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高木 紀明 たかぎのりあき/准教授/基盤科学研究系
物質系専攻/新物質・界面科学講座/表面科学分野
http://www.surfchem.k.u-tokyo.ac.jp/

略歴
1988 年3月 京都大学理学部卒業、1993年3月京都大学大学院理学研究科化学専攻博士課程修了(理学博士)、1993年4月理化学研究所奨励研究員、1993年8月京都大学大学院理学研究科助手、1999年4月総合研究大学院大学先導科学研究科助教授、2004年4月分子科学研究所客員助教授、2004年10月東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻助教授(現職)
教育活動
大学院:表面科学
学部:構造化学
研究活動
  金属や半導体の単結晶表面における原子・分子の吸着構造、動的振る舞い、反応、と表面構造/電子状態の関係を明らかにし、新規表面物質を探索・創製することを目的に振動分光法や走査トンネル顕微鏡(STM)を使って研究を行ってきた。これまでの研究を概観すると、

・CO分子のsite-conversion、表面拡散、脱離、吸着−脱離平衡下での挙動から分子−表面のポテンシャル面の形状や分子間相互作用を明らかにした。[1-3]

・表面に吸着した水素原子の振動励起状態が、その“量子性”を反映して表面平行方向に非局在化したBloch状態になっていることを示した。[4]

・Siやダイアモンド表面の表面構造、フォノン、反応性を明らかにした。[5-8]

・STMにより反応中の表面構造の時空間発展を追跡し、表面吸着種がつくる低次元構造の構造揺らぎが反応に劇的影響を及ぼすことをあきらかにした。また、自己触媒反応により反応端が表面を伝播していく様子を原子レベルで捉えることに成功した。[9,10]
[文献]
[1] N. Takagi, J. Yoshinobu, M. Kawai, Chem. Phys. Lett. 215 (1993) 120.
[2] N. Takagi, J. Yoshinobu, M. Kawai, Phys. Rev. Lett. 73 (1994) 292.
[3] J. Yoshinobu, N. Takagi, M. Kawai, Phys. Rev. B49 (1994) 16670.
[4] N. Takagi, Y. Yasui, T. Takaoka, M. Sawada, H. Yanagita, T. Aruga, M. Nishijima, Phys. Rev. B53 (1996) 13767.
[5] N. Takagi and M. Nishijima, in Electronic Processes at Solid Surfaces, eds. E. Ilisca and K. Makoshi, World Scientific., 285-301 (1996).
[6] N. Takagi, S. Shimonaka, T. Aruga and M. Nishijima, Phys. Rev. B 60 (1999) 10919.
[7] M. Z. Hossain, T. Kubo, T. Aruga, N. Takagi, T. Tsuno, N. Fujimori, M. Nishijima, Jpn. J. Appl. Phys. 38 (1999) 6659.
[8] M. Z. Hossain, T. Aruga, N. Takagi, T. Tsuno, N. Fujimori, T. Ando, M. Nishijima, Jpn. J. Appl. Phys. 38 (1999) L1496.
[9] O. Nakagoe, K. Watanabe, N. Takagi, Y. Matsumoto、Phys. Rev. Lett. 90 (2003) 226105(4pages).
[10] O. Nakagoe, K. Watanabe, N. Takagi, Y. Matsumoto、to be submitted.
その他
所属学会:日本物理学会、日本化学会、日本表面科学会
日本真空協会学会誌「真空」編集委員
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将来計画
物質系専攻では、超高真空・極低温・磁場下で動作するSTMを立ち上げ、個々の原子・分子のトンネル分光、非弾性トンネル分光、スピン検出、STM探針による原子操作等の実験手法を確立し、原子分子を“触りながら”量子力学が支配する極微の世界を楽しみたいと考えています。
教員からのメッセージ
私の研究の楽しみは、公表したときのインパクトは別にして、“今測定している実験データは世界中で自分一人しか知らないんだ”という時間を味わえることです(ちょっとマニアック?)。そんなささやかな至福の時間を共有しましょう。
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