東京大学大学院新領域創成科学研究科PROSPECTUS
緒言
研究科紹介
研究科長挨拶
研究科がめざすもの
教員紹介
授業科目表
基盤科学研究系
物質系専攻
先端エネルギー工学専攻
複雑理工学専攻
生命科学研究系
先端生命科学専攻
メディカル情報生命専攻
環境学研究系
自然環境学専攻
海洋技術環境学専攻
環境システム学専攻
人間環境学専攻
社会文化環境学専攻
国際協力学専攻
サステイナビリティ学グローバルリーダー養成大学院プログラム
研究科附属施設
生涯スポーツ健康科学研究センター
オーミクス情報センター
バイオイメージングセンター
ファンクショナルプロテオミクスセンター
革新複合材学術研究センター
研究科長からのご挨拶  

味埜 俊 新領域創成科学研究科は、東京大学の全学的な議論とサポートのもと、学際性をさらに推し進めた「学融合」という概念で新しい学問領域を創出することを基本理念とする研究科として1998年に設置され、東京大学柏キャンパスに展開しています。ナノ、物質・材料、エネルギー、情報、複雑系、生命、医療、環境、国際、サステイナビリティなど、これまでの深掘り型の学問体系のみでは充分に対応しきれなかった学融合的課題を設定し、異なる専門分野の意欲的な教員が集結し、学生と共に相互に知的な刺激を受けつつ、これらの課題に対応できる新たな手法や学問体系の構築に取り組んでいます。
 本研究科は、200余名の教員および1300余名の大学院学生を擁し、東京大学の中では4番目に大きな研究科です(平成26年度現在)。現在、基盤科学研究系、生命科学研究系、環境学研究系に属する11専攻、全系にまたがる教育プログラム(後述するGPSS-GLI)、特徴のある5つの研究センターとから構成されています。先進的な都市機能を導入した実験的未来指向都市である柏の葉地区にあって、郊外の空気感が作り出す開放的な環境をもつ柏キャンパスの中で飛躍を図っています。
 本研究科では、専門分野ごとの高い専門性と幅広い学問視野を併せ持つ研究教育体制に特徴があると考えています。数々の社会的環境変化に対応できる、基礎力(知力・体力)を持ち、幅広い教養と深い専門性を併せ持つ、いわゆるT型人材を輩出する場を提供することが教育上のミッションです。各専攻においては、これまで以上に深い専門的知識と研究力を養っていきますが、研究科として共通的な教育体制を構築して、現代の様々な環境変化にも柔軟に対応できる幅広い教養も持つ国際人を育てていきます。
 平成24年度より、文科省リーディング大学院としての「サステイナビリティ学グローバルリーダー養成大学院プログラム」(GPSS-GLI)を設置しました。サステイナブルな社会の構築を牽引するリーダー養成のための英語のみによる修士・博士学位プログラムであり、学際的なフィールド演習重視の教育に成果を挙げつつあります。この教育プログラムは、環境学研究系を中心にしつつも、基盤科学研究系、生命科学研究系も基礎となる学問領域を強固にサポートしており、本研究科ならではの特徴のある教育プログラムとなっています。
 また、平成27年度には、独立専攻であった情報生命科学専攻と生命科学研究系のメディカルゲノム専攻が合併して、情報科学と医科学にとどまらず農学・薬学・環境学・生命工学等の応用分野の要素をも広く包含する国内でも類を見ないユニークな新専攻「メディカル情報生命専攻」が新しく誕生しました。この新専攻は、生命科学の情報化を先導し、ライフイノベーションに大きく貢献しつつ、その成果を臨床の現場にトランスレーションして行くことのできる人材を教育することを目標としています。
 柏キャンパスは極めて研究志向の強いキャンパスであり、プラズマ物理・核融合・エネルギーなどにかかわる高度な実験施設・世界的なメダカのコレクションや電気自動車の試験フィールドなど、ゆとりあるスペースを活かしたユニークな研究環境を有しています。そのような研究環境は大学院生(修士・博士)の研究を通じた教育に活かされています。また、柏キャンパスには東京大学が世界に誇る研究所群が多数設置されています。それらの研究所群、すなわち、物性研究所、大気海洋研究所、宇宙線研究所、カブリ数物連携宇宙研究機構、空間情報科学研究センター、人工物工学研究センター、環境安全研究センター柏支所、あるいは白金台にある医科学研究所などと連携した先端的研究・教育にも力を入れています。
 さらに、産学連携や地域との連携においても、新しい取り組みを展開しています。2014 年に柏の葉キャンパス駅前に竣工した東京大学フューチャーセンターや柏の葉アーバンデザインセンターを拠点として、柏スマートシティの社会実験への参加や、ベンチャー企業への支援が行われています。そしてそれらの社会連携活動にリンクした新しい演習型教育の試みが進められています。
 大学の国際化は喫緊の課題です。本研究科では国際交流室を独自に運営し、研究科の国際的なプロモーション、留学生に対する直接的な渡航支援・生活支援だけでなく、日本語教育の推進・英語による事務支援などを行っています。加えて、現在、留学生と日本人、学生と研究者がつどいともに学び合う、学住一体型の国際カレッジを柏第2キャンパスに作るという構想も検討されており、東京大学の国際化のフロントランナーとしての役割を担っています。平成26年度に東京大学は文部科学省による「スーパーグローバル大学事業」に採択され、本研究科ではその名の下にマサチューセッツ工科大学との戦略的パートナーシップ構築を開始したほか、ソウル国立大、シンガポール国立大、インペリアルカレッジ・ロンドン、スイス連邦工科大、ウィーン工科大、リヨン大、ケープタウン大、ナイロビ大、同済大、浙江大、など多くの大学と学生交流や研究・教育上で連携を進めています。
 本研究科が発足してから15年以上が過ぎました。特徴ある学問の新領域を開拓していくとともに、国際的に活躍できる幅広い教養と深い専門性を併せ持つ人材を育てていくことがますます求められています。今、東京大学が卓越した研究を展開し教育改革を推進してゆくに当たって、柏キャンパスは先進的な試みを実験的にやってみるための実験キャンパスとしての意義をよりいっそう深めつつあります。その中で新領域創成科学研究科は、唯一の教育組織(大学院)として「知の冒険」「学融合への挑戦」「未来志向の国際化と社会連携」を推し進めています。本研究科の教職員・学生の方々には、その一員であることに誇りと自覚を持ちつつ研究科の理念の実現に向けてさらに努力を続けることをお願いします。本研究科への受験をお考えの学生の皆さんは、研究科の高邁な理想の実現に参加するという強い意欲を持って受験してください。本研究科と様々な形で連携してくださっている学内、国内、そして全世界のパートナーの方々とは、単に受け入れ合うだけの関係ではなく、互いに切磋琢磨しつつ技術革新と社会的なリフォームの両面からサステイナブルな世界の構築に真に貢献できる緊張感を持った関係を築いていきたいです。
 大学院新領域創成科学研究科はその名のとおり常にフロンティアを求めて挑戦し続けています。


味埜 俊
東京大学大学院新領域創成科学研究科長

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