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清家 剛 せいけ つよし/准教授/環境学研究系
社会文化環境学専攻/環境空間情報学分野/建築構造

略歴
1987年3月東京大学工学部建築学科卒業
1989年3月東京大学大学院工学系研究科建築学専攻修士課程修了
1991年4月東京大学工学部建築学科助手を経て1999年4月より現職。博士(工学)
教育活動
大学院:建造環境管理計画学,建造環境管理計画学演習,都市環境デザインスタジオ
工学部建築学科:建築総合演習,設計製図第4
社会文化環境学専攻共通科目:社会文化環境学概論

研究活動
建築生産の視点から、生産と設計の関係、建築技術の継承に関する研究、外壁を中心とした非構造部材の耐震性に関する研究などを行ってきた。環境学では、建築を長く使い続けるための改修技術、廃棄物を減らすための解体技術とリサイクル技術、環境に配慮した建築を設計するための意思決定プロセスなどを研究している。建築と外部環境との境界に位置する外壁については、その諸性能を確保するための設計あるいは生産体制について研究を行い、外壁の設計プロセス全体と個別の生産設計の密接な関係を明らかにした。(文献1)工業化技術については、技術開発力の乏しい中小規模の生産組織に対して有効性の高い技術を普及させることが重要であり、その中でプレキャストコンクリート技術を対象として、製造業者の生産体制を調査する一方で、中小規模の生産組織における保有技術の実態についても調査し、(文献2)工業化技術の適応性の向上に関する評価方法について研究した。非構造部材の耐震性については、兵庫県南部地震の後にその被害調査をまとめ、構造体との関連などの被害原因の分析を行った。(文献3)解体技術についてはいくつかの現場の調査を行った。また、今後リサイクルとして問 題となる仕上げ材の実態調査も行っている。(文献4)
[文献]
1) T. Seike and S. Matsumura(1994)"A Study on the Support System of Design and Production of PC Curtain Wall system in Japan", Proc. of Int. Conf. on Build. Envelope Systems and Technol., Singapore, pp485-490
2) 清家剛,古阪秀三,松村秀一,遠藤和義,中田義成(1992):中小規模建設業者における生産管理体制の実態に関する調査研究,日本建築学会第8回「建築生産と管理技術」シンポジウム論文集, pp235-240
3) T. Seike, I. Sakamoto, S. Matsumura and A. Natori(1997)"A Report on the Damages of Metal Curtain Walls, Doors and Windows by the 1995 Hyogo-ken Nanbu Earthquake", Proc. of Int. Conf. on Build. Envelope Systems and Technol., UK, pp129-134
4) 古賀純子、清家剛、名取発、本橋健司(2003):建築仕上げ材の再資源化に関する現状調査、日本建築学会技術報告集第17号,pp61-66
5)清家剛,秋元孝之監修(2003)「サステイナブルハウジング」,東洋経済新報社
6)松村秀一,清家剛(2005)「ファサードをつくる-PCaコンクリート技術と変遷」,プレコンシステム協会

その他
所属学会は日本建築学会。日本建築学会の建築計画委員会関連ではシステムズ・ビルディング小委員会委員(1991〜95年)、材料施行委員会関連では JASS14カーテンウォール工事小委員会幹事(1993〜96年)、JASS17ガラス工事改定小委員会委員(1999年〜)を務めている。
社会的活動では公的な基準類やマニュアルなどの委員を務めた。官庁施設の総合耐震計画基準及び同解説「建築非構造部材分科会」委員(建設大臣官房、 1996年)、建築工事監理指針「建具・カーテンウォール分科会」委員(建設大臣官房、1997〜98年)、外壁構法耐震マニュアル編集委員会委員((財)日本建築センター、1997〜98年)、建築改修工事監理指針「建具・カーテンウォール分科会」委員(建設大臣官房、1998年)など。他に建設省中高層住宅生産供給高度化プロジェクト専門委員(建設省、1991〜1994年)、環境マネジメントシステム登録判定会議委員((財)日本建築センター、1999年〜)など。

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将来計画
個としての建築を集合としてとらえるときに、個別の建築生産が適切に行われなければ、総体として環境への影響は変化しない。集団として建物を規定する視点だけでなく、建築生産の視点から環境を捉えていかないと、真の実効性は得られない。従って生産的な視点で環境全体に寄与する計画、管理手法を確立することが大切である。
環境の中で建築の位置づけを考えるときに、廃棄物として占める割合と、エネルギーを消費する割合が非常に大きい。従って、個々の建築物が少しづつ環境に配慮するだけで、その貢献度は非常に大きなものとなる。建築物が環境に配慮するためには、新しい技術を開発するだけではなく、各々の技術の特質と、それが採用されるための設計や施工における意思決定プロセスが重要となってくる。こうした建築生産の全体像と適切な意思決定プロセスを確立して示すことが、当面の目標である。
対象とする建築生産とは、設計から施工まで、また材料製造から部品生産まで、その間の移動も含めた総体として捉える。これまでは個別プロジェクトだけを対象とすることが多かったが、今後は地域環境も含めた総合的な評価基準を作りたい。
教員からのメッセージ
環境学には様々な視点が必要です。従って、自分の専門性を高める努力だけでなく、視野を広げるための努力も必要となります。研究も、これまでの学問領域の壁を越えた研究を行う必要があります。例えば、建築分野での研究テーマを都市全体に拡張して取り組むだけでも、環境学が求める有効な研究となりうると思われます。大きな目標としての学融合を目指すためには、小さくてもいいから、教官と学生がそれぞれにこうした努力を行うことが必要と思われます。これらの積み重ねにより、環境学の成果を広げていきたいと考えております。
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