電子の奇妙な軌道回転を放射光X線で観測
 電子が原子核周りを回転する状態(軌道運動)は、量子力学の世界では波として記述されます。本学新領域創成科学研究科物質系専攻の木英典教授(理化学研究所基幹研究所グループディレクタ兼任)、理化学研究所放射光科学総合研究センターの有馬孝尚チームリーダが率いる東大・理研の共同研究チームは、電子軌道運動の波の干渉効果が、共鳴X線回折に現れることに着目しました。世界最先端の放射光施設SPring-8(スプリングエイト)において、イリジウム酸化物(Sr2IrO4)にこの原理を応用し、電子の奇妙な軌道回転の波を捉えることに成功しました。 この結果、イリジウム酸化物が極めて強い電子スピンと軌道回転の相互作用(スピン−軌道相互作用)により、伝導電子が局在する新タイプの絶縁体状態にあることが明らかとなりました。今後、イリジウム酸化物のユニークな特徴を活かした新しいスピントロニクス(スピンを操る素子)機能開拓への展開などが期待されます。本成果は、平成21年3月6日発行の米国の科学雑誌『Science』に掲載されます。

記者発表記事



 

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