新東京大学大学院領域創成科学研究科
秘密計算による化合物データベースの検索技術
− データベースや検索条件の情報を暗号化したまま類似化合物を検索できる −

平成23年11月1日
独立行政法人 産業技術総合研究所
 国立大学法人 筑波大学
国立大学法人 東京大学

ポイント

  • ユーザー側とデータベース側がお互いに情報を開示しないで、実用的な速度で検索可能
  • 全工程で暗号化されたデータだけを用いるため、情報漏えいのリスクが大幅に低下
  • 創薬のオープンイノベーションの加速に期待

概 要

 独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 野間口 有】(以下「産総研」という)生命情報工学研究センター RNA情報工学研究チーム 清水 佳奈 研究員ら、国立大学法人 筑波大学【学長 山田 信博】(以下「筑波大」という) 荒井 ひろみ 研究員ら、国立大学法人 東京大学【総長 濱田 純一】(以下「東大」という)浅井 潔 教授らは共同で、秘密計算による化合物データベースの検索技術を開発した。
 創薬などに用いられる化合物の情報は企業秘密として厳重に管理されるため、外部データベースに情報を送って類似化合物の検索を行うことが難しかった。今回開発した技術により、ユーザー側とサーバー側の双方が互いに情報を開示することなく、互いのデータを暗号化したままで比較し、検索結果だけを得ることができる。この技術では、データを加法準同型暗号により暗号化し、加算だけで検索を行えるアルゴリズムによって、大量のデータに対して実用的な速度で検索を実行できる。今回開発した技術は、企業間での安全かつ効果的な情報交換を促進し、創薬におけるオープンイノベーションに貢献すると期待される。
 なお、この技術の詳細は、2011年11月8〜10日に神戸国際会議場(神戸市中央区)で開催される情報計算化学生物学会2011年大会/2011年日本バイオインフォマティクス学会年会(CBI/JSBi2011合同大会)で発表する予定である。


今回開発したシステムの概要


詳細については、以下をご覧ください。

産業技術総合研究所プレスリリース記事

 

加法準同型暗号
加法準同型暗号では、平文(暗号化する前の元のデータ)同士の加算結果と、暗号文(暗号化したデータ)同士で特定の演算(例えば、乗算など)を行った後に復号化して得られる結果が同じになる。つまり、平文を直接知らず、暗号文だけがわかっている場合でも、平文同士の加算を計算することができる。ただし、計算結果は復号化しなければわからない。




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