spacer


斎藤 馨 さいとう かおる/教授/環境学研究系
自然環境学専攻/陸域環境学講座/生物圏情報学分野
http://landscape.nenv.k.u-tokyo.ac.jp/Top.html

略歴
1955年5月新潟県生
1981年千葉大学園芸学部造園学科卒業
1983年東京大学大学院農学系研究科林学専攻修士課程修了
1986年同博士課程単位取得退学/同年(株)プレック研究所研究員
1987年同主任研究員
1989年東京大学農学部助手(演習林)
1994年農学博士(東京大学)、東京大学講師(演習林)
1995年同助教授(農学生命科学研究科森林科学専攻)
1999年4月より東京大学新領域創科学研究科環境学専攻助教授
教育活動
大学院:生物圏情報学、自然環境学実習、自然環境学演習、自然環境学研究、自然環境学野外総合実習、生物環境学実習、生物環境学実験、生物環境学演習、自然環境学概論、自然環境学デザインスタジオ、森林科学特別実験、森林科学特別演習、森林生命科学特別演習、森林生態社会学特別演習、森林生命環境科学特別実験
学部: 自然環境学汎論
駒場:生物と環境の情報科学、全学自由研究ゼミナール
他大学:景観土地利用論(千葉大学)
研究活動
 人を取り巻く生物圏(生物生息可能域:都市から原生自然地まで)、つまり人と環境との関係性について、フィールドを重視し、フィールド情報とメディアを応用した予測、評価、計画、デザインについて考究します。
 フィールドサイエンスでは、フィールド調査・解析の過程から多くの研究成果が得られています。フィールド調査では誰もが調査対象の他にも様々な事象を体感していて、そのことが自然環境に関する直感的理解を醸成しています。このフィールドでの体感的な環境をそのまま情報として記録し、メディア化し、共有できれば、生物圏の様々な環境を人との関係をリアルに理解することができるようになり、現在ある複雑そうな環境課題を解決する端緒を見いだすことができます。さらに課題解決を行うには、社会システムとの調整が必要となり、今度はフィールドを人々に理解しもらうために、再度フィールド情報を提示することになります。
 例えば東京大学秩父演習林を調査実験フィールドにして、従来からの森林環境情報に映像や音情報を組み合わせて、森林をデジタル化し、毎日森林を観察しているかのようなデータの作成と、ネットワーク技術の応用による研究者や一般の人々のコミュニケーション基盤となるインターフェース開発研究を行っています(「山と木々の毎日」などhttp://bis.nenv.k.u-tokyo.ac.jp/calendar/)。これは、森林環境情報と植物成長モデルによる写実的森林景観シミュレーションや映像や音を含むマルチメディアデジタルデータで森林の環境記録とその応用を検証する「サイバーフォレスト研究プロジェクト」の一つです。
 これらの研究に対して、1991年 ACM Siggraph'91 Technical Slide入選"High Visual Sensitivity Zones on an aereal photograph"、1988年日本造園学会研究奨励賞「景観評価の計画論的研究」、1991年日本コンピュータグラフィックス協会第7回論文コンテスト入選「景観計画におけるコンピュータ・グラフィックスの応用」、1993年第9回論文コンテスト佳作「リアルな森林景観シミュレーション −GISと植物モデリングの応用−」、1996年日本造園学会賞「景観情報処理システムの開発と応用に関する研究」、2005年AGSベストポスター賞「The sense of forest archives 2003」を受賞しています。
[文献]
・斎藤馨、熊谷洋一、本條毅、石田裕樹、Ren LECOUSTRE, Phlippe de REFYE(1993):リアルな森林景観シミュレーション −GISと植物モデリングの応用−:日本コンピュータグラフィックス協会第9回論文コンテスト論文集:226-236
・松井孝子、酒井学、東海林克彦、斎藤馨、熊谷洋一(2002):学術研究及び環境アセスメントにおける景観解析手法の変遷とその比較に関する研究:ランドスケープ研究(造園学会誌):65(5), 637-642
・斎藤馨、藤原章雄、熊谷洋一、塚口馨介(2002):森林景観ロボットカメラの新機能開発と環境音記録に関する研究:ランドスケープ研究(造園学会誌):65(5), 689-692
・塚口馨介、斎藤馨、藤原章雄、熊谷洋一(2004) 森林映像を活用するためのユーザインターフェースのデザインに関する研究: ランドスケープ研究:Vol.67(5),737--740
・岡本拓也、斎藤馨、Lohani SHUBASH(2005):GISと植物モデルを応用した森林履歴復元手法の開発:ランドスケープ研究(造園学会誌):Vol.68(5),919-922
・藤原章雄、斎藤馨(2005):ロボットカメラによる定点長期連日映像データの樹木フェノロジー観察への応用:ランドスケープ研究(造園学会誌):Vol.68(5),927-930
・斎藤馨、藤原章雄、石井秀樹、志村正太郎、矢野安樹子、熊谷洋一(2005):森林映像モニタリングデータによるマルチメディアコンテンツ製作:ランドスケープ研究(造園学会誌):Vol.68(5),923-926
・岡本拓也・斎藤馨(2006):植生型と地形依存性を考慮した天然林森林景観シミュレーションの構築:ランドスケープ研究(造園学会誌):Vol.69(5),683-686
・石井秀樹、斎藤馨、猪瀬浩平(2006):埼玉県「見沼田んぼ福祉農園」の成立と展開にみる都市近郊緑地の福祉的活用の考察:ランドスケープ研究(造園学会誌):Vol.69(5), 767-772
・Kaoru SAITO, Shotaro SHIMURA(2006): Development of environmental monitoring method by analysis of 24 hours sound recording data at natural forests in the Chichibu mountains, central Japan.: Journal of Landscape Architecture in Asia: Vol.2, 213-218
その他
所属学会:日本造園学会(理事、情報システム委員長、学術副委員長)、環境情報科学センター(学術委員、論文委員)、日本林学会、環境アセスメント学会、地理情報システム学会、 ACM, ACM SIGGRAPH
各種委員会:環境影響評価アドバイザー委員((財)2005年日本博覧会協会)、公園・緑化技術会議分科会委員(国土交通省)
spacer
将来計画
森林を日々変化する自然環境をマルチメディア、インターネットなどのデジタル技術を応用し、常に自由にオープンに、観察・学習・解析・評価・討論・施策立案・計画立案・実行・観察できる情報基盤を構築したい。
教員からのメッセージ
インターネットが急速に普及してデスクワークで衛星やGISデータが入手できようになり、現実のフィールドとデータとの対応関係を直感的に理解しにくくなっています。このギャップを埋めたいと考える学生や、「フィールドのデータ・マルチメディア・インターネットが融合する」ことに夢を描ける学生諸君を歓迎します。大学院では学生も教官も同じ研究者です。オープンな議論を通じて、お互いに知識や能力を磨き、環境情報基盤について共同研究を進めていますので、これまでの学部分野を問わずトライして下さい。フィールド研究の対象は問いませんが、サイバーフォレスト研究のフィールドである東大秩父演習林(埼玉県秩父市)内の人工林や天然林へはたびたび見学、体験、調査や実習に出かけたり、話を聞いたりしますので、いつのまにか森林に興味を持つことになります。
top