2010年度 第5回学融合セミナー 2010/10/20

講 義 16:30~18:00
場 所 新領域基盤棟大講義室(2C0)

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科学とデザイン:材料と人工物のデザイン、そして環境のデザイン、そして…

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岩田修一教授


デザインと科学の関係を、物質・材料、人工物一般、環境を横観しながら、それぞれのデザイン科学の現状を分析し、「私達のデザイン」につ いて考えてみる。歴史的には科学なんて頼らなくてもモノは創られてきた。創造性なんて考えなくても真似しているうちに面白いモノができた。 倫理、道徳、使命などと大げさに騒がなくても、大雑把には問題はなかった。見えざる手が全体をほどよく調整してくれたのである。こうした 幸運が何時まで続くのだろうか?

マルチスライスCTデータを用いたマウス体脂肪の分類と定量

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中谷明弘 准教授


我々ヒトを始めとする生物に関わ る多くの形質は「量」 として観測される。身長や体重の他、いわゆるメタボリックシンドロームに関係する血圧や血糖値、体脂肪量など、あるいは、精神疾患に関連 する症状など、健 康や医療に関わる形質もその例に含まれる。また、作物や家畜の生長や収量、抗病性の強弱などは、食糧やエネルギー問題にも深く関わる量で ある。このような 大小関係の定義された連続的な量の分布として観測される形質は量的形質(QT: quantitative trait)と呼ばれ、「花の色が赤か白か」といった大小関係の定義されない離散的な質的形質と区別して扱われる。複合遺伝性形質(complex trait)や多因子遺伝性形質(polygenic trait)といった概念が強調するように、量的形質の背後では複数の遺伝的要因が関係し合っていると考えられている。しかしながら、その一方で、そのよ うな複雑な遺伝的背景の有無に関わりなく、昨今の観測デバイスの進化によって、データ自体が字義通り意味的にもデータ量的にも “complex”になって いる形質も多数存在している。X線CT(Computed Tomography:コンピューター断層撮影)データとして観測されるマウス体内での臓器の立体構造や空間的配置に関係する形質もその例であるといえ る。これらの形質は、多数のピクセルやボクセルの色値やX線吸収度の情報として与えられるが、個々のピクセルやボクセルがもつ属性値単独 では表現型として の意味は恐らく殆ど持ち得ない。従って、そのような局所的な観測値の集合から、解剖学的な知見を加味しつつ、より大域的な形質情報を抽出 して量的形質とし て数値化する処理が、引き続く形質と遺伝的要因の因果関係の解明に向けた重要な第一歩となる。マウス個体群で撮像した全身のマルチスライ スX線CTデータ から、各個体の2種類の脂肪組織(皮下脂肪と内臓脂肪)および筋肉組織の体内での分布をハイスループットに量的形質として定量する手法を 紹介する。

トンネル顕微鏡が拓くナノワールド~触媒反応から分子スピンまで~

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高木紀明准教授


走査トンネル顕微鏡(STM)は、探針と試料表面との間に流れるトンネル電流を計り、固体表面の構造を可視化する技術として1982年に産声を上 げた。ト ンネル電流は構造情報だけでなく、電子状態、振動、スピンの情報など多様な物性情報を含んでおり、表面構造を単に「見る」だけでなく、表面の多様 な性質を 計り/操作する物性計測ツールとして最先端科学では欠かすことができない。セミナーでは、モデル触媒反応の「その場」観察、単一分子の振動計測、 単一分子 スピンの検出など、トンネル顕微鏡が拓くナノワールドについて最近の成果を紹介する。
 poster ポスター(PDF 1p 228kb)
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