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奥田 洋司 おくだ ひろし/教授/環境学研究系
人間環境学専攻/複雑環境システムシミュレーション分野/環境計算力学
http://www.multi.k.u-tokyo.ac.jp/

略歴
1985年3月東京大学工学部原子力工学科卒業
1990年3月東京大学大学院工学系研究科原子力工学専攻博士課程修了(工学博士)
1985年4月東京大学講師(精密機械工学科)
1994年4月東京大学助教授(システム量子工学専攻)
1996年3月横浜国立大学助教授(生産工学科)
2000年10月東京大学助教授(システム量子工学専攻)
2003年5月東京大学助教授(人工物工学研究センター)
2005年4月東京大学教授(人工物工学研究センター)
2012年4月東京大学新領域創成科学研究科教授(人間環境学専攻)、現在に至る
教育活動
大学院:環境シミュレーション学特論、人工物工学特論
工学部システム創成学科:先端コンピューティング、応用プロジェクト、領域プロジェクト
工学部精密工学科:人工物工学
研究活動

複雑連成問題に対する数理手法の開発:
 流体の速度場、構造の変位場、温度場、電磁場などが複雑に相互作用する問題は、産業機器から生体まで様々な場面において存在します。これら複雑連成問題を解析可能な有限要素法の数理手法を開発しています。(文献1)
高温液体の熱流動解析
高温液体の熱流動解析



次世代エクサスケール計算機システムに向けたHPC基盤:
並列有限要素法の共通基盤ミドルウェアHEC-MW、および、有限要素法に基づくポストペタスケールアプリケーション開発環境ミドルウェアppOpen-APPL/FEMの開発を行っています。これらのミドルウェアは、有限要素法に共通かつ特有な操作を抽出して、アプリケーション開発に必要な機能の集合としてまとめたものです。ハードウェアの複雑さをアプリケーション開発者から隠蔽し、並列計算機環境においても簡便にプログラム開発ができる利便性を提供します。また、階層的・ヘテロジニアス環境における並列有限要素法の開発を目指して、GPGPUやアクセレレータ用の反復法ソルバーの研究開発を進めています。(文献2)

並列有限要素法の共通基盤ミドルウェアHEC-MW
並列有限要素法の共通基盤ミドルウェアHEC-MW


並列有限要素解析システムFrontISTRの産業応用:
 ものづくりにおける設計、物理現象の究明、製造工程における力学現象の解析を目的として、大規模並列有限要素法の構造解析システムであるFrontISTRを開発しています。FrontISTRを産業分野の構造解析に使用することによって、産業機器の開発時間縮小化・低コスト化、および産業機器に潜む複雑な力学現象の解明に役立てます。高速走行列車の車輪の転がりに起因するレール・車輪間の動的接触解析、大変形するフィラー充填ゴムの引張評価、高性能タービンブレードの設計、電子機器の熱変形・落下衝撃解析、地震時における地盤・原子力建屋の動的挙動評価など、幅広い産学連携研究に取り組んでいます。(文献3)
スーパーコンピュータ(東京大学FX10の23,040コア使用)を用いた並列有限要素解析法FrontISTRによる,プリント配線基板の熱反りシミュレーション
スーパーコンピュータ(東京大学FX10の23,040コア使用)を用いた並列有限要素解析法FrontISTRによる,プリント配線基板の熱反りシミュレーション



並列有限要素解析システムFrontISTRのクラウドCAEサービス化:
 上記のFrontISTRを利用する研究者が環境設定・利用方法・利用手順を習熟しなくとも研究が遂行できるように、スパコンによるハイブリットクラウド上にWebアプリ化されたSaaSシステムを構築しています。(文献4)
クラウドサービスの実証システム
クラウドサービスの実証システム



環境エージェント設計と低炭素社会構築への応用:
環境学的価値の伝播と分析を支援するミドルウェアMADS/SAGS の研究開発および非工学的問題への適用研究を推進しています。具体的には、燃料電池自動車をはじめとする低炭素エネルギー技術の普及過程、溶鋼温度管理における不確実性の数値解析、水素社会構築過程シミュレーション、などです。(文献5)

水素社会構築過程のシミュレーション
水素社会構築過程のシミュレーション


[文献]
1) Gaku Hashimoto, Kenji Ono and Hiroshi Okuda, Application of a fixed Eulerian mesh-based scheme based on the level set function generated by virtual nodes to large-deformation fluid-structure interaction, Interaction and Multiscale Mechanics, Vol. 5, No. 3, pp. 287-318, 2012.

2) O. A. Fagerlund, T. Kitayama, G. Hashimoto and H. Okuda, Effect of GPU Communication-Hiding for SpMV using OpenACC, International Journal of Computational Methods, 2015, IJCM website at http://www.worldscientific.com/worldscinet/ijcm.

3) H. Sakai, M. Takagaki, M. Hayashi, A. Aikawa, H. Okuda and J. Yin, Dynamic Rolling Contact Analysis between Wheel/Rail by Large-Scale Parallel FEM, Railways 2014, Corsica, France, 2014/04.

4) 井原遊, 築山英治, 上島豊, 橋本学, 奥田洋司, クラウドコンピューティングを用いた効率的な構造解析支援システムの開発, 日本計算工学会, 第19回計算工学講演会講演論文集, Vol. 19, 2014.

5) 橋本学, 藤原孝紀, 鈴木正昭, 奥田洋司, 伊勢淳治, 塩谷政典, 組織における知識伝播過程のマルチエージェントシミュレーション, 電気学会論文誌C (電子・情報・システム部門誌), Vol.133, No.9, pp. 1770-1778, 2013.
その他
日本機械学会、日本計算工学会、日本応用数理学会、日本原子力学会、日本シミュレーション学会、日本流体力学会、各会員。計算工学会理事、日本応用数理学会理事、日本シミュレーション学会理事、等。
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将来計画
現在の工学的シミュレーション技術を、ひと・社会・環境との関わりの中で人工物の価値を定量化する「人工物シミュレータ」に発展させていきたいと考えています。
教員からのメッセージ
HPC(High Performance Computing)の分野は我が国が世界をリードしている分野のひとつです。学位取得に向けての研究が、産業界の第一線のニーズとどう直接つながっているかを常に意識してください。アイデアや作業の経過を緻密に記録できる人、楽観的な人が向いています。
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