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中山 幹康 なかやま みきやす/教授/環境学研究系
国際協力学専攻//環境協力/資源管理
http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/nakayama/

略歴
1980年3月東京大学農学部農業工学科卒業
1986年3月東京大学大学院農学系研究科博士課程修了(農学博士)
1986年4月東京大学農学部研究生
1986年9月国際連合環境計画(在ナイロビ・ケニア)専門職員
1989年7月宇都宮大学農学部農業開発工学科助教授
1989年9月東京農工大学大学院連合農学研究科・助教授(併任)
1994年6月世界銀行(在ワシントンDC・米国)中東・アフリカ局水資源管理専門家
1999年1月宇都宮大学農学部農業環境工学科教授
1999年5月東京農工大学大学院連合農学研究科教授
2004年10月東京大学大学院新領域創成科学研究科教授(現在に至る)
教育活動
大学院:資源環境管理,影響評価
研究活動
国際流域の統合的な管理・流域国が協調するための合意形成と国際機関の関与(1986〜現在):
国際連合環境計画と世界銀行での,国際流域管理に関する実務に従事した経験に基づいたテーマです.国際流域で統合的な管理を実現する為の方法論構築と,流域国間に生じた係争が解決され更には合意が形成されるプロセスに関する事例研究です.事例研究を通じて,国際機関が果たし得る役割は,(1)係争の調停役としての機能,(2)流域国間の協調の枠組み策定の推進役,(3)問題の所在を訴える場としての働き,(4)世界的な枠組みの策定,の4類型に分類し得ることと,各々の類型の機能を国際機関が発揮するために必要な要件を解明しました.また,国際機関の主導によって策定される流域国間が協調するための枠組は,流域国の関係が友好的な限りにおいては有効なメカニズムであり得るものの,流域国間に係争が生じた場合においても斯様な枠組みが有効であるという保証はないことと,国連総会は戦争の勃発のような「非常時」においてはその解決の為に有効なメカニズムであり得るものの,「平時」における国際流域での係争の解決のためには多くを期待出来ないことを指摘しました.ナイル川,メコン川,インダス川,ガンジス川,ドナウ川,ザンベジ川,オレンジ川,アラル海,カスピ海などを事例としています.

経済開発プロジェクトにおける影響評価手法・都市化あるいはダム建設プロジェクトによる自然環境と人間居住環境について(1992〜現在):
経済開発プロジェクトによる環境の悪化を,回避あるいは軽減するための方法論を研究しています.流域内で,都市化の進行やダムの建設によって開発プロジェクトが実施される場合に,自然環境と人間居住環境への影響を軽減するためには,環境影響評価の方法論に如何なる改良を加えるべきかを,国際流域と国内流域における事例分析から提言しています.ワスワン・ハイダム(エジプト),サグリン・ダム,チラタ・ダム,コタパンジャン・ダム,ビリビリ・ダム(インドネシア),ヴィクトリア・ダム,コトマレ・ダム(スリランカ),ベルジック・ダム(トルコ),アラル海流域の大規模灌漑施設,カスピ海流域の資源開発などを事例としています.
[文献]
1)Nakayama, M. and Fujikura, Y. (2006): Issues in WCD Report Development - Inconsistencies between Fact-Findings and Guidelines, Hydrological Processes, Vol. 20, 1263-1272
2) Karimi, S., Nakayama, M., Fujikura, R., Katsurai, T., Iwata, M., Mori, T. and Mizutani, K. (2005): Post-project Review on a Resettlement Programme of the Kotapanjang Dam Project in Indonesia, International Journal of Water Resources Development, Vol. 21, No. 2, 371-384 
3) Salewicz, K. A. and Nakayama, M. (2004): Development of a Web-based Decision Support System (DSS) for Managing Large International Rivers, Global Environmental Change, 14 (1), 25-38
4) Nakayama, M. (2003): Innovative resettlement schemes planned for the Numata Dam project, Hydrological Processes, Vol. 17, 2727-2736
5) Nakayama, M., Fujikura, R. and Yoshida, T. (2002): Japanese Experiences to Enhance the WCD Guidelines, Hydrological Processes, Vol. 16, 2091-2098
6) 中山幹康,吉田恒昭,ブディ・グナワン (2001):ダム建設に伴う移住者に対する職業転換による生活再建策への対応, 水文・水資源学会誌, 14(6), 472-482
7) Nakayama, M., Yoshida, T., Gunawan, B. (2000): Improvement of Compensation System for Involuntary Resettlers of Dam Construction Projects, Water Resources Journal, September 2000, pp. 80-93
その他
水文・水資源学会,農業土木学会、International Water Resources Association各会員。文部科学省日本ユネスコ国内委員会自然科学小委員会調査委員(現在),日本水フォーラム理事(現在),日本グローバルインフラストラクチャー研究財団評議員(現在),国際湖沼委員会理事(現在),水文・水資源学会理事・国際委員長(2002〜2006),International Water Resources Association理事(2001〜2003)等。
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将来計画
これまで,社会における資源と環境に関わる問題を,主に国際的な事例を通じて研究を進めてきました.これらの研究は,日本と外国の研究者約20名から構成される「文科・理科融合チーム」を率いて実施しています.これからも,文系と理系の「学融合」を志向した研究を推進したいと考えています.
教員からのメッセージ
本来は理系である私の研究室(ゼミ)に所属する大学院生が,現時点(2006年10月現在)では全員が文系出身であるという事実が,新領域創成科学研究科における教育・研究活動の柔軟性と可能性を示唆しています.そのような場での他の学生や教員との触れ合いからは,従来的な研究科に所属することでは得ることが出来ないような,知的な刺激と興奮を得ることが出来ます.それは同時に,専門が異なる研究領域の研究者に,自分の研究を理解して貰えるように説明するスキルを涵養することでもあります.そのような場に身を置いて,「学融合」を志向した研究に邁進する大学院生が,更に増えることを希っています.
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