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瀬筒 秀樹 せづつ ひでき/教授/生命科学研究系
先端生命科学専攻/応用生物資源分野/遺伝子組換えカイコの開発と利用研究
http://www.nias.affrc.go.jp/tgsilkworm/(独自ページ)

略歴
1990年3月九州大学理学部生物学科卒業
1996年9月九州大学大学院医学系研究科分子生命科学系専攻博士課程退学
1996年10月農林水産省蚕糸・昆虫農業技術研究所特別研究員
1997年3月九州大学大学院医学系研究科分子生命科学系専攻博士号取得(理学博士)
2001年1月理化学研究所ゲノム科学総合研究センター研究員
2004年4月独立行政法農業生物資源研究所遺伝子工学研究チーム任期付研究員
2006年11月-2007年10月フランス国立農学研究所研究員(兼任)
2009年4月独立行政法農業生物資源研究所遺伝子組換えカイコ研究センター主任研究員
2010年4月独立行政法農業生物資源研究所遺伝子組換えカイコ研究開発ユニット長
2013年10月先端生命科学専攻応用生物資源学分野教授(兼任)
教育活動
大学院:応用生物資源学分野
研究活動
1) トランスポゾンI因子の進化(1990-1996):
 キイロショウジョウバエで不妊等の交雑発生異常(Hybrid dysgenesis)を引き起こすトランスポゾンI因子のショウジョウバエ属における進化に関する研究を行い、近縁種からの水平移動を強く示唆する結果が得られた。
2) 野蚕のフィブロイン遺伝子の解析(1996-2000, 2004-):
  野蚕と呼ばれるヤママユガ科昆虫のシルクの主成分であるフィブロイン遺伝子を、ゲノムライブラリからクローニングし、完全長のフィブロイン遺伝子配列を初めて決定した。その他のヤママユガ科昆虫、キイロスズメバチ等のその他の昆虫、クモ等のシルク遺伝子の解析とその利用も現在進めている。
3) マウスミュータジェネシスにおけるSNP検出法開発と変異体解析(2001-2004):
 大規模マウスENUミュータジェネシスにおいて、精子が凍結保存された数千系統以上のゲノムDNAを抽出し、特定の遺伝子に誘発点突然変異を持つ個体をハイスループットで探索し、点突然変異を持つマウスを精子から作成して表現型を確認する手法を確立した。また同手法により、表現型突然変異の原因遺伝子の同定を行った。
4) 害虫ゲノムのシンテニー比較研究(2006-2007):
 チョウ目ヤガ科の害虫2種(オオタバコガ、ツマジロクサヨトウ)のゲノムを一部解読して、カイコのゲノムと比較し、遺伝子の並び方(シンテニー)は高度に保存されているが、局所的に見ると遺伝子の向きやコピー数が激しく変動していることを明らかにした。
5) カイコにおける遺伝子工学技術開発、遺伝子機能解析、実用化研究(2004-)
 カイコにおける遺伝子組換え技術の開発、トランスポゾンミュータジェネシス、ゲノム情報と組換え技術を利用した既存突然変異体の原因遺伝子の同定、遺伝子組換えカイコによる有用物質生産の実用化等を行っている。
[文献]
1) Sezutsu H, Nitasaka E, Yamazaki T. Evolution of the LINE-like retrotransposon I element in the Drosophila melanogaster species group. Molecular and General Genetics 249:168-178 (1995).
2) Sezutsu H, Yukuhiro K. Dynamic rearrangement within the Antheraea pernyi silk fibroin gene is associated with four types of repetitive units. Journal of Molecular Evolution, 51(4):329-338 (2000).
3) Sakuraba Y, Sezutsu H, Takahasi KR, Tsuchihashi K, Ichikawa R, Fujimoto N, Kaneko S, Nakai Y, Uchiyama M, Goda N, Motoi R, Ikeda A, Karashima Y, Inoue M, Kaneda H, Masuya H, Minowa O, Noguchi H, Toyoda A, Sakaki Y, Wakana S, Noda T, Shiroishi T, Gondo Y. Molecular characterization of ENU mouse mutagenesis and archives. Biochemical and Biophysical Research Communications 336(2):609-616 (2005).
4) d'Alencon E*, Sezutsu H*, Legeai F, Permal E, Bernard-Samain S, Gimenez S, Gagneur C, Cousserans F, Shimomura M, Brun-Barale A, Flutre T, Couloux A, East P, Gordon K, Mita K, Quesneville H, Fournier P, Feyereisen R. Extensive synteny conservation of holocentric chromosomes in Lepidoptera despite high rates of local genome rearrangement. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 107(17):7680-7685 (2010).
5) Osanai-Futahashi M, Ohde T, Hirata J, Uchino K, Futahashi R, Tamura T, Niimi T, Sezutsu H. A visible dominant marker for insect transgenesis. Nature communications 3:1295 (2012).
その他
日本蚕糸学会、日本野蚕学会、国際野蚕学会、日本遺伝学会、日本分子生物学会、各会員。
日本蚕糸学会編集委員(2013-)、日本野蚕学会役員・昆虫科学連合日本野蚕学会代表(2010-)、日本昆虫科学連合役員(2013-)
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将来計画
本研究室では、「インセクトデザイン」を研究テーマとして、現在の具体的なテーマとしては「遺伝子組換えカイコの開発とその利用研究」を行っています。カイコやその他の昆虫の能力・多様性を分子レベルで理解し、昆虫を自在に改変する「インセクトデザイン」を可能にし、デザインした昆虫を研究や産業に利用することを目指しています。
教員からのメッセージ
昆虫は多様性に富んでいますが、多くの生物機能はまだ謎であり、未利用資源として残されています。本研究室ではカイコを中心とした昆虫の基礎研究から産業化研究まで広く行っており、昆虫の多様性を解明したい人や、社会還元を目指した研究を行いたい人に適しています。本研究室はつくばの独立行政法人研究所内にありますが、所内の多くの昆虫の研究者とのディスカッションやアドバイスを受けることが容易で、外部の大学や企業等との幅広い共同研究も可能であり、研究環境として優れていると思います。熱意とアイデアと実行力のある大学院生を歓迎します。
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