教員紹介

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芳村 圭

(よしむら けい/教授/環境学研究系)

自然環境学専攻/地球環境モデリング学/同位体気象学、水循環学

略歴

2000年3月東京大学工学部社会基盤工学科卒業
2002年9月東京大学大学院工学系研究科社会基盤工学専攻修士課程修了
2002年10月(独)科学技術振興機構技術員
2004年5月東京大学生産技術研究所助手
2006年6月~2008年5月米国カリフォルニア大学サンディエゴ スクリプス海洋学研究所客員研究員
2008年8月米国カリフォルニア大学サンディエゴ スクリプス海洋学研究所プロジェクト研究員
2010年3月東京大学生産技術研究所准教授
2010年4月東京大学大気海洋研究所准教授
2017年4月東京大学生産技術研究所准教授
2019年6月東京大学生産技術研究所教授(現職)

教育活動

大学院工学系研究科:水文学特論
工学部社会基盤学科:地球水循環と社会
新領域自然環境学専攻:地球環境モデリング論

研究活動

水の安定同位体比を用いた地球水循環過程解明(2001~)
水の中の水素安定同位体比(D/H)或いは酸素安定同位体比(18O/16O または 17O/16O)は、地球上において時間的・空間的な大きな偏りを持って分布しているため、私たちはそれらを観察することによって水を区別することが可能となります。また水の安定同位体比は水が相変化する際に特徴的に変化するため、相変化を伴って輸送される地球表面及び大気中での水の循環を逆推定する有力な材料となります(図)。
私の研究室では、この水同位体の特徴を大循環モデルに組み込むことによって、複雑な地球水循環過程における水の動きを詳細に追跡しています(1,4,5)。同時に、東京大学生産技術研究所とも連携し、そちらに設置された質量分析計を用いて地球上様々な場所での雨や地表水、水蒸気等を採取し、観測しています(6,7)。また、人工衛星や地上に設置した分光分析計を用いて、水蒸気の安定同位体比の空間分布と時間変化を観測しています(2,3)。





水同位体と地球水循環過程

文献

1) Yoshimura, K., M. Kanamitsu, and M. Dettinger, Regional downscaling for stable water isotopes: A case study of an Atmospheric River event, J. Geophys. Res., 115, doi:10.1029/2010JD014032, 2010.
2) Schneider, M., K. Yoshimura, F. Hase, and T. Blumenstock, The ground-based FTIR network's potential for investigating the atmospheric water cycle, Atmos. Chem. Phys., 10, 3427-3442, 2010.
3) Frankenberg, C., K. Yoshimura, T. Warneke, I. Aben, A. Butz, N. Deutscher, D. Griffith, F. Hase, J. Notholt, M. Schneider, H. Schrijver, T. Rockman: Dynamic processes governing lower-tropospheric HDO/H2O ratios as observed from space and ground, Science, 325, 1374-1377, 2009.
4) Yoshimura, K. and M. Kanamitsu, Specification of external forcing for regional model integrations, Mon. Wea. Rev., 137, 1409-1421, 2009.
5) Yoshimura, K., M. Kanamitsu, D. Noone, and T. Oki, Historical isotope simulation using Reanalysis atmospheric data, J. Geophys. Res, 113, D19108, doi:1029.10/2008JD010074, 2008.
6) Fudeyasu, H., K. Ichiyanagi, A. Sugimoto, K. Yoshimura, A. Ueta, M.D. Yamanaka, K. Ozawa, Isotope ratios of precipitation and water vapor observed in Typhoon Shanshan, J. Geophys. Res., 113, D12113, doi:10.1029/2007JD009313, 2008.
7) Yoshimura, K., T. Oki, N. Ohte, and S. Kanae, A quantitative analysis of short-term 18O variability with a Rayleigh-type isotope circulation model. J. Geophys. Res., 108(D20), 4647, doi:10.1029/2003JD003477, 2003.

その他

日本気象学会、水文水資源学会、アメリカ地球物理学連合

将来計画

地球水循環は、気候変動によって大きな影響を受け、人類にとって最も大きな影響を及ぼします。本研究室は、地球上の水循環を幅広く捉え、様々な角度からのアプローチでそのメカニズムを解明し、社会への貢献を目指しています。特に「水の安定同位体比」という指標を用いて、地球水循環と気候との関係性を明らかにする研究に注力し、さまざまな数値モデルや衛星データを用いた研究を行っていこうと考えています。

ホームページのURL

https://isotope.iis.u-tokyo.ac.jp/