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加納 信吾 かのう しんご/准教授/
メディカル情報生命専攻/バイオイノベーション政策分野(バイオ知財コース担当)/先端医療分野におけるイノベーションの測定
http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/bioipcourse/index.html

略歴
1987年3月:東京大学農学部農芸化学科卒業
1989年3月:東京大学農学系大学院応用生命工学専攻修士課程卒業
1989年4月-1998年3月:株式会社野村総合研究所(技術戦略研究部)
1998年10月-2002年10月:野村證券株式会社金融研究所、野村R&A株式会社(出向)
2000年3月:東京大学工学系大学院先端学際工学専攻博士課程単位取得後中退
2002年3月:学術博士(東京大学)
2002年11月-2013年3月:Aphoenix, Inc., 代表取締役
2006年4月-2009年3月:芝浦工業大学大学院工学マネジメント研究科教授
2008年7月-2013年6月:東京大学大学院新領域創成科学研究科特任教授
2009年4月-2010年3月:芝浦工業大学 先端工学研究機構 技術経営研究センター 客員教授
2009年4月-2010年3月:東京工業大学 非常勤講師
2009年4月-2011年3月:大阪大学 先端科学イノベーションセンター 客員教授
2009年7月-2013年6月:株式会社医学生物学研究所 取締役
2013年7月-2015年3月:東京大学大学院新領域創成科学研究科メディカルゲノム専攻 イノベーション政策研究分野 准教授
2015年4月-:メディカル情報生命専攻(転籍)バイオイノベーション政策分野 准教授
教育活動
新領域創成科学研究科:バイオ企業戦略論、バイオ知財法概論I 、バイオ知財実務演習 II
研究活動
1.技術移転システムに関する研究:
研究開発活動を基礎から応用へと変換する過程で活動する主体を「イノベーション・エージェント」と定義し、その活動内容を一般定義することから機能を解析した(文献1)。技術移転は受け手側のアクティブな能力に依存した閾値が存在し、これらの連続的な境界として「技術移転有効フロンティア」を想定し、この境界と大学の研究限界から3つの技術移転パターンが生じることを示した(文献1,2)。現在は、技術移転有効フロンティアを社内技術移転現象にも適用した民間企業の研究開発マネジメントに関する研究を実施している。

2.イノベーションとレギュレーションの相互作用に関する研究:
「先端医療分野におけるレギュレーション・ギャップ・マネジメントに関する研究」(科研費基盤研究(B)H19-H21)を実施した。「レギュレーションがイノベーションを促進する」あるいは「イノベーションの出現に合わせた新規レギュレーションの創出がイノベーションの普及を促進する」ことを実証的に分析することを目標においている。再生医療、遺伝子治療、先端医療機器、テーラーメード医療などの分野での規制や技術標準の整備に関する事例研究を実施している(文献3)。

3.シナリオプラニング技法の開発:
技術・産業進化サイクルを用いたシナリオプランニング技法の開発を行っている。この手法に基づき、日本のアミノ酸発酵工業の100年間が2サイクルで構成されていることを見出し、現在は第3サイクルの開始点にあること解析した他(文献4)、バイオマス、先端医療の規制整備におけるシナリオ・プランニング技法を適用した研究を実施している。

4.パテントメトリクス(特許データベースを利用した企業戦略や特許の分析):
特許データベースを用いた企業の研究活動の解析や特許価値の測定(文献8)をおこなっている。パテントメトリクスの手法を産学連携分析、企業戦略分析の手段として方法論・実証分析の両面から展開することを目指している(文献5,6)。

5.先端医療分野のイノベーション戦略:
個別化医療、再生医療、医薬品のDrug Repositioning、ライフサイクル・マネジメント等、先端医療分野の企業の研究活動の解析をおこなっている。これらの研究は、これまで定性的には議論されてきたが、実証的に分析されてこなかったテーマを中心に、エビデンスベースの議論を展開することを目指している(文献7)。
[文献]
1) Shingo Kano, "The lnnovation Agent and lts Role in University-Industry Relations," Industrializing Knowledge, MIT Press, pp.365-384, 1999
2) 加納信吾、産学連携における技術移転モデルの導出とその比較分析 −技術移転有効フロンティアの概念とその応用−、ビジネスモデル学会誌、p1-10, Vol.1, No.1,2001
3) 中野壮陛、児玉文雄、加納信吾、デバイスラグの定義と測定、医療機器学, 79(5) : 273-285, 2009
4) 加納信吾、アミノ酸発酵工業のイノベーション・モデル考、バイオサイエンスとバイオインダストリー、p301-311, VOL.65, NO.3, 2007
5) 特許率に影響を与える因子の定量的解析、田中克幸、田中耕一郎、清水初志、加納信吾、特許成立性に寄与する客観的指標の実証分析、パテント、Vol.63, No.9, 63-68, 2010
6) Satoshi Yasukawa, Shingo Kano, Validating the usefulness of examiners' forward citations from the viewpoint of applicants' self-selection during the patent application procedure, ScientoMetrics, June 2014, Volume 99, Issue 3, pp 895-909
7) Haruya, M., Kano, S. A New Look at the Corporate Capability of Personalized Medicine Development in the Pharmaceutical Industry, R&D Management, Volume 45, Issue 1, pages 94-103, January 2015

その他
日本MOT学会(編集委員)、研究・技術・計画学会、組織学会、ビジネスモデル学会各会員
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将来計画
21世紀に求められるイノベーションは何か?を考えるために、過去に関する分析としての「イノベーションの測定」を追及すると同時に、20年先の未来をデザインする手法としてのシナリオプランニングの技法を開発・適用していくことにより、社会科学的なアプローチによる、先端医療分野における新たなイノベーション研究を展開していきたいと考えている。バイオ知財コースHP
教員からのメッセージ
イノベーション研究分野には社会科学と自然科学の学際領域としての側面があり、知的財産を機軸として様々な分析方法を組み合わせていくことにより、基礎から応用へと展開される研究開発の実像を測定し解明していく研究者を養成したいと考えています。学際領域故のテキスト不在の問題があり、問題発見能力とともに検証能力も問われるため試行錯誤に耐えるタフな精神力が必要になりますが、その過程を積極的に応援します。
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