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菅野 純夫 すがの すみお/教授/生命科学研究系
メディカル情報生命専攻//ゲノム制御医科学分野
http://ssmgs.net/lab/

略歴
1978年3月東京医科歯科大学医学部卒業、1982年3月東京大学大学院医学系研究科修了(医学博士)、1982年4月日本学術振興会特別研究員、1983年4月東京大学医科学研究所ウイルス研究部助手、1984年2月〜1987年1月米国ロックフェラー大学ポストドク研究員、1992年8月東京大学医科学研究所癌ウイルス研究部助教授、2000年6月同研究所ヒトゲノム解析センター助教授を経て 2004年4月より現職。
教育活動
大学院:先端ゲノム医科学特論、システム細胞情報論、基礎メディカルゲノム演習 II、先端メディカルゲノム演習 II
研究活動
がんウイルス・がん遺伝子の研究(1978〜1990):
 がんウイルスSV40のがん遺伝子のT抗原に癌化に関係する2つのドメインのあることを示した。(文献1)。また、Rous肉腫ウイルスによる癌化により、発現の変化する遺伝子群のクローン化を世界で初めて行った(文献2)。

完全長cDNAを用いたトランスクリプトーム解析(1991〜現在):
 完全長cDNAを効率よくクローン化する方法を開発し(文献3,4)、それを利用して、ヒトのcDNAの大規模収集を行なった(文献5)。

[文献]
1) Sugano, S., Yamaguchi, N. Two classes of transformation-deficient, immortalization-positive simian virus 40 mutants constructed by making three-base insertions in the T antigen gene. J. Virol. 52: 884-891, 1984.
2) Sugano, S., Stoeckle, M. Y., Hanafusa, H. Transformation by Rous sarcoma virus induces a novel gene with homology to a mitogenic platelet protein. Cell 49: 321-328, 1987.
3)Maruyama, K., Sugano, S. Oligo-capping: a simple method to replace the cap structure of eukaryotic mRNAs with oligoribonucleotides. Gene 138: 171-174, 1994.
4)Suzuki, Y., Yoshitomo, K., Maruyama, K., Suyama A., Sugano, S. Construction and characterization of a full length-enriched and a 5’ -end-enriched cDNA library. Gene 200: 149-156, 1997.
5)Ota T et al. Complete sequencing and characterization of 21,243 full-length human cDNAs. Nat Genet. 36:40-45, 2004
その他
日本癌学会、日本分子生物学会、日本遺伝子治療学会(評議員)、日本人類遺伝学会、ヒトゲノム機構HUGO(評議員)、HUGO Pacific(代表)
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将来計画
本研究室では、オリゴキャップ法という特徴ある方法を開発し、それを利用して完全長cDNAを利用したヒトのトランスクリプトーム解析を進めてきた。現在は、収集した膨大なデータを利用して、遺伝子発現ネットワークのシステムバイオロジーに切り込もうとしている。また、タンパク質を対象にしたプロテオーム、低分子化合物を対象にしたメタボロームにおいても、同様に特徴ある方法論を開発し、独自の角度から解析を進めようとしている。今後は、これらの解析技術と得られた情報を、がんを中心とする疾患研究に応用し、システムバイオロジーの医学版であるシステム医科学を推進していく予定である。
教員からのメッセージ
最先端の研究というと、何やら華やかなイメージがある。スポットライトが当たり、視線が集中する。田舎というよりは都会、都会でも華やかな原宿や六本木あるいは汐留?のイメージであろうか。しかし、これは誤解である。日本が長年文化を輸入してきたために生まれた誤った感覚である。実際の最先端は、寂しいところである。都会というよりは田舎、それも、何日も人に会わぬ原野のようなところである。都会で言えば、人も通らず見向きもされない暗がりである。RNAiもピロリ菌も、そんな原野や暗がりに転がっていたのである。そして今では、その原野が都会に、暗がりが目抜き通りにと変わっているのである。研究者とって「勇気」はそれほど重要とは思えない性質だが、実は、結構大切である。たった1人、だれもいない最先端に行く勇気が、君たちにあるか?
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