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有川 正俊 ありかわ まさとし/准教授/環境学研究系
社会文化環境学専攻//空間環境情報学協力講座/
http://www.csis.u-tokyo.ac.jp/~arikawa/

略歴
1986年3月 九州大学工学部情報工学科卒業、1988年3月九州大学大学院工学研究科情報工学専攻修士課程修了、1992年12月九州大学博士(工学)、1989年4月九州大学工学部情報工学科助手、1993年4月京都大学工学部情報工学科助手、1994年4月広島市立大学情報科学部助教授、1996年カリフォルニア大学サンタバーバラ校国立地理情報解析センター客員研究員、1999年4月東京大学空間情報科学研究センター助教授(現職)
教育活動
大学院:空間情報解析演習
教養部:(全学ゼミ)地理情報科学の挑戦
研究活動
 多種多様なマルチメディア情報を「地球上の位置」という空間キーを用いて統合管理する空間情報ベースの研究を行っている。膨大な空間情報から知的に「選択(抽象化・視覚化)」する操作と、さまざまな空間情報(異なる縮尺・投影法、2D・3D、過去・現在・未来、現実・仮想など)を適切に「合成」する操作の2つの操作に焦点を当て、従来の紙の地図の延長に縛られない、新しい視覚コミュニケーションの形態を探究している。

1)高精度な空間情報付き写真の実3次元空間マッピング
 デジタルカメラやGPSの発展と普及により、今後、位置や方向などの高精度な空間メタデータを持つ写真がWeb上で大量に流通すると考えられる。このような写真を「空間情報付き写真」と呼び、空間データとして組織化する枠組みと、空間的な検索インタフェースの研究を行っている。データベース上では写真を3次元ボリュームとして扱い、ユーザが写真を扱う際のインタフェースとしては、写真を視点から注視点へのベクトルとして扱う。この枠組みにより、クリッカブルなテキスト情報を写真上の適切な位置に注釈として自動配置することや、位置情報をキーとして写真と地図とWebとの連携を行う、ハイパーメディアとしての写真を実現できる。

2)ジオコーディングを用いた多様な文書資源の空間情報化
 ジオコーディング(Geocoding)とは、ある情報にそれに関係付けられる現実世界の位置情報を付与する技術である。たとえば、文書データの中から住所、地名、電話番号を抽出し、それらに対応する緯度経度をその文書に付与する処理である。ジオコーディングの技術を発展させ、さまざまな文書データに対してそのコンテンツに関連する現実世界の位置情報を付与し、空間的なアクセスを可能とし、文書情報の活用の幅を拡大させる枠組みの研究を行っている。
[文献]
1) 相良毅,有川正俊,坂内正夫,分散位置参照サービス,情報処理学会論文誌, 42-12,2001,2928-2940.
2) 有川正俊,位置情報サービスとサイバースペースの融合,日本バーチャルリアリティ学会誌,7-3,2002,177-182.
3) H. Tanaka, M. Arikawa, R. Shibasaki, World-Wide Gallery for Pseudo-3D Photo Collage, ACM SIGGRAPH2003, 2003.


masatoshi_arikawa
Figure: 映像・地図・地名・Webを相互連携するプロトタイプ PhotoField
その他
所属学会:地理情報システム学会(理事、学術委員長、空間IT分科会代表)、電子情報通信学会(データ工学専門委員会前副委員長、編集委員)、情報処理学会(データベースシステム研究会元幹事、編集委員)、バーチャルリアリティ学会、ACM
各種委員会:G-XMLプロトコル拡張検討小委員会委員長、(財)日本測量調査技術協会 ISO/TC211国内委員会委員、高度位置情報通信ネットワーク社会検討委員会委員
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将来計画
 時計の普及により、われわれは「時間」情報を手に入れることができた。一方、GPSなどの位置情報センサーの普及により、「空間」情報あるいは「位置」情報を手に入れることになる。今日の社会は、時間を基準に回っていると言って良い。従来は高価であった位置情報が安定して安価で提供されるようになると、「空間」を基準にしたさまざまな管理方法が社会の根幹に加わり、社会のシステムを変革させるだろう。このような観点から、現実空間の環境とインターネットに代表されるサイバー空間の融合の健全な枠組みに関して研究を進めていきたい。
教員からのメッセージ
 当研究室では、ソフトウェアとしての「もの」を作りながら理論を再検討し、また理論を作りながら新しいものを生み出すという、もの作りと理論作りとの間のスパイラルにより研究を発展させるスタイルを基本としている。ソフトウェア開発は、一種の自然科学における実験と考えており、開発や運用過程で理論の中にある誤りや飛躍を発見できる。さらに、コンピュータの上で正しく動作することにより保証されたソフトウェアや理論の上に、さらに上位のものを積み重ねることができる。このように、自然科学では当然の枠組みの中で、空間情報とITを基本とした新しい利用者環境や社会環境の創成を試み、かつそれらに対する理論の体系化と検証を行っている。
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