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北尾 彰朗 きたお あきお/准教授/生命科学研究系
メディカル情報生命専攻/生物機能情報協力講座/
http://www.iam.u-tokyo.ac.jp/MolDes/

略歴
1989年3月 京都大学理学部卒、1991年3月 京都大学大学院理学研究科化学専攻修士課程修了、1993年3月京都大学大学院理学研究科化学専攻博士後期課程中退、1993年4月 京都大学理学部化学科助手、1994年3月京都大学博士(理学)、1995年4月 京都大学大学院理学研究科化学専攻助手(大学院重点化による配置換、〜2002年1月まで)、1998年4月文部省在外研究員(Harvard Medical School、〜1999年3月)、2002年2月日本原子力研究所計算科学技術推進センター研究員、2003年4月 東京大学分子細胞生物学研究所細胞機能情報研究センター助教授(現職)
教育活動
大学院:情報生命科学基礎1、情報生命科学演習、情報生命科学特別研究1、情報生命科学輪講1、情報生命科学特別研究2、情報生命科学輪講2
研究活動
 生命体はリボゾーム・チャネル・べん毛などといった様々な機能ユニットによって構成され、ユニット間の複雑な相互作用によって生命活動を維持している。機能ユニットは蛋白質などの生体高分子やそれらの集合体である生体超分子であって、それ自身が巧妙にデザインされた生体分子機械であるといえる。しかし、生体分子機械は、通常の機械とはことなった以下のような特徴を持つ。

・自己構造形成能
・機能に関わる非剛体的(ソフト)構造変化
・エネルギー的高効率性
・分子間相互作用による機能調節

これらの生体分子機械がどのように特徴的な機能を発揮することができるのかを、主に分子シミュレーションなどの計算科学的手法や情報学的な手法を用いて、原子レベルで物理化学的な観点から解明することが研究の目的である。具体的には以下の研究をおこなう。

1) 大規模生体分子シミュレーションによる生体分子機械の作動原理解明
 機能ユニットとしての分子機械を構成している生体超分子系は周りの水分子も含めると数百万原子にも達する。原子レベルでの詳細な構造情報を用いて数百万の原子からなる巨大な生体超分子機械の大規模分子シミュレーションを行い、どのように機能を発揮することができるのか、物理化学的な観点からその作動原理を解明する。

2) 生体分子機械作動原理の収集と分類
 これまで解明されてきた生体分子機械のメカニズムに関する情報を収集し、情報学的・物理化学的観点から分類し、多様な生体分子機械の作動機構の全容を明らかにすることを目指す。具体的には配列情報・立体構造情報に加えて、立体構造変化・分子科学的な反応機構のメカニズムも考慮した分類をおこなう。

3) 実験データ解析による機能情報抽出
 核磁気共鳴や中性子散乱などの実験データには、生体分子系の複雑な振る舞いが反映しているが、その情報は機能解析のために充分活用されていない。分子シミュレーションを用いた新しい解析法によって様々な情報を抽出し、機能解明に用いる。また、テラヘルツ分光等の新しい実験法も積極的に取り入れていく予定である。

4) 新しいシミュレーション法の開発
 巨大な生体分子機械のメカニズムを詳細なモデルを用いた大規模分子シミュレーションで精密かつ効率的に実行するため、超並列コンピュータ上で高速に実行するためのソフトウエア開発をおこなう。また、これとは逆に巨大な生体分子機械のメカニズムをより効率的に研究するための新たな粗視化モデル・シミュレーショ
[文献]
1) A. Kitao, S. Hayward and N. Go, PROTEINS, 33, 496-517 (1998).
2) A. Kitao and G. Wagner, Proc. Natl. Acad. Sci., 97, 2064-2068 (2000)

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Figure:  分子シミュレーションによって明らかになった機能に関わる蛋白質リゾチームの構造変化のパターン
その他
所属学会:日本生物物理学会(分野別専門委員)、日本物理学会 、日本化学会、日本化学会情報化学部会、日本蛋白質科学会 会員、溶液化学研究会、分子シミュレーション研究会
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将来計画
 将来的には、生体分子機械の研究によって得られた知見を基に生体分子機械を創生していくための方法を開発し、これを利用して新たな機能性分子をデザインしていくことを目標とする。
教員からのメッセージ
 多様で複雑な生命現象の解明は、既成の概念や手法だけに満足していては難しいことと思います。新しいことに挑戦していく精神を常にもって研究に打ち込まれることを期待します。
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