 地盤沈下問題は、高度経済成長期には4大公害として大きな社会問題となった。 現在は、きわめて厳格な揚水規制の下、特に都市域では沈静化しており、過去の問題として受け止められることも多い。一方で、結果として発生した急激な地下水位の上昇によって地下インフラが被害を受けるという事態も散見されるようになっている。国外に目を移すと、アジアの大都市圏を中心に、かつての日本と同様に過剰な地下水利用による地盤沈下公害が現在進行中であり、今後日本と同様の経過をたどることが想定される。課題先進国としての日本の経験をそれらの地域でいかに応用し、問題の解決を目指していくことができるか。モデリング技術やモニタリング技術などの最近の研究動向も含めて展望を議論してみたい。

水の局所構造をめぐる最近の話題

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原田 慈久 准教授


 この10年間に、水の局所構造をめぐって論争が起こっている。その発端となったのは、2004年にScience誌に掲載された軟X線吸収分光による水の電子状態の観測だった。水は均質か不均質か--この根源的な問いに、X線分光は電子状態の知見により従来と全く異なる答えを出した。本講演では、舞台となった放射光の世界と、この論争の根底にある液体の構造の捉え方、そして軟X線発光分光を用いた我々の最近の取り組みについて紹介し、水研究の将来を展望する。

人類は何を食べてきただろうか

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米田 穣 教授


 私たちヒトは、直立二足歩行をする霊長類という点で、大変ユニークな動物ですが、それ以外にも多くの生物学的な特徴をもっています。しばしば、ヒトが他の動物と違うことは当たり前と思ってしまいますが、その背景には700万年間にわたる人類の進化の歴史が存在します。私たちはどのような特徴を持った生物で、その特徴は何時、どのように獲得されたのでしょうか?生物としてのヒトを研究する自然人類学(あるいは生物人類学や形質人類学)では、人類の起源、人類の進化・適応や拡散などについて研究しています。私は、ヒトの生態学的な特徴、とくに食性の進化に興味をもって、同位体という指標を使った研究を行っています。ヒトは動物も植物も食べる雑食性の食生活を持っていますが、その内容は適応した環境や利用できる資源、あるいは集団の文化・伝統によって大きく異なります。単一種であるにもかかわらず、多様な環境に適応し、柔軟性に富んだ食性をもつヒトは、生態学的にもユニークな特徴をもっていると言えるでしょう。この特徴は何時、どのように獲得されたと思いますか?二足歩行を始めた猿人なのか、道具を使い始めた原人なのか、世界の様々な環境に適応した旧人なのか、あるいは私たちの直接の祖先である新人なのか?これまで分かっている化石や考古学の証拠、そして同位体生態学という視点から、人類の食の歴史を考えます。
poster ポスター(PDF 1p 225kb)
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