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篠田 裕之

(しのだ ひろゆき/教授/基盤科学研究系)

複雑理工学専攻/生体複雑学分野講座/触覚インタフェース、2次元通信、計測、センシング

略歴

1988年3月東京大学工学部物理工学科卒
1990年3月東京大学大学院計数工学修士課程修了
1990年4月東京大学工学部助手
1995年3月博士(工学)東京大学
1995年4月東京農工大学講師
1997年4月東京農工大学助教授
1999年9月~2000年8月米国UCバークレー客員研究員
2000年9月東京大学工学系研究科助教授
2001年4月東京大学情報理工学系研究科助教授
2012年10月東京大学情報理工学系研究科教授
2013年4月より現職

教育活動

大学院:物理情報デバイス論(情報理工学系研究科システム情報学専攻)
工学部計数工学科:パターン計測論、認識行動システムの基礎

研究活動

触覚インタフェース:全身に分布する人間の触覚に注目し,触覚を活用する新しい情報システムの研究を行っている。触覚受容器の物理的な知覚特性をはじめ、人間の行動と触覚との関係、さらには知性・知能の根底を支える心や感情と触覚がどのように関係しているかを解明し、触覚への刺激によって人間の生活・行動を支援するシステムを具体化する(文献1)。



さわれるホログラフィ。空中超音波によって立体映像に触感を付与する。



2次元通信:薄いシート内を伝播する電磁波によって情報と電力を伝送するシステムの研究。生活環境での安全なワイヤレス電力伝送、無線と干渉しない高速信号伝送などの技術を確立し、ワイヤレス・バッテリーレスの新しい情報環境を提案する。また、微小なセンサや機能部品を大面積の柔軟体に分布・連携動作させる技術を確立し、ロボットの人工皮膚やウエアラブルコンピューティングなどに応用する(文献2)。



マイクロ波帯の2次元通信。机全体を覆うシート上に置かれたLEDやスピーカーはシートからの受け取るマイクロ波電力で動作し、情報もシートを伝送する。



その他:計測、センシング、テラヘルツ波応用システム

文献


1)Takayuki Hoshi, Masafumi Takahashi, Takayuki Iwamoto, and Hiroyuki Shinoda: Noncontact Tactile Display Based on Radiation Pressure of Airborne Ultrasound, IEEE Trans. on Haptics, Vol. 3, No. 3, pp.155-165, 2010.
2)Akihito Noda and Hiroyuki Shinoda: Selective Wireless Power Transmission through High-Q Flat Waveguide-Ring Resonator on 2D Waveguide Sheet, IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques, Vol. 59, No. 8, pp.2158-2167, August 2011.

その他

計測自動制御学会、電気学会、日本機械学会、日本ロボット学会、日本VR学会、IEEE の会員
計測自動制御学会 理事(2008~2009)、IEEE World Haptics Conference Editor (2013~2015)等。

将来計画

触覚を含む感覚フィードバックによって人間の行動・生活を支援する技術を開発する。技術の応用領域は段階を踏んで広がっていくと思われるが、最終的には超高齢社会の諸問題の解決や人々の健康・生きがい支援など、社会における重要課題の解決につなげたい。

教員からのメッセージ


自分が得意でない分野や興味がなかった分野の重要性を理解し、敬意を払うというのは、言葉以上に難しいことです。しかし実現力のある人が、自分の知らないバックグラウンドをもつ人に興味をもったとき、とても簡単に新しいものが生まれます。