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辛 埴 しん しぎ/教授/基盤科学研究系
物質系専攻/物質科学協力講座/
http://www.issp.u-tokyo.ac.jp/labs/spectroscopy/shin/

略歴
1977年 東京大学・理学部・物理学科卒
1983年 東京大学・理学系研究科博士課程退学
同年 学術振興会奨励研究員
同年 東北大学・科学計測研究所・助手
1989年 東北大学・科学計測研究所・助教授
1991年 東京大学・物性研究所・助教授
2001年 東京大学・物性研究所・教授
教育活動
大学院:放射光と中性による分光学
研究活動
 紫外光から軟X線のエネルギー領域の光物性を開拓することによって、固体の電子状態の研究をしている。これらの光は電子状態を観測するのにもっとも都合がいい光であるが、これまで、実験が難しいために利用されていなかった光である。我々はこの新しい光領域において、実験装置を開発することによって、これまでできなかったような光物性を開拓している。 光電子分光は、物質に軟X線を照射し、放射される光電子のエネルギーと運動量を測定する分光実験である。物質の物性を決定するフェルミ面近傍の電子状態を知ることができる極めて有力な方法である。平成10年度に開発された光電子分光器は、1.4meVのエネルギー分解能を有し、現在でも世界最高の性能を有している。高分解能化により、超伝導体や強相関物質のギャップや擬ギャップ等を観測し、輸送現象に直接関係した電子状態を世界で初めて知ることができるようになった(図1 ニオブ金属の超伝導転移の温度変化)。また、これまでほとんどできなかった物質中の素励起寿命の観測など、新しい光物性も行うことができる。一方、更に高分解能を目指すために、平成14年度に、軟X線領域のレーザーを光源とした実験装置を開発し、0.36 meVの高分解能を得ている(図2 実験室写真)。このような高分解能化の研究は世界でも本研究室の独走状態なっている。今年度は時間分解光電子分光が完成し、光誘起相転移などに伴うフェルミ準位付近の電子状態のダイナミクスを議論できるようになった。


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Figure1 


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Figure2 

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Figure3 
[文献]
その他
日本物理学会、日本放射光学会(評議員)、固体イオニクス学会
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将来計画
 高輝度の軟X線光源は、シンクロトロン放射光を始め、軟X線レーザー技術の進歩、自由電子レーザーの開発などにより、様々な光源が出現しています。強度だけでなく、コヒーレンスや時間特性を生かした新しい利用法が百花繚乱です。これらの分野を総合的に開発することを目指しています。現在は光電子分光や軟X線発光分光を主に行っていますが、将来は、光のコヒーレンスや時間分解分光も利用して、物質科学に貢献することを計画しています。
教員からのメッセージ
 大学院生には軟X線分光をキーワードにして、堅い物から柔らかい物まで、様々な物質の分野で自由に研究をしてもらっています。軟X線分光はこれから発展が期待されている分野ですのでやりがいがあります。
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