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堀 洋一 ほり よういち/教授/基盤科学研究系
先端エネルギー工学専攻/電気制御システム学/電気自動車の制御,ワイヤレス電力伝送システム,スーパーキャパシタ応用,人間親和型モーションコントロール
http://hflab.k.u-tokyo.ac.jp/index_ja.html

略歴
1978年3月 東京大学工学部電気工学科卒業
1983年3月 東京大学大学院工学系研究科博士課程修了(電子工学)
1983年4月 東京大学工学部電気工学科助手
1984年4月 東京大学工学部電気工学科講師
1988年4月 東京大学工学部電気工学科助教授
1991年3月から1年間,米国カリフォルニア大学バークレー校客員研究員
1995年4月 東京大学工学部総合試験所助教授
2000年2月 東京大学工学部電気工学科教授
2002年10月 東京大学生産技術研究所第3部教授
2008年4月より現職
教育活動
大学院:制御システム論(英語による講義),先端モーションコントロール
工学部電気工学科:制御工学第一,制御工学第二,モーションコントロール
その他,主として教養学部におけるオムニバス形式の講義を多数担当
研究活動
電気自動車の制御:
 電気モータの高速トルク応答を生かし, 電気自動車(EV)で初めて可能になる新しい制御の実現を目指している。2011年度は滑りやすい路面で安定に走行する制御,GPSやカメラ映像に基づく車両状態推定,サスペンション構造を生かしてピッチ・ロールを抑える制御の研究開発を進めており,論文のみならず各種報道でも注目されている。4輪にインホイールモータや横力センサ,アクティブ4輪操舵システムを搭載したEV「FPEV2-Kanon」,GPSやカメラ画像に基づく車両姿勢制御可能な小型EV「C-COMS1」を中心に実験を行っており,異なる駆動方式を同一の車体で比較可能なEV「FPEV4-Sawyer」の開発も進めている。2012年度からは,電気自動車で行ってきた車両姿勢安定化制御,航続距離延長制御法を電気飛行機に適用する新たな取り組みも開始している。

電気自動車の制御
電気自動車の制御


ワイヤレス電力伝送システム:
 磁界共振結合方式による長距離で高効率なワイヤレス電力伝送を目指している。ワイヤレス電力伝送は,現在の電気自動車のデメリットであるバッテリ容量の小ささを補完できる。すなわち,ワイヤレス電力伝送により走行中や短い停車時間に外部から電気エネルギーを受け取ることで電気自動車への高頻度充電が実現すれば,従来の給電プラグを接続する方法よりも給電が便利になる。そのため電気自動車は小さなバッテリ容量であっても常に十分な性能を発揮できる。さらに,磁界共振結合方式は,伝送距離が従来の電磁誘導方式の10cm程度に対して50cm〜1mと長くでき,効率も電磁誘導よりも高い90%を達成可能であり,伝送アンテナの位置ずれにも強いという特長がある。そこで,この磁界共振結合方式を研究対象として,現在,(1)等価回路を用いた磁界共振現象の説明,(2)新しいアンテナ設計の提案,(3)スイッチング素子を用いた高効率電力伝送システム,(4)インピーダンスマッチング理論にもとづく電力伝送効率の改善,(5)電気自動車への給電システム,などの研究を行っている。

ワイヤレス電力伝送システム
ワイヤレス電力伝送システム


スーパーキャパシタ応用:
 スーパーキャパシタ(SC)は,高電力密度,急速充電が可能,多数の充電回数に耐え,安全かつ環境にやさしいなどの多くの利点がある。 本研究室では,スーパーキャパシタだけで動く電気自動車を製作し、30秒だけの充電で20分の走行を実現した。さらにワイヤレス給電技術を組み合わせることで、SCへちょこちょこ充電しながら走る新しい技術の実現を目指している。現在は更なる高性能化のため、SCとバッテリを組み合わせたハイブリッドエネルギー貯蔵システム(HESS)を研究している。HESSは高エネルギー密度かつ高出力密度を実現できる。またHESSのための,より小型で高効率な新しいDC-DCコンバータも研究している。また、HESSを搭載したダイレクトドライブモータのEVを用いた実車での検証,更には車両情報などを用いた制御技術も研究している。

人間親和型モーションコントロール:
 福祉分野を想定した独特の制御手法の開発を目論むもので, 人間親和型モーションコントロールという学術領域を作りたいと考えている。様々な動作で福祉現場などにおける人間の生活に役立つロボットや, 人間移動支援用のパーソナルモビリティに適した制御手法を提案する。モータの高速制御性を利用して機器の機械特性を自由に設計することができる。また, 人間や生物の筋骨格系の特徴に基づいた機器設計を行い, 効率的でシンプルに動くバイオメカニクスに基づいた新しいロボティクスを提案している。現在, (1) 生物の二関節筋構造を利用した新しい原理のロボットアーム, (2) 直進や回転が自由に行える電動パワーアシスト車椅子, (3) 福祉装具・介護ロボットのためのパワーアシスト技術, (4) 二関節筋構造を利用した人の走行や跳躍の実現とロボットへの応用, (5) ヒューマノイドロボットの精密制御, (6) 力センサレス制御を利用した安全な電車ドアや宇宙探査機の着陸脚, の研究を行っている。

人間親和型モーションコントロール
人間親和型モーションコントロール

[文献]
 研究室ホームページを参照
その他
 研究室ホームページを参照
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将来計画
 次項を参照。
教員からのメッセージ
 堀研究室は本郷の電気工学専攻に軸足をおきながら,総合試験所で5年,生産技術研究所で5年などを過ごしたあと,平成20年度から柏の先端エネルギー工学専攻に全面移転,同時に藤本博志准教授と研究室の一体運用を開始しました。堀・藤本研のどちらに配属されてもまったく同じです。動くものが好きで回路やハードの製作をやりたい人,一味違うロボット制御をやりたい人,自動車が好きでクルマ関係で働きたい人,高齢者や身障者のためになりたいと思っている人,それから宇宙関係をやりたい人も,堀・藤本研に来てください。企業,省庁,大学,学会,マスコミなど外部との共同研究や付き合いが多く,内外から見学者がたくさん来ます。イベントやデモが好きな人を歓迎します。また,調子の悪い人を助ける暖かい心をもった人を歓迎します。要領よく卒業できればいいと思っている人,基礎学力のない人,自己中心的な人は歓迎しません。宴会が多いので肝臓は強い方がいいです。日本文化は大事にしますが,英語は必須です。
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