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田近 英一 たぢか えいいち/教授/基盤科学研究系
複雑理工学専攻/複雑系実験講座/巨視的複雑系分野
http://www-sys.eps.s.u-tokyo.ac.jp/~tajika/ (2011年3月まで)

略歴
1987年3月東京大学理学部地球物理学科卒業
1992年3月東京大学大学院理学系研究科地球物理学専攻博士課程修了 (理学博士)
1992年4月東京大学気候システム研究センター PD (日本学術振興会特別研究員)
1993年4月東京大学大学院理学系研究科地質学専攻 助手
2002年7月東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻 助教授
2007年4月東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻 准教授
2010年8月東京大学大学院新領域創成科学研究科複雑理工学専攻 教授(現職)
教育活動
・大学院新領域創成科学研究科: (未定)
・大学院理学系研究科:地球惑星環境進化学
・理学部地球惑星環境学科:地球惑星環境学基礎演習I,地球惑星環境学基礎演習II,地球システム進化学,地球史学,地球物質循環学
・放送大学:惑星地球の進化
研究活動

 私の研究分野は,地球惑星システム科学,地球史学,地球惑星環境進化学,比較惑星学です.地球や惑星の環境はどのように決まっているのでしょうか? 生命には液体の水が必要不可欠ですから,地球のような海惑星の成立条件を解明することは,太陽系外惑星系に第二の地球が存在する可能性を探るためにも必要不可欠です.そこで,地球や惑星の表層環境の安定性・変動性・進化等について理解するために,地球や惑星を大規模複雑系としてとらえる「地球惑星システム科学」の確立を目指しています.とりわけ,地球史において生じた大規模環境変動の解明は,地球システムや惑星システムの挙動の理解を深めます.このような視点に立つと,本研究室の研究テーマは,以下の2つに大別することができます.

(1) 地球環境の変動と進化の解明
 地球史を通じた地球環境の進化や変動(とくに生物大量絶滅が生じた天体衝突イベント,海洋無酸素イベント,全球凍結イベント,大規模火成活動イベントなど)やその原因を気候モデルや物質循環モデルを用いて解明する.また,フィールド調査を実施して採取した岩石試料の化学分析を行い,当時の地球環境変動の実態を物質科学的証拠に基づいて明らかにする.

(2) 太陽系及び太陽外惑星系における惑星環境の解明
 火星や金星の環境システムの挙動特性や環境変遷,太陽系外惑星系におけるさまざまな物理化学条件下(軌道要素,中心星の光度,惑星質量等)の惑星環境を,気候モデルを用いて明らかにする.そして,地球のような“ハビタブル”(生命が生存可能)な温暖湿潤環境を持つ惑星の条件を明らかにする.

[文献]
1) Sekine, Y., Tajika, E., Ohkouchi, N., Ogawa, N.O., Goto, K., Tada, R., Yamamoto, S., and Kirschvink, J.L. (2010) Anomalous negative excursion of carbon isotope in organic carbon after the last Paleoproterozoic glaciation in North America, Geochemistry, Geophysics, Geosystems (in press).
2) Misumi, K., Yamanaka, Y., and Tajika, E. (2009) Numerical simulation of atmospheric and oceanic biogeochemical cycles to an episodic CO2 release event: implications for the cause of mid-Cretaceous Ocean Anoxic Event-1a, Earth Planet. Sci. Lett. 286, 316-323.
3) Tajika, E. (2008) Theoretical constraints on early Earth's environment, Viva Origino, 36, 55-60.
4) Tajika, E. (2008) Snowball planets as a possible type of water-rich terrestrial planets in the extrasolar planetary system, Astrophysical Journal Letters 680, L53-L56.
5) 田近英一 (2007) 全球凍結と生物進化,地学雑誌, 116(1), 79-94.

その他
・学会活動:
日本地球惑星科学連合(理事2008〜,広報普及委員会委員長2005〜,JGL編集委員長2005〜,他),日本惑星科学会(運営委員1997〜2008,他),日本気象学会,日本地震学会,米国地球物理学連合(American Geophysical Union),米国地質学会(Geological Society of America)

・その他:
放送大学客員准教授 (2007〜2010)
文部科学省学術調査官 (2008〜2010)
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将来計画
地球環境が地球史を通じてどのように進化・変動してきたのか,太陽系内の他の惑星や太陽系外の惑星の環境がどのようなものであるのか,等に関する理論的枠組みを構築したいと考えています.
教員からのメッセージ
地球や惑星は大規模複雑系であるため,その挙動の把握は困難です.しかし,地質記録を手がかりに,過去の地球で生じた環境変動を解明し,その物理的理解に基づいて,火星や金星,あるいは太陽系外の惑星環境について予測・解明していくことは可能なはずです.それはまた,地球環境の理解を深めることにもつながります.「環境」についての理解を深めたいという皆さん,ぜひ一緒にチャレンジしましょう.
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