メッセージ
とにかく実験は楽しい。世界で初めての現象を見つけていい実験ができたと思えた時の喜びを分かち合いたい。良い環境が整った研究室で実験の楽しさを存分に感じて欲しい。
手先の器用さを生かせる仕事がしたいと思い理系を選びました。そして、物質の本質を突き詰めることに惹かれて研究者の道に。きれいな結晶を作って、正確で精密な測定をして、きれいなデータを出す。この3つのステップが私の研究の原点になっています。きれいな結晶を見つけ出すためには、何千個という結晶の中から、2時間、3時間と顕微鏡を覗いて選び出す根気が必要です。でも、集中しているとあっという間です。そして、よい結晶が見つかったとホッとする瞬間が私は好きです。 思えば、小学生の頃、天体観測で満天の星空を見たり、高校時代には、金属の種が小さな森を作るように成長する様や、物質の色が一瞬で変わる実験を見て、サイエンスが作り出す美しさに惹かれたのかもしれません。
物質系専攻を志す学生へ
研究は羅針盤のない航海のようなもので、教科書にないことを自分で切り開いていく力が必要です。そこでは「飽くなき探究心と好奇心」「常識に囚われない柔軟な発想」「人の言うことを鵜呑みにしない」などが重要です。日本のお家芸ともいえる物質科学、材料工学の分野で常識を打ち破るような発見をして、魂が震える瞬間を感じていただけたらと思います。