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佐藤 徹 さとう とおる/教授/環境学研究系
海洋技術環境学専攻/海洋環境創成学講座/海洋環境工学
http://lemons.k.u-tokyo.ac.jp/SATO/

略歴
1984年3月東京大学工学部船舶工学科卒業
1986年3月東京大学大学院工学系研究科船舶工学修士課程修了
1986年4月〜1996年1月潟uリヂストン
1990年10月〜1993年7月英国インペリアルカレッジ化学工学科博士課程(Ph.D.)
1996年1月東京大学大学院工学系研究科環境海洋工学専攻助教授
2004年5月東京大学大学院新領域創成科学研究科教授(現職)
教育活動
大学院:環境調和システム開発論、環境流体シミュレーション、環境システム学概論
工学部システム創成学科:環境エネルギー流体力学、環境エネルギー基礎プロジェクト、環境エネルギー応用プロジェクト
研究活動
メタンハイドレート生産に関するモデル研究(2003-)
 メタンハイドレート(MH)は、エネルギーセキュリティーを考えると日本にとって重要な資源である。当研究室では、国のプロジェクト(MH21)のMH生産シミュレーターの開発に参画し、産総研との共同研究として、その重要なモジュールである分解速度モデルの構築を行った。また総分解量を予測するために必要な、堆積層中のMHの生成・分解モデルを開発中である。さらに、MH開発のベネフィットを、経済性だけではなく、エネルギーセキュリティーやリスクも含めた形で評価統合的環境影響指標の提案をしている。
CO2海洋隔離と海域地中貯留に関する環境影響評価(1997-)
 地球温暖化ガスであるCO2の海洋隔離法と海域地中貯留に関し、深海中でのCO2液滴の挙動、溶解した CO2・熱・塩分の移流拡散、CO2の生物影響を予測するために、CO2液滴スケール及び局所的な海洋スケールを取り扱うモデルを構築し、温暖化対策技術としての将来性を提言した。また海洋隔離を実施する場合としない場合の環境リスクと経済効果を、大気・陸域・海域全体を捉えて評価する統合的指標を開発している。
微細藻類培養高効率フォトバイオリアクターの開発(1999-2003, 2006-)
 大気中の二酸化炭素を光合成によって固定するため、微細藻類を高効率に大量培養する装置を発明した。非構造格子を用いた二相流CFDを用いることで、開発プロセスを効率化した。またライトフラッシング効果を表現できる独創的な離散型光合成モデルを開発し、計算機中でリアクターの性能予測をする手法を開発している。
海洋環境評価のための海洋流動モデルの開発とその応用(2000-2003)
 局所的な人類活動の海洋への影響を解析できる海洋モデルを開発した。直径3mの回転水槽に海底地形を型どった歪模型を設置した水理実験と合わせて、諫早湾に海水浄化装置を設置した場合の物理的な効果を予測した。また上記物理モデルに生態系モデルを組み込み、浄化装置の生態系影響と浄化メカニズムを解明した。
小スケール海洋乱流の数値的・実験的研究(2001-2007)
 人工物との相関の強い小スケールの海洋の乱れは、様々な渦と内部重力波によって構成される。そこで新しい海洋乱流計測法を考案して3次元流場の現場実測を行い、また3次元流体現象の数値解析モデルを開発し、現実の海洋の乱流を数値的に再現することに成功した。さらにDNSとLESにより、非等方乱流を表現するのに適した乱流モデルを指摘した。
[文献]
1) Jung, Sato: Numerical simulation of high Schmidt number flow over a droplet by using moving unstructured mesh. J. Comp. Phys. 203 (2005) 221-249.
2) Sato, Watanabe, Toyota, Ishizaka: Extended probit mortality model for zooplankton against transient change of pCO2. Mar. Pollut. Bull. 50 (2005) 975-979.
3) Sato: Numerical simulation of biological impact caused by direct injection of carbon dioxide in the ocean. J. Oceanogr. 60 (2004) 807-816.
4) Sato, Usui, Tsuchiya, Kondo: Invention of outdoor closed-type photobioreactor for microalgae. Energy Conv. Mngmnt. 47 (2005) 791-799.
6) Yoshimoto, Sato, Kondo: Dynamic discrete model of flashing light effect in photosynthesis of microalgae: J. Appl. Phycol. 17 (2005) 207 - 214.
7) Sato, Tonoki, Tsuchiya: Numerical and hydraulic simulations of effect of density current generators in semi-enclosed tidal bays. Coast. Eng. 53 (2006) 49-64.
8) Sato, K.Sato, Jeong: Numerical reconstruction of turbulent flow field in a small patch of open ocean. Comput. & Fluids 36 (2007) 540-548.
9) Sean, Sato, Yamasaki, Kiyono: CFD and experimental study on methane hydrate dissociation Part I. Dissociation under water flow. AIChE J. 53 (2007) 262-274.
10) Sean, Sato, Yamasaki, Kiyono: CFD and Experimental Study on Methane Hydrate Dissociation Part II. Dissociation by depressurization in the two-phase (Lw-V) region. AIChE J. 53 (2007) 2148-2160.
11) Nojiri, Sato, Nawata: Assessment of Effectiveness of Methane Hydrate Development Considering Risk of Crude Oil Supply. J. Jpn. Soc. Energy and Resources 29 (2008) 1-5 (in Japanese).
12) Mizumukai, Sato, Tabeta, Kitazawa: Numerical studies on ecological effects of artificial mixing of surface and bottom waters in density stratification in semi-enclosed bay and open sea. Ecol. Modelling 214 (2008) 251-270.
13) Kamishiro, Sato: Public acceptance of the oceanic carbon sequestration. Marine Policy 33 (2009) 466-471.
14) Kano, Sato, Kita, Hirabayashi, Tabeta: Model prediction on the rise of pCO2 in uniform flows by leakage of CO2 purposefully stored under the seabed. Int. J. Greenhouse Gas Control (2009) accepted.
その他
日本船舶海洋工学会、沿岸域学会、可視化情報学会、日本機械学会、日本流体力学会、国際流体力学会、日本海洋学会各会員。Deputy Editor of J. Marine Sci. Technol.、CO2固定化有効利用技術検討委員会委員、CO2海洋隔離技術委員会委員およびCO2挙動予測等分科会主査、CO2地中貯留技術研究開発実適用調査WG委員、日本船舶海洋工学会論文査読委員・海洋環境研究会幹事、文科省南極輸送問題調査会議構成員等。
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将来計画
環境と調和したシステムの在り方の探求について、具体的な研究プロジェクトを企画・参画しながら研究活動を継続し、社会に貢献していく。特にリスクマネージメント、その中でも人間活動の自然へのインパクトの指標つくりに力を注いで行きたい。そのためには、物理・化学・生物学等の広いバックグラウンドを持つ多彩な学生に集ってきてもらいたい。また国際協力も重要な柱と考えており、特にアジアにおける研究協力体制の立ち上げに尽力したいと考えている。
教員からのメッセージ
「よく学び、よく遊べ」をモットーに、何事も明るく前向きに取り組んでください。皆さんの可能性は無限大と言っていいほど大きいと思います。志を立てて、常に新しいことに挑戦してください。私自身もその気持ちをいつも持ち続けていくつもりです。
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