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道田 豊 みちだ ゆたか/教授/環境学研究系
自然環境学専攻/海洋環境動態学分野/海洋物理学
http://cicplan.ori.u-tokyo.ac.jp/michida/

略歴
1981年3月  東京大学理学部地球物理学科卒業
1983年3月  東京大学大学院理学系研究科地球物理学専攻修士課程修了
1984年3月  東京大学大学院理学系研究科地球物理学専攻博士課程中退
1984年4月  海上保安庁水路部海洋調査課
1986年7月〜1987年4月 第28次南極地域観測隊員
1989年4月〜1991年4月 科学技術庁研究開発局海洋開発課専門職
1994年6月  海上保安庁水路部海洋研究室主任研究官
1997年4月  同部海洋情報課補佐官
1999年4月  同部企画課補佐官
1999年6月  博士(理学)(東京大学)
2000年4月  東京大学海洋研究所助教授
2007年11月 東京大学海洋研究所教授(現職)
教育活動
大学院:海洋流体力学概論,海洋物理環境論
研究活動
海面付近の流れの構造とその変動に関する課題を中心に,主として漂流ブイや船舶搭載音波ドップラー流速計(ADCP)を用いた観測及び観測データ解析を手法とした研究を行っている。このほか,かつては舶用波浪計の計測処理技術に関する研究を行い(文献1など),その成果に対し,水路技術奨励賞を受賞した(1990年)。また,南極の水位の長期変動(文献2),海洋データ管理(文献3)という課題にも取り組んでいる。
 漂流ブイは,必ずしも狙った場所の流れをピンポイントで観測できるとは限らないが,漂流ブイの軌跡は海流の可視化という観点から説得力のあるデータを提供する。漂流ブイデータの解析により,インドネシア通過流の季節反転の記述(文献4),亜熱帯反流の記述(文献5)などの成果を得た。最近は,GPSを搭載した漂流ブイを用いて海洋表層における粒子分散の実態を解明することを目的とした研究も行っている(文献6,7)。
 船舶搭載型ADCPは,比較的容易に,航跡に沿って表層の複数層の流速データを空間的に密に計測することができる。この特徴を生かした研究を進めている。計測技術に関する研究成果(文献8)に対して海洋理工学会論文賞を受賞した(2002年)。表層混合層の詳細な流速構造に関する研究や,黒潮の流路変動と流速構造の関係という観点から,日本南岸を流れる黒潮の流速分布に関する研究(文献9)などを進めている。
 これらの研究は,いずれも海洋物理学の重要なテーマであると同時に,海洋の物理環境を理解するうえでも極めて重要な研究課題である。
[文献]
1)道田豊ほか:国立防災科学技術センター研究報告,39,171-182,1987.
2)Michida, Y. et al.:Polar Meteorol. Glaciol.,19-29,2004.
3)道田豊:月刊海洋,33,293-298,2001.
4)Michida, Y. and H. Yoritaka: J. Geophys. Res.,101,12475-12482,1996.
5)Michida, Y.: Rep. Hydrogr. Res.,33,21-30,1997.
6)Aoyagi, H. et al. :MTS/IEEE Techno-Ocean'04,1,139-145,2004.
7)Michida, Y. et al. :Coastal Mar. Sci., 30(1),27-35,2006.
8)Michida, Y. and H. Ishii: J. AMSTEC,6,29-44,2000.
9)Michida, Y.: Rep. Hydrogr. Res.,31,45-56,1995.
その他
所属学会:日本海洋学会(評議員95-,幹事95-98,01-04,07-),海洋調査技術学会(企画委員00-),海洋理工学会(評議員・理事97-),海洋気象学会,地理情報システム学会,American Geophysical Union,漂着物学会(編集委員02-)
各種委員会:日本ユネスコ国内委員会自然科学小委員会政府間海洋学委員会(IOC)分科会調査委員(01-),国立極地研究所気水圏専門委員会委員(01-05),高度海洋観測システム(Argo計画)の構築推進委員会委員(00-),気候研究のための海洋観測パネル(OOPC)委員(02-06),IOC海洋データ交換ポリシー政府間作業部会委員(00-03)ほか
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将来計画
引き続き,海洋表層の詳細な流速構造とその変動機構の理解を目指し,観測事実の積み重ねを重視する研究手法を採る。海洋物理学的なアプローチを基礎としつつ,海洋環境という視点から海の流速変動を理解していくことを考える。海洋物理学の基礎を身につけることを前提に,その上で,海洋学と社会のつながりなどに関しても幅広い視野を持った人材の育成を目指す。
教員からのメッセージ
環境学に必要なのは総合力です.でも,自分自身の得意とする専門分野を持った上での総合力が肝要であると考えます.
 海洋環境の問題に関心があり,海洋環境を決定する最も基本的な要素の一つである流れの変動を知ることが大切だと思う人,海洋物理の知識をベースにフィールド調査を主体とした海洋環境に関する研究をしてみたい人,海というフィールドに興味があり,海の自然環境を規定する海水の動きを知りたい人,海の研究において「海洋情報」がキーワードの一つだと思える人,好奇心旺盛な人が仲間に加わってくれるよう,待っています。
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