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松橋 隆治 まつはし りゅうじ/教授/環境学研究系
環境システム学専攻//環境経済システム学分野
http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/globalenv/matu

略歴
1985年3月東京大学工学部電気工学科卒業
1987年3月に東京大学大学院工学系研究科電気工学専攻修士課程を修了し
1990年3月東京大学大学院工学系研究科電気工学専攻博士課程修了
同大学資源開発工学科助手を経て
1994年1月東京大学資源開発工学科(現地球システム工学科)助教授に着任
1999年4月より東京大学大学院新領域創成科学研究科環境学専攻助教授
2003年12月より現職
工学博士(東大)
教育活動
担当講義 学部:社会システム工学、地球環境改善策プロジェクト演習
大学院:エネルギー・環境システム工学
研究活動
 エネルギー供給、変換システムを総合的なシステムとしてその供給源選択に関する弾力性を上げる統合型エネルギーシステムのモデル開発と,そのための要素技術の研究、統合型プラントの概念設計を行うとともに,総合システム評価手法を研究し、その柔軟性、効率性、環境性などを考慮した最適システムの設計をおこなう研究を進めている。
 具体的な研究例としては以下のようなものがある。(1)環境問題に対応できる新しいエネルギーシステム構築のための研究。(2)環境改善技術のライフサイクル評価。(3)地球環境改善と南北格差縮小を目的とした技術移転の可能性評価、特に効果的な移転をもたらす経済システムの研究。(4)要素技術の分析手法とシステム統合手法のハイブリッドによる、技術の環境・社会への影響評価、及び望ましい技術普及策の研究。
[文献]
1) 新領域, 河野, 磯部: ナマズの発電機構について, 情報処理学会論文誌, 24巻, 6号, pp.830-837 (1983年11月).
2) Shinryoiki, Goguen, Leinwand, Lincoln, Meseguer, Taheri and Winkler: Simulation and Performance Estimation for the Rewrite Rule Machine, Proc. of 4th Symposium on the Frontiers of Massively Parallel Computation, pp.336-344, McLean, USA (Oct. 19-21, 1992).
その他
 主な所属学会は、エネルギー資源学会,環境経済政策学会,電気学会、日本エネルギー学会。上記のような研究活動に関連して,学会関係では,電気学会およびエネルギー・資源学会において多数の論文発表をおこなうとともに、エネルギー資源学会企画委員を務めている。また,気候変動に関する政府間パネルの第四次評価報告書リード・オーサーや新エネルギー産業技術総合開発機構などの各種委員会の専門委員を委嘱されている。
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将来計画
 これまで持続可能な社会システムの実現を目的とした人間の社会・経済活動の把握、その地域・地球環境への影響評価、及びこれらに必要な分析・統合手法の教育・研究をおこなってきた。持続可能性の概念は、環境問題への包括的対応を考える上で、最も重要であるが、同時に複雑な問題を孕んだ概念である。人類全体の持続可能な発展という概念を明示するには、自然科学から社会科学にまたがる広汎な領域の叡智を結集する必要がある。この意味で、持続可能な発展の実現は、全人類に与えられた最も重要で、かつ困難な挑戦課題である。このような問題意識の下で、研究活動をおこなってきたが、今後の目標は大きく分けて二つある。一つは、上記の問題を解決するための環境学の学問体系の創出である。環境問題の解決には自然科学から社会科学に至る広汎な叡智を結集することが必要であるが、これらの知をただ寄せ集めただけでは単なる雑学であって、大学で追求するに足る学問にはならない。そこで著者は、特に環境システムの分野での学問体系の創出に努めたい。このために、研究論文だけでなく、この分野の教科書を発行する予定である。第二の目標は、実際の政策支援につながる建設的提案をおこなうことである。周知のように環境問題、中でも地球環境問題を解決するには、政策科学的側面をも考慮しなければならない。現在世界的に交渉が進められている気候変動枠組み条約は、地球環境および世界経済に大きな影響を及ぼす要因である。そこで、この分野の戦略分析に関する研究論文と共に、建設的な政策提案をおこなうことも重要であると考えている。
 いずれにしても、第一に述べた環境システム学の学問体系の創出を軸にして、第二の目標を視野において研究を進めたい。
教員からのメッセージ
 環境学の学問体系を創出し、環境問題の解決を図るためには、若手研究者を育成することが必要である。このための一例として、エネルギー資源学会に若手の会を結成し、エネルギー・環境問題に関する体系の創出・教育・研究協力などをおこなうことを目指している。エネルギー・環境システム研究に従事する若手研究者は、工学、理学、経済学など広範なバックグラウンドを備えているが、特定の学部や学科などのホームグラウンドを持つことは稀であり、さまざまな学科や研究所で独立して研究を進めている状況である。このような状況下で、持続可能な社会の実現に貢献するという志を抱いて研究の道に入った若手研究者達も、研究を進めて行く上での方法論などを十分に得られず、各々が所属するセクターの中で、模索しつつ研究を進めている現状である。したがって、今後若手研究者を広く育成し、エネルギー・環境学の発展に資するためには、関係研究室が広く交流をおこなって、得意分野の情報を共有しつつ、若手研究者の教育をおこなうことが是非とも必要である。このような交流、情報交換、教育を広く効果的におこなうには、大学、国立研究所、民間研究所、民間企業の各々から多様な分野の研究者が集まる組織を作る必要があると考えている。
 いずれにしても、環境学の体系化のためには、若手研究者のエネルギーと感性が必要である。是非とも自分に適したテーマを発見し、前向きに取り組んで頂きたい。
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