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中川 万理子 なかがわ まりこ/講師/環境学研究系
社会文化環境学専攻/空間環境情報学協力講座/空間経済学・都市経済学・地域経済学
https://sites.google.com/site/marikonakagawaec/
略歴
2011年3月東京大学経済学部経済学科卒業
2013年3月東京大学大学院経済学研究科修士課程修了(経済学修士)
2016年3月東京大学大学院経済学研究科博士課程修了(経済学博士)
2016年4月より現職
教育活動
大学院:都市・地域経済分析
公共政策大学院:都市地域政策
青山学院大学経済学部:地域経済学
研究活動
研究活動エスニシティに基づくセグリゲーションとスキルの空間的偏在:
都市内のセグリゲーション(居住地の空間的住み分け)に関連した分析では、エスニシティの違いや所得水準の違い、各エスニック・グループの人口規模の違いが、居住パターンを決定する上で重要なファクターになっていると考えられている。加えて、同一のエスニシティ集団ごとに集住することによるメリットがあることも、セグリゲーションの決定要因の一つとなる。例えば、同じエスニシティで集住している地区には、そのエスニシティにとってのみ嗜好される公共財が供給されやすくなり、彼らにとってより魅力的な居住地区になるかもしれない。これらの要因が、セグリゲーションのパターンの出現の仕方にどのような影響を与えるかを、理論的に考察した。

国際移住に伴うスキル移転に纏わる言語的摩擦と空間経済モデル:
使用言語の相違は、移民が言語的障壁によって自身の有するスキルを十全に発揮できないという問題を生じさせる。自分の母語とは異なる言語圏に移住する際に、母国で蓄積した人的資本を移住先の労働市場でスムーズに活用できるかどうかという問題を考察することは、国際的な人口移動が活発な現代において不可欠である。共通の言語によるコミュニケーションの円滑さは、国際移民のスキル移転に纏わる摩擦を軽減するから、世界的な共通語(例えば英語)を介したコミュニケーションが可能か否かは、国際移住問題を分析する上では非常に重要である。そこで、高スキル国際移民に対して言語的摩擦がどのような影響を与えるのかについて、空間経済学モデルを構築し理論的に考察した。
[文献]
1) Nakagawa, M. (2015) “Segregation Patterns in Cities: Ethnic Clustering without Skill Differences,” Annals of Regional Science, 55, 453-483.
2) Nakagawa, M. (2015) “Which Has Stronger Impacts on Regional Segregation: Industrial Agglomeration or Ethnolinguistic Clustering?” Spatial Economic Analysis, 10, 428-450.
その他
日本経済学会、応用地域学会
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将来計画
様々なエスニシティ・言語グループが共存するような社会において、それらの多様性・異質性が経済的側面に与える影響を考察することは、国際的な文脈のみならず、国内・地域・都市レベルの文脈でも重要である。言語やエスニシティが多様であるほど互いに異なるスキルを有するから、複数の言語グループが協働しながら各々のスキルを相互補完的に活用することで生産性が高まる。そのため、経済発展に対して正の影響があると考えられており、現に、先進国の都市や地域を対象にした実証分析では、この主張に合致した結果が示されている。他方、途上国を対象にした場合、異言語間コミュニケーションに伴う非効率性によって生産性が逓減すること、及びグループ間の政治的な対立が深刻化しやすいことなどから、言語やエスニシティが異質であるほど、経済発展に遅れが見られる。そこで、いくつかの地理的なスケールにおいて、言語の多様性・異質性が生産性向上に寄与するのか(或いはしないのか)、またそれらが政治・教育等の社会的なチャネルを通じてどのように経済発展に影響を与えるのかに関して、実証・理論の両側面から明らかにすることを試みる。
教員からのメッセージ
新領域創成科には様々な専門・バックグラウンドを持った研究者や学生が集まっているので、工学系のみならず他分野の知見も取り入れて相乗効果を高めていってください。
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